19話 天秤を揺るがす③
衝撃から立て直す隙を狙う3方からの弾、それを生成した黒い盾で防ぐ。
それを解き再び相手を見据えた時には、もう倒すべき敵と見る決意を決めていた。
迷いが消えてからの思考は早かった。
再びの背後からの一撃、でもそのパターンは見た。音に合わせて背後に一瞬盾を生成して防ぐ。
弾それぞれに連射上限があるらしい。次に気を付けるべきは前方の3玉。
内2玉からの攻撃、それを避けるのは楽。だが誘導された感。
けど一発くらいなら押し通せそう。見るのを待たずに強引に攻め込む。
反射的に撃ったのだろう、4玉目も光線を放つが、的確すぎる狙いは避けるのに楽だった。
やはり操作に集中してるのか、動かない本体に爪の一撃。
だけど硬いものに当たる。光沢のある透明な球体が、本体を守っている。
次の一撃を、と一瞬考えたが、どれくらいで割れるかの見当を立てられない。その間に球体の方の準備が整うだろう。
硬いならむしろ好都合。射撃に対応しやすいよう高く飛び上がりながら、多く魔力を引き出す。
そして振り下ろす大爪の一振り。障壁には当たらない、けど足場を大きく壊す。
それでも障壁は空中に固定されているようで、その場にとどまる。
なら、動けないそこを狙う大杭。気付いた相手が、退避の為に障壁を解除する。
すかさずそこを狙いに距離を詰める。落下中を狙った一撃は、しかし手元に集められた球体に止められる。
けど、その後の球体の動きが怪しい。機能としてどこか壊れたか。
まだ対抗手段を持ってるのかもしれない、けどもし使い切ってたなら。
そう一瞬考えてしまい、攻め手が遅れる。
けど、英傑と渡り合っていたであろう相手だ、という信用。
落下を加速させ、通り過ぎざまに目標に斬りかかる。
手応えのなかったその一撃は、身代わりの布を切り裂くだけに留まった。




