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愛の花  作者:
隼人と魔法
14/17

きっかけ

「あっやばっ繋げるとこミスった」

「えぇ…ここ学校の屋上じゃん…鍵も空いてないし…ゲート繋ぎ直してよ…」

「…ゲート1回開いたら10分くらいは開けないんだよねぇ…」

「まじかぁ…」

「…飛ぶ?」

「あぁ…そう言うの出来るのか…ちょっと楽しそう…でも、目立つから駄目だろ」

「だよねぇ…まぁちょっと話ししたら10分なんてすぐだって」

「そうだな」

「何話す?」

「うーん…お前って、冥さんのことどう思ってるんだ?」

「えっ、なんで?」

「いや、なんとなく気になって」

「そっかぁ、なんだろうなぁーどう思ってる…か…何か変な人だし…たまに、怖いとか、うざいとか思うけど…」

「ボロクソだな…」

「でもね、色々言ってるけど、僕、冥さんのことすっごく尊敬してるし大好きなんだ。」

岩崎が真っ直ぐな笑顔をした。

(本当にこいつは冥さんのことを信頼してるんだな…)

「羨ましい…」

岩崎がそんな笑顔をするものだから声に漏れてしまった。

「んぇっ?何が?え?」

「あはは…何かさ、俺、あんまり人を信頼できないんだよ。」

「何かあったの?」

「特に何か、ということはないんだけど…強いて言うなら……今、一緒に住んでるの義理の両親で母親の親族って言ってただろ、あの人たち、前はもっと温かい…というか、まぁ…そんな感じだと思ってたんだ」

隼人はこのような話をした事が無いので変に緊張し凄く心臓の鼓動がはやくなっていた。

「そうなんだ、、」

「そう、ずっとニコニコしてて、でも一緒に住んでみるとなんか、笑顔なんてあんま…てかほぼ全く…見ないし…気遣ったりはしてくれるから優しいとは思うんだけど…」

「内と外の差が怖かったと」

「そう、それであんま信じれなくなって…本当に本音なのか疑うようになっちゃって…まぁ両親どっちもいなくなって性格ひねくれたって言うのはあるけど」

「まあねぇ、怖いよね。大人ってねそうしないと生きていけないんだよ。社会性とか信頼とかそんなんばっかを気にしてさ。子供のうちはそんな事気にしないのにね、不思議なもんだよ人間って。」

「お前の口からそんな話が出てくるとは…」

「失礼だな。まぁ、いずれ慣れるし1人くらいは本当に信頼出来る人が出来ると思うよ、人生は長いんだから。特に隼人くんはね。それに無理して誰かを信頼しようとしなくていいんだよ。」

「……そうだよな」

「あははっ、偉そうな事言っちゃってごめんねぇー。でも、僕は、隼人くんの学校と魔法の先生なんだから相談とかもして欲しいし、信頼出来るように頑張るよ」

「ありがとう。」

「…岩崎は誰か悩みとか話せる奴いるのか?」

「えぇー僕はそんな悩みないしなー…でも、まぁ、たまに相談する人はいるねぇー。別世界の人だけど」

「その人も魔法使いなのか?」

「いや、違うね。てか、人って言っちゃったけど人じゃないね。九尾の狐」

「九尾?!え、気になる!」

「おぉ…食いつきがすごい…」

「だって、九尾かっこいいし…もふもふだし…」

「理由可愛いなぁ!」

「う、うるさい!いいだろ!別に!」

「いやぁ悪いとは言ってないよ〜」

「でも、会ってみたいなぁ九尾…」

「まぁ、いいんじゃない?魔法に慣れてきたら会いに行こうか〜魔法に慣れるまでは別世界行くの危ないからねぇ」

「魔法の練習頑張らないと」

「あ、もう10分経ってるーじゃあ隼人くんの家に繋げるねぇー」

そう言いゲートを繋げ家に帰った。

「た、ただいま…」

「おかえりなさい」

日曜日のため両親の仕事は休みのようだ。

「友だちの家はどうだったんだ?」

「え、楽しかったです」

隼人は驚いた。このような質問をされるとは思っていなかった。

「そう、よかった」

「…??」

「この家に来てから友だちと遊びに行くのとか見ていなかったから…気を使っているのかと心配になっちゃったのよ。私もこの人も。気なんて使わなくていいのよ」

「…!ありがとうございます」

少し嬉しくなった。初めてこの家に少し馴染めた気がした。

「ま、真奈美さんたちも、僕に、そんな気…つかわないで下さい…」

「えぇ、そうするわね。お昼ご飯あるわよ」

これをきっかけに義両親との距離が少し縮まった。

それからしばらくの期間、特に変わった事もなく、週に一度(基本土曜日)だけ、岩崎の家に行き魔法を練習する以外何も無い日々が続いた。だが、ある日…

「お前何か俺に隠してることねぇ?」

突然、一希に言われた。

「な、何で?」

「いやー、ちょい忙しそうだな、くらいで特に何かということはないけど…何となく?」

「えー…無いことはないんだけど…ちょっと今度でもいい?心の準備が…」

「そんなヤベーこと?気になるー」

一希だけで翔もおらず、魔法の事を言っても良いかと思ったが、何だか気が引ける。この事を岩崎に相談したかった。

「言えるときに、言うよ。でも、なるべく言うときは…」

翔は呼ばないでと言いたかったが嫌っていると思われたくなかった、息が詰まる。

「あぁ、翔は呼ばねぇよ。それだけ真面目な話なんだな。」

「ありがとう…」

「そんな申し訳無さそうな顔すんなってー。話せる奴と話せない奴がいるのは分かるからさ」

隼人は、少しの文脈などから察してくれる一希を尊敬した。

―放課後―

職員室の扉をノックし扉を開ける。 

「2年B組の瀬戸隼人です。岩崎先生いらっしゃいますか。」

「…?!瀬戸くん、どうしましたか?」

「ちょっと相談があって…」

「わかりました。理科準備室にでも行きましょう」

「はい」

―理科準備室―

「どうしたの?隼人くん」

「魔法関係の相談なんだけど」

「ねぇ、隼人くん?困るんだけど?魔法の相談学校でしないでよぉ…てか…よく職員室に授業以外で関わりのないただの教科担任の先生呼びにこれたね…他の先生たち皆びっくりしてたよ…」

「ごめん…ちょっと、悩みすぎて頭痛くなってきちゃって…」

「そんなに…?どうしたの?」

「かずに…魔法の事話すか迷ってて…」

「えぇ…いや、知らないよ…僕友人関係は専門外っていうか、ほぼ関係ないじゃん…」

予想外の相談に岩崎は困惑しているようだ。

「仕方ないだろ…魔法以外でも岩崎以外、相談出来る人いないんだよ…」

「それは嬉しいけど…」

「どうしよう…」

「そんな思いつめないでさ、リラックスして、まず、何で迷ってるの?」

「えっと…今日何か隠してる事あるって聞かれて…話しても良いかとも思ったんだけど…何か不安になっちゃって…」

「なるほどねぇ…何で不安なのか分かる?」

「…分かんない」

「多分だけど、『人間関係が崩れること』とか『打ち明けて相手に負担をかけること』あとは『弱みを見せること』とかに無意識的な恐怖があるんだよ」

「なるほど…」

「隼人くんは吉村くんにそれを打ち明けて人間関係崩れたりすると思う?」

「思わない…」

「じゃあ、大丈夫なんじゃないかな?」

「…!そうだな!ありがとう!」

「伊達に長生きしてないからねぇーまぁ、最悪何かあったら僕が記憶消してあげるよぉ」

「さらっと怖いことを…」

―次の日―

「かず、昨日の事話す決心がついたよ今日、帰りに話すよ」

「おう」

そして、2人で帰っているときにとある事がきっかけで魔法使いに助けられたこと、魔法使いをつかい、やるべきことがあること、そこから魔法を使うことにしたことなどをある程度隠しながらだが話した。

「あはは…嘘みたいだけど全部本当なんだ」

「いや、お前…すげぇな!」

隼人は一瞬鼓動が速くなる。思っていた反応と違っていたのと、間の取り方で否定されると思ったからだ。だが素直に受け止めてくれた一希に感謝を覚えた。

「ちょっと見せてくれよ!」

「えぇ…僕まだ練習中だからな…まぁ…ちょっとなら…どんなんがいい?」

「よっしゃー!やりやすいやつでいいぞ!」

「じゃあ…」

そう言って呪文を唱え持っていた鞄に向かって魔法陣をかき浮かせた。

「す、すげぇ!!ガチじゃん!」

「いや、ガチだよ!」

「若干疑ってたけど、これは疑いようがないな!すげぇ!」

―次の土曜日―

隼人は岩崎の家に来て少し雑談をしていた。

「そういえば隼人くん吉村くんに話したの、どうなった?」

「直ぐに信じてくれたし、すごいって褒めてくれた」

「吉村くんも優しいし素直だねぇ、普通真っ先に疑うと思うんだけどな―」

「ちょっとは疑ってたみたいだけどなー。ちょっと魔法見せたら直ぐに信じてくれた」

「微笑ましいねぇー」

久しぶりにかずくん出てきましたね。

実は翔くんと隼人くんはあまり仲いいわけではなく、かずくんと仲いい〜みたいな感じのイメージで書いてます〜そして結構お気に設定です(^q^)

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