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愛の花  作者:
異世界
27/27

珍しい日

―約1ヶ月後―


隼人は岩崎の家に来ていた。今は二人で魔導書を読んでいるところのようだ。


「なぁ…」

「どうしたの?隼人くん」

「学校外の時…師匠って呼んでもいいか?」

「えっ?!いきなりどうしたの?」

「ここ最近、担任になったってのもあってか、ますます学校のお前とプライベートのお前が違う人間な気がしてきてな」

「なるほど?」

「なんだろ…プライベートのお前を岩崎って呼ぶのは違和感というか…申し訳ない…?」

「申し訳ない??」

「お前、前に言ってただろ?本当の自分が分からないって、岩崎ってなんか…お前自身を潰してるんじゃないかって…お前は多少でも、先生らしくしようって思ってる節がある気がして」

「〜〜!!隼人くんがそんな風に思ってくれて嬉しい!!!!」

「…!うっせぇな!」

「でもなんで師匠なの?名前でもいいのに」

「なんか…ロフェって呼ぶのは違和感…あるっていうか…一応…尊敬してるし…」

「かっ…かわいい!!!!!」

「うるせぇ!!!!!!!」

「まぁ、雑談はこの辺にして、ちゃんと勉強しないとね。もっと実力を極めないと」

「…そうだな。」

「幸い、邪神の国の時はここより相当遅いから準備の時間は沢山取っても大丈夫…と言っても早く会いたいなら頑張らないと。」

「邪神の国についてもっと知りたいんだけど…」

「前に邪神が作ったと言われている国っていうのはきいたよね?」

「うん、聞いた」

「この国が中心の世界で全体的に荒れてる世界なんだけど…奴隷とか植民地とか…そういう風な人達も沢山いるうえに人体実験も合法、しかも地形も最悪とかいうクソ具合。」

「いわ…師匠がクソとか言うの珍しいな…」

「師匠って言われるのなんか違和感…照れる」

「きもい」

「酷い…笑まぁ…そんな世界でね…僕はあんまり行きたくないなぁ…隼人くんのお父さんはどうしていなくなったんだっけ?」

「そういえば話してないか」

「うん」

「なんか…多分魔法使いの、二人組?のやつに俺がターゲットにされたみたいで父さんが代わりにそいつらの気をひいてくれたみたいな…」


その瞬間、岩崎の顔色が変わり空気が凍りつく。


「隼人くん、今すぐ冥さんのとこ行こう」

「えっ?」


隼人が呆然とする間に岩崎が準備を終わらせ、最低限の動きのみで冥の小屋へと向かう。


「冥さん、隼人くんのお父さんがいなくなった原因、夜鳥やちょうが関係してるみたいですっ、!」

「はぁ?!」

「ごめん、隼人くんの話もっと詳しく聞かせて」

「あぁ…俺が多分7のときの話で……」

夢でみて思い出せた限りのことを岩崎と冥に話した。

「ちっ…間違いなく夜鳥だろうな…」

「どんなやつらなんですか…?その夜鳥って」

「夜鳥…夜の鳥と書く。夜に行動し、その後には何も残らない事からそうよばれている。色々な世界をまわって各世界で1番大きな魔力の者を攫う奴らだ。」

「え?つまり父さんはそんな大きな力を持っているんですか?!」

「それもかなりのですよね……少なくとも僕よりも大きな力…」

「隼人の父親が狙われたのは…妾のせいかもな……」

「妾もおそらく同時期に狙われてな、なんとか応戦し、追い返したのだが…仕留めることができなくてな…」

「冥さんと互角ってことですか…?」

「妾よりも上かもな…」

「……なんでそんなことするんですか?」

「明確な理由はわからぬが……おそらく魔力を奪うためだろう…」

「魔力を奪う?!そんなことできるんですか?」

「…あぁ。殺してから、特殊な薬をかけるとな」

「怖いですね…父さん…大丈夫かな…」

「隼人くん、お父さんだけじゃなくて自分の心配もしないと」

「なんでだ?」

「状況を考えて、隼人くんも君のお父さんと同じくらいかそれ以上の魔力があるってことだから。」

「でも今は抑えてあるんだろ?」

「うーん…まぁ…でも…抑えてあると言っても凄い量あるし…その…隠さず残ってる量?を使い切っちゃうと全部解放されちゃうんだよね…」

「夜鳥となると話は変わってくるな。妾が情報を集めてやろう。」

「じゃあ、今日は帰ります。また、何か分かったら教えてください。」 



―次の日学校―


「もうすぐ文化祭だなー」

「だねー」


いつもの3人でご飯を食べながらそんな話をする。

ただ隼人は少し心持ちが重いようだ。


「そういえば、鈴川さんってちょっと変わってるよな」

「急にだね。てか、かずからそんな話するの珍しい。まぁ、分かるけど」

「そうなの?」

「学級委員になってから気づいたんだけど、何もないとこを見つめてたりするんだよね。あと放課後帰るのはやい。もちろん仕事はちゃんとやってるけどね?」

「俺、全然話さないからしらなかった。」

「悪いと思ってるわけではないんだけどな?なんか変わってるなーって思って気になった」


そんな他愛も無い話をしていると、岩崎が来た。


「岩崎センセー珍しいッスねー昼休みに教室来るの」

「そうですね。やる事なかったので」

「普段はどうしてるんすか?」

「理科準備室で授業の用意とかしてます」

「ご飯ってどんなのなんですか?」

「弁当ですね」

「愛妻弁当ですか?」

「残念ながら愛妻弁当じゃないですけど手作りですね」

「え、先生が作ってるんですか?」

「はい、料理が得意で」

「意外…!多分まだ食べてないですよね?見せてください!!」

「いいですよ?」

岩崎が弁当箱を開けて見せる。

「美味しそー!俺は料理とかできないからなー…」

弁当を開けて見せた流れからそのまま食べ始める。

「料理できるとモテそうっすね。彼女いないんですか?」

「いないですねー。興味もあまりないもので」

「料理できてもあんまモテねーのかな?隼人もモテねーし」

「失礼な!まぁ…そうだけど… 」

「モテてーなー」

「かずそんな女子に興味あったっけ?」

「まぁ…多少は?」

「こういう会話青春感あって良いですね」

「その言い方だと先生青春体験してない感じっすか?」

「ありそー真面目すぎてみたいな?」

「さぁ?どうでしょうねー。意外とチャラくて女の子とっかえひっかえしてたかもしれませんよ?」

「えー絶対ないー」

「ふふ。」

「てか、先生もそんな冗談言うんですね笑」

「こういうノリは嫌いじゃないですから」

岩崎は控えめだが楽しそうかつ嬉しそうな笑顔を見せる。

「先生もそんな表情するんですねー」

「えっ、どんな表情ですか?」

「楽しそうというか嬉しそうな顔?珍しいなと」

「俺も思ったー珍しいよなー」

「そんな顔してました?笑」


朗らかな空気が流れる。

その空気に流され隼人の心持ちも少し軽くなったようで緩やかな笑顔を浮かべる。


「隼人も楽しそうだなー!良き良き!」

「楽しいー笑」

「棒読みだな笑」

「かず、本当隼人のこと大好きだよね。隼人が嬉しそうにしてるとかずも嬉しそう。仲良すぎて気持ち悪いくらい」

「おん?失礼だな?!」

一希は軽く翔を小突く。

「僕から見てると3人ともお互いを慕い合ってとても仲良さそうで羨ましいです」

「そうですかね?」

「はい、ずっとそんな関係を築いてほしいものですね」


(こんな時間が、平和がずっと続けばいいのに)

隼人は漠然と考える。

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