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ギルド進級テストの閉幕

 ギルドな進級検定は、15:30に全て検定審査の為のテントを閉じた。


「……そして今、上級のランクカードを持つ者だけが先陣を切り、決意を新たに未だ魔物がうごめく湿地帯へと向かうのである!」と、声高らかに彼は宣言した。


 ホイルトツェリオ城の宰相(さいしょう)ダイジスさんである。結局、彼もレンさんの宣言通り、僕のエクストラの進級を祝い、訓示を言う羽目になってしまったようだ。


 この段取りをつける為に、レンさんの仕事が増えていそう……。


「ハヤト?」「なにやってるんですか?、ハヤトさん後方が詰まりますよ」

 気づくと、門がふたたび開いていた。感慨(かんがい)にふけっている暇はない様だ。


 ――では、露払いに出発!


 こうして始まった一掃作戦は、初級の冒険者から参加が出来る。多くの冒険者が来年の検定に備え、どれほどの立ち位置に自分たちのパーティーがいるのか力試し的なイベントとして人気ぽい。


 そして階級別に並んいるものの、やはり今回も開幕ダッシュをしてツタに連れ去られるものも、少なからずいたのである。


「参加者の皆さん、ツタ自体が大変危険な魔物です。絶対に木で作られた道だけを通ってください! 大変危険です」とアナウンスされている。 


 横を、炎の魔法で草を焼きながら進もうとして、水中に足から引っ込まり込まれる冒険者までいた。すぐさまアナウンスは、荒々しくなり。


「木の上を歩けよ! そんな事もわからねぇ馬鹿は早く帰れ! はい、出ました! 水の深みを歩けば大丈夫だと思った奴 はい、さようなら~」と言うようアナウンスにやがて変わった。冒険者を相手にしてると、荒々しい性格になるのかもしれない。


 しかし検定の時の様な、切迫感はあまりなく、アナウンスを聞いて笑いまでが起こる。


 そして僕の横を歩いていた冒険者は、犠牲者が出るとすぐさま魔法を使い、ツタに絡まれた被害者の移動スピードに合わせ、氷の柱をまわりに打ち込み彼を囲って救出した。

 他のチームメンバーは、ツタの大元を発見し、槍を投げ入れて断末魔の声を辺りに響かせる。


 散歩しながら、どんどん回りのツタを切り刻むし環境破壊ではないだろうか? と、疑うレベルの前衛までいる。


 新米勇者の出番などないレベルである。


 そんな中で、僕達のパーティーも世間話をしながら、ふたたび、お願いされていた蟻の巣へ向う。


「皆さん、なんでエクストラの階級なのに、僕だけ上級のままなんですかねぇ……」


 ミッシェルが、そう愚痴を言うが、すかさずルイスが選択を迫る。


「私たちと共に、この国から旅立つ気があれば、私からギルドに申請しますよ。今日ならたぶん、レン殿とダイジス殿も居ますし、貴方も明日にはエクストラの冒険者です」


「それは絶対にいやです。本業がありますし、ところですぐに旅立つわけではないですよね? 僕の事を兵士事務所で、ヘッドハンティングしておいて、すぐお払い箱は酷くないですか?」


 ――ミッシェルをヘッドハンティング? そんな過去はない……。


「えぇ~ミッシェル、一緒に行こうよ」オリエラが、彼の横で親しみをこめてそう言うが――。


「例え、オリエラ様の頼みでも、それは出来ませんよ。普通の僕には、普通の素敵な、人生計画がありますから」


 さすが、ミッシェル、誰に対しても強いな……利益絡むと折れるけど。


「せっかく友達になれたのに残念だな……」


「ミッシェル悪いけど、案外僕達は早くここを旅立つ事になるかもしれない、僕がこの地やらなければならい大きなプロジェクトのオファーがもうすぐあるだろうと、レン、ギルドマスター自ら、今日、僕に告げて来たら」


「もしかして? それは父の事?」


 うちのパーティーメンバーの多くが、ギョっとして、オリエラの事を見る。


「主様、どういう事?」ウンディーネは、きょとんとした顔をしているが、良くない事だとはわかったようだ。


「今から、一掃作戦だし、お願いしたい事もあるから、ぬいぬいいる時、みんなで集まった時にまた話すよ。ダメかな?」


「絶対にダメ、それまでは待てない。主様の出来事は、ウンディーネの出来事と同じだから。この蟻の巣の蟻を全て狩ればいいなら、すぐ終わらせるから教えてね」


 彼女は真剣な顔つきで、そう言うが……一抹の不安があった。僕は彼女の顔色を(うかが)いながら……。


「ウンディーネ、君は、ここで蟻たちをどうやって倒すのかな?」


「貫く雨を降らせてすべての、魔物串刺しにする」彼女はとても真剣で、きっと可能な事なのだろう。しかし……。


「そんなことしたら、アリの巣が崩壊してしまうじゃないですか!? そうなったら、どれだけの魔石が埋まってしまか。もうこの水の精霊は……」


 誰、(へだ)てなく噛みつくチワワ、ミッシェルがウンディーネに噛みつく、蛮行とはこの事だ。


「いいですか……ウンディーネ、魔石はお金に変えられます。ウンディーネの大好きなショッピングも、キラキラ髪飾りも買えるかどうかはお金次第ですよ!」


「ウンディーネ、買おうと思っていたドレスも髪飾りも買えないの?……」

 ウンディーネは、ショックを受けて黙り込む。


「ウンディーネ、お金があってもそんな無駄遣いはしてはダメでしょう! あっ……君、その髪飾りいつ買ったの?」


「ミッシェルが、変な事言うから主様に、怒られちゃう?!」


「ミッシェルのせいにしないで、ウンディーネ、お金については君は子供と変わらないから、今日帰ったらはなそう。ねっ」


「いや」

 そう言って彼女は首を振る。僕の時とは真逆な態度、このウンディーネちゃんめー!


 しかしここでお金の大切さを話して聞かせても、日が暮れるので、当たり前だが、蟻討伐を優先にする事にした。

 今回の蟻の巣の作戦では、ルイスとウンディーネが加わったので数の暴力で攻める作戦をとる事にした。


「行きますよ!」

 と、地面の上に、土の魔法で四方にバリケードを作る。ふたたび女王蟻が現れる様な事態には、ウンディーネに巣か女王蟻を完全に沈黙させて欲しいと、頼み戦闘を開始する。


 穴の中から姿が見え蟻を弓や魔法な遠隔攻撃で葬りさっていく。


 それを続ける事で、地の底からはい出たアリが、仲間の死体を乗り越えてやって来るようになった。黒い蟻の亡き骸の山が高くつまれていく。


 蟻は、仲間の蟻の亡き骸はすすんで食い破らないようで、出口が塞がれそうになると、出口の近くの土を削り穴を広げるのはもちろんだが、他のランダムな場所から一斉に蟻が土を食い破り這い出て来た。


 それが作戦なのか、本能的に同じく時間を合わせたようにタイミングが揃ったのかわからない。


 だが、僕らはその中の1つの穴に真っ逆さまに落ちてしまった。


「わあぁ」「きゃ――」


 落ちる間際、空気のクッションや水のクッションなどの魔法を瞬時に発生させるように出来たのは、今までの訓練結果だ。


 しかしもちろん、落ちずに難をのがれた者もいる。オリエラやルイス、やはり戦闘経験の違いなのだろうか、それとも戦闘センスの違いだろうか?


「はぁ……酷い目にあった……」

 そう言う僕の隣で、ウンディーネの瞳は殺意の色を増していた。


「地を這う蟻の分際で……」


 ウンディーネさんが、完全にキレ散らかしている。彼女は、冷たい闘気を身にまといながら、素早く地面にその手を突き立てる。すぐに下から地響きや地面の崩れる音がする。僕は、ミッシェル腕とウンディーネの体を抱え込む。


「どうしたんですか、ハヤトさん気持ち悪い」


「主様、こんな所で……」と、頬を染めるウンディーネ、正反対の反応を見せる二人を抱えながら、土の魔法で地面ごとせり上げる。


「ハヤト大丈夫でしたか?」「みんな怪我してない?」


 僕達を心配してくれる、ルイスとオリエラ。


「二人と離れて!! たぶんここ崩落する――!」


 僕は、抱えていた二人の拘束をとき、僕は、ウンディーネを立たせている間、オリエラがミッシェルを立たせる。

「撤退! 撤退! 退避せよ!」


 僕達は蜘蛛の子を散らす様に、逃げだすと僕達の居た場所はゴゴォゴ――! という轟音を鳴り響かせ、例えると学校の校庭1つ分ほど、崩れ地面にぽっかりと大穴が開いた。


「いったい、下で何があったんですか、ハヤト?」


 ルイスは、ほこり1つない服装を整えると僕に聞く。


「いや……ちょっとウンディーネが、キレちゃって魔法を使った様なんだけど……そしたら、地面の下から凄い地響きがしたんだよね……」


「もう、そんな精霊捨ててしまいなさい!」


 ルイスが、お母さんの様に怒り、「そんなの嫌――! だめ!」 と、犬を拾った子供の様に、ウンディーネが叫ぶ。


「これはやっちゃったねぇ……」

 オリエラは近く迄、近付いて中を覗き込んでいる。


「魔石が……、多くの魔石が地中に……」

 ミッシェルは、精神的ダメージを負っているようだ。わかる……。


 僕とルイスは、蟻の生存状況の確認も兼ねて下へ降りるため、微生物くんの虫かごを持って来てはなしてみる。


 微生物くんは、巣から勢いよく飛び出した。


 ピョーン、ピョーン


 座り込んでいる、ミッシェルに近寄り彼によじ登る。そして彼の頭の上でピョンピヨン跳ぶ。まるで元気づける様に。


「微生物くん……、そうですね! 微生物くんが変化させれる量にも限りがあるし……。今はアリを掻っ捌(かっさば)くなんてしたくないですし、取れる分の魔石だけとってさっさと帰りましょう!」


 急にポジティブになった、ミッシェルと微生物くんが進む後ろを、危険のない様に僕達も続いた。


 取れる分だけの魔石を取ると、下の物音を確認するが、何も聞こえず撤収することになった。


 まだまだやってくる初級の冒険者の波に逆らって、僕らはギルド本部に帰ると、事のあらましを伝える。


「蟻の魔物では、よく生死の確認の出来ない事態が起きるので気にしないでください。本日は順調に進んでますので、もう帰っても大丈夫ですよ。まだ戦闘に参加されますか?」と、聞かれ、帰る事を選択した。


 撤収間際、本部の撤収作業を手伝っているスドウさんにあった。僕とミッシェルは、スドウさんと名刺を交換し、ギルドの上級ランク進級テストは無事終了となった。


 帰り道に、大豆畑で水やりを終え、そしてもはや日課となった畑からジョギングをミッシェルとして、城まで帰ったのだった。


 続く

見ていただきありがとうございます!


また、どこかで!


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