6話 再びの対峙は③
「逃げられると思うな『赤霧の鎧』
例えどこへ行こうとも『天啓』は貴様を見逃さん。」
天啓、以前襲ってきた時にも聞いたワード。
気にはなるが、今は考える余裕は無い。
続く連撃。どうにか捌くが、反撃に出れない。
そして大きな蹴り上げと同時に生じる斬り上げの刃。それを咄嗟に盾を生成し受ける。
来る衝撃と、ミツキの退避でまた距離が開く。
事前の意識の差で一瞬遅れ。ミツキの右腕の大振りの構えを見て守りに切り替える。
魔力の刃と追撃の踏み込みながらの、聞こえるミツキの叫び声。
「お前のせいでこの俺の評判はガタ落ちだ。
今ここでたおして回復させる!」
だがもう見た攻め手の再演。踏み込みを受け流し、体勢を崩させる。
強引に立て直されるが、流れは逆転。今度はこっちから攻め込む。
振り下ろした剣が、交差させた剣に止められる。
拘束を嫌ってミツキが下がる。
同時にミツキの両手での大振りの構え。ならばとこちらも斬撃の数で対抗。
大量の光輝の刃と黒い刃がぶつかり合う。
だがそれは囮。
砕けて散る閃光を目くらましに、上へと羽ばたく。
一瞬のフリーな優位、それを決め手とする。
生成した無数の杭の雨は、ミツキに反応の隙を与えなかった。
命中を確認、足が止まってる所へ集中的に第二波。
その結果を確認する前に、その場を去る。
激しい戦闘は想定していなくて、今回補充してきた魔石はそう多くはない。「勝利した」という印象を与えるには、あれくらいやれば十分だろう。
ミツキの評判落ちなんて知った事ではないが、その様子は気になった。
プライドの問題…はあるのだろうが、それだけではないような様子に見えた。
『天啓』とやらが何か関係しているのか?
なんて考えながら物陰まで到着した時。
答え合わせは向こうからやってきた。
「やはりミツキを退ける実力、偽物ではないようだな。
これからはお前に『天啓』をくれてやろう。」




