旅立つ前に ③ 【旅立ち前の四者面談】
朝食後、オリエラ、ぬいぬい、ルイス、僕、というメンバーの4者面談を受けるオリエラ。
「師匠の言いたい事はわかるよ。でも、王族が、勇者と共に旅に行くのは習わしでしょ?」
ぬいぬいが彼女に同行を諦めろと言い、オリエラは、机に手を付き立ち上がるとそう言った。
「習わしなら、この国の王子が行くべきで、お前の出番はないはず」
ぬいぬいは、机の上で手を組み、二人は牽制しあっている。
そしてお互い、引くに引けないのだろう。
「「ハヤトは、どう思う?」」
二人は息を揃え、こちらに話を振ってきた。
「僕ですか?、僕、個人的な意見としては、未成年のオリエラを連れて行く事は反対です。でも、パーティのリーダーとしては前衛の彼女は必要です。こう言っては何ですが、貴方達が意見を聞くべきなのはオリエラのご両親では?」
「それはいろいろ壁がある」ぬいぬいがそう言うが、僕の知っているアニス王はとてもオリエラを気にかけていたはず。
「今の城内の様子では、アニス王の容態が安定した今なら、王の命で第一王子のレイニルト様が旅に同行する事に変更される可能性はありますが……」
ルイスはそう言うが、最近、夫の病から回復しつつある彼女にそれはとても酷な話だろう。
僕は完全に王妃派だった。
「王妃はこの国の言わば、母のような存在です。その彼女から実の息子を取り上げるような事を言い出せば、彼女の親族はもとより国民の反感を買うことになりますよ」
ルイスはそう言い、紅茶をポットからカップへとつぎさした。
「そうだよ、だから予定通り旅にでるべきたよ」
「最悪、旅にさえ出れば貴方の故郷で、オリエラかくまえばいい。そうでしょう?」
ルイスは、ぬいぬいに向け言う。
「何を言っているのルイス!? 貴方は、私と同じ、勇者に付き従う家柄でしょう? 貴方なら私の気持ちを分かってくれると思っていた」
「すみませんオリエラ、私が心を砕くべきは勇者が進む道に、転がる様々な危険を未然に防ぐ事です。貴方の幼さは危惧すべき事ではないと言いきれないのです。」
「それはどうしようもい事でしょう?」
オリエラは静かに言ったが、それはルイスに幼さについて言及されないためなのかもしれない。
「だが、事実だ。」
そう言ったぬいぬい。彼が本当にそう思っているか、謎である。彼自身が言われれば怒りをあらわにするにちがいないからだ。
「行きます。歳が問題なら歳より多くの事を身につければいいだけ、経験なら故郷でお爺様のもとで積んでいます。それ以上望むなら時間、魔界へ入るまで身に付けます。それで何の問題もないはず」
「オリエラ……」
ぬいぬいは、握りしめていた両手に乗せていた、顔を上げオリエラの顔を見つめる。オリエラは、幼いながら眼光鋭くみんなを見つめる。
「何をそんなに焦っているのですか? 魔界へ行って成功を収めても、貴方の居場所はないかもしれないですよ? 貴方の兄が、すべてを収め貴方は兄の政治の道具として、隣国にに嫁に出される。そんな未来しかなくても?」
「勘違いしないでください。私はこの城の王の血を引く娘であるけれど……、魔族との幾度もの戦いを乗り越えた。辺境の王の血を引く者でもあります。その誇りに懸けて、居場所は私が作ります。なんとしても」
二人の間にバチバチと火花が散っている。
「ハヤト、我が主様どうしましょう? 私、オリエラ姫を怒らせてしまったかもしれません……。そう言うわけで後は、頼みます」
そう言って、ルイスは鼻歌を歌わんばかりに楽しそうにこの部屋を後にしょうとしている。
「ルイス待って!?」
「はい?」
「私の意識を確認したの? 煽るような事を言って……」
「だったら何ですか? 私は必要な事しかしません。それがどんなに馬鹿げた事に見えても……」
「ならいいです。」
そうオリエラは言った。その時、ルイスの顔は少し曇った。
「そうですか……ハヤト、後は頼みます」
彼はこの部屋出る時、そう言って出た。
「オリエラ……、オリエラは素直過ぎるよ……」
「えっ?」彼女は驚き僕はを見る。元気で曇りのない目だ。
「ルイスの話に全部納得出来たの?」
「それは……」
「そういうところが、心配されているようだよ」
ルイスは紳士で、イケメンだ。でも、結構人間への接し方は変わっている。
だが、日頃の態度が貴族過ぎて、彼の真意は何度の高い間違い探しのようだ。彼の日頃の紳士さが、彼の望まない形でも真意を隠す。
そんな彼が羨ましくあるし、心の内を素直に言えないのは大変だとは思う。
続き
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また、どこかで。




