13話 送りつけられる具体的な挑戦状③
魔力越しに触れ感じる、皮膚の感触。
直に感じる、血の生暖かさ。
黒い刃の奔流が、周囲の全てを切り裂いた。
見た所浅い、けど確実に入った。
血を見る浴びる事自体は魔物相手で慣れた。はずだった。
血の色も生温かさも。傷を負おうとも痛みに耐え尚も敵視を向けてくるのも、言葉にすると同じはず。
なのに、相手が魔物か人かというだけで、あまりにも……。
…………。
いや、変わらない。同じ事だ。少なくとも今はそうあるべき。
危険な魔物を狩る冒険者とも。住処を侵す冒険者を狩る魔物とも。
僕は『赤霧の鎧』。破壊を繰り返す、得体の知れない怪物。
改めて、獲物の配備を確認する。
近距離で当たったのは2人。その後ろにも3人いるが、今の流れ弾で負傷が見られる。
英傑達にも想定外の強い反撃になったんだろう。後衛にも動揺が見られる。
前衛が崩れた今その、時間は一瞬だが、後衛を狙いに向かうのは造作もない。
ミツキ襲撃の後、多めに魔石を補充してきてよかった。
火球、氷の槍、広がる電撃、それぞれが咄嗟に遠隔魔法を放つ。
しかし上昇での回避とともに、身の1回転を加えた大爪で薙ぐ。
回避はされる。しかしその向こうの建物を切り砕く。
その瓦礫に巻き込まれる形で英傑が負傷するのを、なんとも思わない事にした。




