7話 『天啓』からの接触となり①
「やはりミツキを退ける実力、偽物ではないようだな。
これからはお前に『天啓』をくれてやろう。」
辺り一帯に声が響く。
最初は魔力を媒介とした声かと思った。けどディエルと話した時とは違う、音として全方位から発せられた。
見当もつかない発生源を探してる間に、同様に再びの声。
「疑問があるなら言葉としてみよ。」
加工を通してあるのか声質が揺らぎ続け、男女の判断すらつかない声。
状態が考えても仕方ない以上、聞いてみるしかない。
「…お前は神か何かなのか?」
自分でも馬鹿らしい聞き方とは思いつつも、そんな馬鹿らしい可能性を排除したくもあった。
「そう考えるのもいいだろう。
しかし他に気にするべき事がある、違うか?」
煮え切らない返しではあったが、確かにそれはそうだ。
「お前、ミツキに干渉してた奴だよな?」
「いかにも。」
「何故僕の方に接触してきた? 何が目的だ?」
「話が早いのは好きだ。
手っ取り早く言えば、応援だよ。」
「…街を守る立場の最高位騎士側についてた奴が、僕を?」
ミツキの落ち目には自分でも思う所はあるが、だとしても早過ぎると言わざるを得ない切り替え。
「君の正体は知っているし、その行動目的も察しはついている。
そしてそれは、私の最終目的とも一致する。」
「…つまり協力をしろ、と?」
「いいや、むしろそのままでいい。私には成しえなかった、鋭くも効果的なプランだ。
だから、有意義に使わせてもらう事にした。」
「…それで、何が言いたい?」
「故に、是非とも成し遂げてほしい。例えどういう結末になろうとも。」
加工越しの声でも、感させられる怖気。それを見透かされたかのように、声が続く。
「それとも覚悟無き行いか? 中途半端に終わられるなら不都合だ、早急に手を引く方が身のためだ。
だが、覚悟があるというのなら、舞台の用意くらいはしてやろう。」
都合いい言葉を並べてるのが逆に胡散臭い。それに以前ミツキの襲撃を受けた時の『天啓』と同じなら、尚更。
「…少し、考えさせてくれ。」
「いいだろう。ならば明日、答えを聞こう。」




