16話 その反動は②
戻ってきた『路地裏』の宿。
そこには既に、しょんぼりした様子のラディが居た。
「…どうだった? 鈍色仮面の様子は。」
呼びかけにラディが振り向き、答える。
「それが、どんどん話が進んで、ラディには止められず……。」
「…止められなかった、か。」
少し目を逸らしながら、ラディが答える。
「止めよう、とはおもいました。
でも、あの勢いをラディが止めていいのかな、っておもって。」
「…どういう事?」
「たしかに今の鈍色仮面のみなさんの勢いは怖いです。けどそれって、それだけ強い想いがあるから、ですよね。」
「まぁ、そうだろうな。」
「それを、『兵器』としてつくられた『道具』がとめていいのかな、って。」
そうか。コンジュさんとの事がひと段落したあと、ラディは自分の過去の事を聞いて知っていた。それで悩んでたのか。
「そんなの、もうラディが気にするような事じゃないと思うけどな。」
「でも……。」
「ラディが単なる道具だっていうんなら、何で今の鈍色仮面の状況を『怖い』と思ってる?」
「それは……。」
「鈍色仮面に協力するって言った時だってそうだ。ラディは自分の意思で決めて、そう動いた。
それに、鈍色仮面はそういう気にしないような集団だと思うけど、違うか?」
「…今すぐそう思う、のはむずかしいです。けど、がんばってみます。」




