26話 初志の道を④
不意打ちのつもりだろうか、背後から接近の気配。
咄嗟に創り出し反転しながら振った剣は、高い衝突音を響かせた。
茶色いローブに鈍色の仮面、もう見慣れたその姿のからの、短剣の一撃。
強い敵意は感じる。けど軽い。わざわざ対応するまでもなく鎧で弾ける、そう思うほどに。
決めたはずの決意すらちょっと揺らいで、やりすぎを恐れた大爪での咄嗟の反撃は、建物に傷跡を残すだけに収まる。
…いや、あいつ、避ける事に専念してやがる。
2撃・3撃と繰り返しても、難なく避けられる。反撃の気配を見せないままに。
このまま同じような攻撃を繰り返しても、同じように見切られるだけだろう。
なら、どうせ準備の猶予はあるんだ、派手に広範囲を攻撃すればいい。
と足を止め魔力を引き出し始めた時だった。
横の建物、その隙間から物音。足音か?
咄嗟に避けたその場所を、鈍重な刃が空を裂いた。
焦りながらも状況確認。
再び建物の隙間へと逃げ込む人影。
もう1人いる。その事に気を取られている間に、近付いていた短剣使いの方。
咄嗟に手甲で弾けたけど、鎧越しでも感じるしびれる衝撃。電撃でも流しているのか? なんにせよ、雑な受け方はできない事は分かった。
敵地の中である以上、余計に時間を取られる訳にもいかない。
次の動きに警戒しながら、魔石から魔力を引き出す。




