5話 再びの対峙は②
咄嗟に軌道を反転し、周囲を確認。
探すまでもなく、術の主は自らを誇示するように空中に立っていた。
「見つけたぞ『赤霧の鎧』。
今度こそ、貴様を仕留めてやる!」
何度か見た白鎧のそいつ。
最高位騎士の一人、ミツキだ。
流石にこいつ相手に演じる余裕は無い。
三日月形の大爪を構え、振るう。
光輝の壁に阻まれる。けどすかさず追撃。
ミツキの壁がそれを止めると同時に、ミツキが右腕を振りかぶるのが見える。前にも見た、遠隔攻撃の前振り。
今更単純な同じ手なんて。片手間で避けながら、次の流れを考える。
押されてるふりをして、頃合いを見て吹っ飛んで、どこか手ごろな……。
…いや待て。
破壊そのものは目的じゃないからって、ある程度交戦したら撤退してきた。けどそれは『赤霧の鎧』の強さイメージを損ね始めてるんじゃないか?
しかも今回は最高位騎士とはいえ一度は勝った相手。自分が見る視点だったら、それに負けては見限る。
どこかで改めて「脅威」と強く認識させる必要がある。なら。
と結論に至ったいいが、考え込みすぎた。
こちらの攻め手が緩んだ隙、一気に攻め来る多数の魔力の刃。
それを防ぐ間に攻め込まれ、振り下ろされる2本の片手剣。
咄嗟に創り出した片手剣で受け流すも、勢いのままに距離を取られ、反撃には移れなかった。
「逃げられると思うな『赤霧の鎧』
例えどこへ行こうとも『天啓』は貴様を見逃さん。」




