10話 『天啓』からの接触となり④
翌日の屋外。『路地裏』からの通路の出口、建物の隙間の細い路地。
これから、という気構えを整えてる最中に、早くも『声』は来た。
「わざわざ以前と同じ場所とは、殊勝だな。」
以前の言葉に偽り無し。鎧なしの状態なのに、やはり把握されている。
「…どこからどこまで見てる?」
「全てだよ。
隠れ住んでる所にいる内に聞く事もできたが、それでは不都合があろう?」
「…お気遣いどうも。」
「君の不都合はこちらも不都合なだけだよ。
では、答えを聞こうか。」
「その前に聞かせろ。お前は何なんだ?」
答えは決まっている。が、それはそれとして、知っておくに越した事は無いし、と。
「私が何者だろうと、些細な問題だろう。違うか?」
ダメ元だったとはいえ、流石に。と思った所に、声が続く。
「だが…そうだな、君が取引通りに動いてくれたら、そのリワードというのはどうだ?」
「そんな安く扱っていい話なのか?」
「そんな事に気を回して行動が鈍るのは困る、が前金で開示するのもつまらん。
その上で改めて、答えを聞こうか。」
「…あえて言うなら『勝手にしろ』、だ。
そっちがどう動こうと、僕は僕の方針に従って動くだけだ。」
元よりそのつもりで、結果的に互いに干渉しないくらいの気持ちで来た。
けど、以前からちょっと引っかかってた話に触れられるというのなら、思わぬ収穫。
「それでいい。
是非ともいい想定外をくれたまえ。」




