第1話 深海の呼び声
あったらいいな〜と思った世界線とか物語とかそんな感じのを1話ずつ投稿して中でも反応が良かったのをどんどん書く予定です。
2053年、深海探査技術が飛躍的に進化し、人類はついに超深海の未知の領域に足を踏み入れることができるようになった。これまで不可能だった深海の奥底を探査するために、複数の国が協力し、画期的な探査機や潜水艇が開発された。その中でも、アメリカのディープ・サーチ計画は最も注目されていた。
「これが、深海を制する鍵になる。」
そう語ったのは、アメリカの海洋研究者でありディープ・サーチ計画の責任者、エミリー・カーター博士だった。彼女の率いるチームは、数ヶ月にわたって深海の多くの未開の領域を調査し、驚くべき発見を数多くしていた。しかし、最大の目標は、あまりにも人類の手が届かない深海の超深海に隠された未知の生命体を探し出すことだった。
その日、カーター博士とそのチームは、最新型の無人潜水艇「アビス・ワーカー」を操り、超深海の4000メートルを越える海域に潜入していた。全長12メートルのアビス・ワーカーは海底のサンプルを採取しながら前進していたが、その日、明らかに何かが違った。
「カーター博士、こちらチーム1。信号が不安定です。」
その声を受けて、カーター博士はモニターを見つめながら眉をひそめた。深海では通信障害は珍しくなかったが、今回はそれとは別の異常を感じた。
「何かが近くにいる…」
彼女のつぶやきの通り、アビス・ワーカーのセンサーが捉えたのはただの海流や魚群ではなかった。モニターに映し出されたのは、信じられないほど巨大な影。海底に広がるその黒い塊は、生物としか言いようがない形をしていた。
数分後、アビス・ワーカーのカメラがその正体を捉えた。全長約60メートル。まるで古代の深海魚が進化したかのような、重厚で圧倒的な存在感を放つ生物だった。頭部から背部にかけて鋭利な骨のような構造があり、体表には装甲のような厚い鱗が幾層にも重なっている。眼孔らしき部分が発光し、周囲の水圧や音の変化を探るかのように微かに動いていた。
「……これは……」
カーター博士はその姿を前にして声を失いかけたが、震える指で観測データを保存し、帰還命令を下した。
その夜、アメリカ本土に戻った研究チームは速やかに政府へ報告し、情報は極秘裏に共有されるはずだった。だが、報告から数日も経たぬうちに、何者かによって映像とデータが流出。世界中のメディアとSNSが「深海の巨大生物」をセンセーショナルに取り上げ始めた。
発見からわずか1週間。怪獣の存在は広く知られるようになり、一部の科学者が懐疑的な見解を示すものの、次々と公開される高精度なセンサーデータや映像記録によって反論の余地は消えていった。
2055年9月。国連は「深海域における未知巨大生物の存在を確認した」と発表。以後、人類はこの存在を「怪獣」と大まかに分類するようになり、各国は警戒態勢を強化する。怪獣はその性質や形態に応じていくつかのカテゴリに分けられ、軍事・科学両面での対応が急がれた。
一方、カーター博士たちの深海探査計画はひっそりと再開される。2056年春、世界各国の軍が参加する大規模な海上演習に合わせて、新たな探査機が超深海に投入された。
今回公開した1話~3話は、あくまで反応を見ていただくための仮投稿として公開しました。そのため、戦闘や、条約や国際的な面でのリアリティについては、現時点では考慮されていません。ご理解いただけますと幸いです。
本投稿を基に、皆様の反応を参考にし、よりリアルで納得のいく形に改善していく予定です。正式投稿時には、より精緻な内容に仕上げ、皆様に楽しんでいただけるよう努めますので、引き続きご期待いただければと思います。