18話 天秤を揺るがす②
北東地区を粗方周りきって、切り上げようとしたタイミングだった。
背後から不意の魔術的な射撃音。咄嗟に当て勘で飛びのくが、無機質な光が鎧をかすめる。
振り向きそこに居たのは、鈍い銀色の仮面に茶フード、鈍色仮面の一員だった。
…これも『天啓』の思惑か? 鈍色仮面にも通ずる何らかの手段があるのか?
なんて考えてる余裕は無い。あっちは敵意むき出しだ。
相手の周囲に浮かぶ4つの球体、あれが今の射撃の武器だろう。
確認するや否や、球体が遠くへと散る。
全部確認し続けるのは無理だ。けどあいつが操作してるというのなら、攻撃崎に意図が見えるはずだ。
幸い、本体が動く様子は無い。
射撃も無視できるとまではいかないが、さっきの威力なら多少は受けても問題無いだろう。
全てを無視して攻め込めば、押し通せてしまいそうではある。
だが、今の勢力関係の中、鈍色仮面側に打撃を与えて大丈夫なものか? それに鈍色仮面はラディの──
なんて考え事をしていたら、背後からの射撃音への反応が遅れ。
一瞬思考が止まった事で、吹っ切れた。
思い出した根底。「表の住民と路地裏の共通の敵」になる事。
なら、鈍色仮面との衝突もいずれは通らねばならない道。
衝撃から立て直す隙を狙う3方からの弾、それを生成した黒い盾で防ぐ。
それを解き再び相手を見据えた時には、もう倒すべき敵と見る決意を決めていた。




