菜の花にまつわる計画
人生には謎がある。
先ほど、一緒にこのお店に全員入れるかに聞きに行った、僕の恋人フィーナとギルドの副マスター紫龍さんが、丸い大きなテーブルで隣同士で座っている。
それはわかる。フィーナは魔王城であのゆるふわ魔王と結構自由なシルエット達の中で、接待もこなして来たのだろう。
でも、フィーナの隣にウンデーネ。なんで隣に座ってんの? おかしくない? ねぇミッシェル?
「ハヤトさん、あぶれちゃったからって真顔で、僕に何やら無言で問いかけるのやめてください」
「まぁ、ハヤトそう言う時はには、おねぇさんが食べさせてあげる。あ――ん」
「いただきます」
僕は、普通にとりあえずフォークに、口が付かない様には、気を付けて食べた。
「何、これおいしい!」
フィシュアンドチップスならぬ、チキンアンドチップだった。チキンがとても、ジューシィー過ぎて、思わず口を両手で押さえる。
「シルエット、凄く美味しい!」
「アーンの効果よ」
シルエットは、ウィンクして返事をした。
「そんな魔法なの!? 凄い」
「そんなわけないでしょう」そう言ったのは、ルイス。
しかし彼は、シルエットのアーンを普通に食べてる。
「美味しいですね。こちらも美味しいですよ。どうぞ。ミッシェルもこれは食べてないでしょう? どうぞ」
「あっ、ありがとうございます」
女性に慣れてる感じがするが、ちょっと思考を変えると餌をねだる雛鳥の群れだよな俺ら。
……いや、待て、ルイスはその御返しにシルエットにおかずを取ってあげつつも、ミッシェルに同じく気遣いをみせている。
ーーこっ、これは、男性にも同じ気遣いをして、別に貴女方に気があるわけではありません。と、いうアピール……一見、実家のお母さんぽい行いだが、ルイス意識してか、無意識わからないが……なるほど、そういう作戦か……。(現実逃避中)
その時、料理を運んで来た女性が、フィーナと話をしていた。
「ここの名産は、植物油なんですよ。街を追われたマッドサイエンティストの錬金術師が、ここの土壌でもよく育つ様に加工したあぶら菜を作り、植物油の名産地になったんですよ」
この村の繁栄は、その錬金術師のおかげなのに、さらっとマッドサイエンティストと言った?! 錬金術師は、アレ過ぎて一般的な枕ことばになっているのか?
「そこまでは良かったのですが、毎日見ていた黄色のあぶら菜畑にある日、錬金術師が突然キレだして、今ではいろいろな色のあぶら菜を作って、他には持ち出し禁止になってます」
なんか切れだした時から、今だにその錬金術師との関係が修復出来てない感じを匂わせる、ものいいだなあ……。
それとも単に説明が下手か?
しかし僕の問題はそこではない。
村の外から見えた色とりどりのは花が、あぶら菜の花とすると、その花をフィーナが好きか? って事とデートに最適か? ってことが、今、気になる。
僕は菜の花の中を歩く彼女に、とても興味があるのだけれど……。
「マッドサイエンティストとかお話の中だけかと思っていました。一度拝見したいので、食べ終わったら一度見学してきますよ」
「いいですね、興味……もたれましたか? カラフルな菜の花は持ち出し禁止ですが、育てる過程を楽しむなら、黄色の菜の花で十分です。私が普通の花の種を譲ってもらえるか確認してきますよ。魔界に咲く菜の花楽しみですね」
植物係監視委員の僕の執事が、僕の発言に注目してしまったようだ。まずい!?
「わぁ、魔界に咲く菜の花見てみたいです」
うん。フィーナ、僕知りたかった君が菜の花が好きって事は知る事が出来たけど、君の楽しみな菜の花を作るのは、たぶん確実に僕……。
待って……、『お前は何をやっておるのだ?』 って言ってる魔王が鮮明に浮かぶけど、『これが畑作業か……なかなかいいものだな……』って言ってる魔王も鮮明に浮かぶ。
『今日のおにぎりは昆布の具なんですよ』って言ってるフィーナも鮮明浮かんで来る。
「ルイス……、魔王に菜の花畑を作らせたら……たぶん、あの青い鳥が、黙っていないよ」
僕のこの言葉は、ルイスとフィーナをきょとんとさせたが、遠くにシルエットには、ヒットしたみたいで飲んでいたお茶を後一歩で吹き出すレベルで笑っていた。
☆
楽しい紫龍さんとの会食が終わり、会計のさいにもフィーナを誘えずいた。
休憩でもあってもギルドクエスト内の休憩なので、やはりパーティー内で好きとか嫌いとかそう言う気持ちを、うまく表に出す方法がわからない。
ホラーもののカップルが、一番先に襲われるその理由は、誰の目にもわかる様に作られている。そんな不快感を与える二人になりたくないなぁと、個人的にちょっと思っただけ。
僕は一人であぶら菜の方へ歩いて行こうとした時、「では、今度は少し内回りを同じように行くぞ!」そう言って紫龍さんは走って行く!?
やはり、残った僕らは顔を見合わせたのち、彼を一人行かせるは全然平気そうだけど、僕らは彼を追いかけて走るのだった。
しかしウンディーネとシルエットは「頑張ってね」と僕らに手を振っていた。
それを見たミッシェルが、「二人が迷子にならないように、二人についていますね」彼は立ち止まりそういうと、ルイスが彼に駆け寄り小言を言われてしまうのか? と思ったが、ルイスはすぐにこちらへ駆けてきた。
☆
残った僕らは走りきった。
そしてみんなを待ち、馬車に戻った時にもまだ日は高かった。
御者の彼が、「どうでしたか?」と聞き、僕は、「なかなか大量でした」と、答えると……「良かったですね。魔石大量に取れたんですね」と僕らに向かって笑いかける。
そこでやっと微生物くんを思い出し、僕はがっりうなだれる。そういえば魔石の事はすっかり忘れていた。
その時、ルイスとミッシェルが「ちゃんと集めてありますよ」と小袋の中身を見せてくれた。
袋の中の魔石の量は少ないが、スライムのようクッションの中に傷1つない涙石が結構入っていた。
こうして僕らは結構な成果を得て、帰路につくことが出来た。
そして馬車に揺られ、僕はもと来た道を眠りながら帰る。
僕の隣にフィーナが居て、その横にウンデーネ。
彼女の花の様なその匂いに包まれながら、揺らて帰る仕事終わりの帰り道。
そんな幸せはギルド前までつづくと思われた。
この前まで、考えつかなかった幸せの時間。
しかししっかり者の執事は、畑で僕らをやさしく起こす。
そして、勇者パーティー全員で、降りて剪定をする。
残す芽や葉を選んでそれ以外を切ることで、りつぱな枝豆の幹そしてりつぱな大豆を育てるのだ。
目を丸くして驚い紫龍さんを乗せた馬車は、まだ仕事があるのでお先に失礼と定時の御者と馬車で帰って行った。
僕らは別れを済ますと、着々と作業を進め、夕食の前には、帰る事が出来たのだった。
続く
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