ギルドクエスト進級試験 その6
湿地帯の思いもよらぬ、捕獲作戦終了後、城からやって来ていた兵士に連れて、ギルド本部陣営に連れられ長時聞き取り調査を受ける。
やっと終わった頃には、もうお昼は過ぎていた。僕はギルド運営の警備の仕事を大部分行ったにも関わらず、貰ったのは魔力回復のための新しいジュースしか貰えなかった。
――ブラック過ぎる……。
少しゆっくりしたい……そう思いながら、みんなが居るテーブルを探す。僕を見つけたウンディーネが「主様おかえりなさーい」と、両手をあげてやってくる。
ハグされる前に、とっさにお互いの指と指を絡めて、恋人つなぎにしてから、お互いが近寄れない様に足を後ろに引いて踏ん張る。
どっちのチカラが、上かでハグされてしまうか、逃げ切るか決まる!
ウンディーネ、力をゆるめる気がないな?!
「ウンディーネ、ただいま。ウンディーネ、こんなところで力自慢みたい事をすると、せっかくの可愛らしいレディな雰囲気台無しだよ」
彼女は「あっ、そうでしたわ」と、いきなり手を引いて、自分の可愛らしいイメージを守ったので、僕は転びそうになった。
「おっと」
倒れそうだった僕を、ルイスが支える。
「ハヤト、僕らの様子は一般市民にも見られているので、勇者が、女性と遊んでいて、ぶざまに転んで貰っては困ります」
「はい……」
彼は僕がしょんぼりしているので、少し笑って「ご無事で何よりです、おかえりなさい」と、言った。
この後、行われる。魔物撲滅祭は、冒険者初級があれば参加出来るため、魔法学校生徒も学校行事で参加するお祭りで、市民がわらわら歩く。
そしてもしかして憧れの有名冒険者と会えるかもしれないお祭りなのだ。そして市民は今、少し高台から僕らを見れる場所で、屋台の飴などお菓子などを買ったりしている。
「とりあえず、みんなただいま。」
「ハヤトさん、おかえりなさい。これハヤトさんの分です。明細はノートに書類は今月分の所へまとめましたので、目を通してください」
「……サインはい。ミッシェル、ありがとう。」
ミッシェルは、書類と一緒に魔石用の鞄にいっぱいの魔石をくれた。
「どういたしまして」
……どういたしましてか、あの、ミッシェルが。
「なんですか?、僕の事を見てないで、早く上級試験の手続きして来た方がいいですよ」
「あっ、そうだね。行って来る」
「そういえば、止めてくれてありがとうございました」
――うん? 僕は振り返ったが、ミッシェルは机に向かってノートになんか書いていた。ふん、ふん、そうか。
「どういたしまして」
「ウンディーネ、また行ってくる」
「主様、なんで置いていくの!? このウンディーネは、いつも一緒なのに!」
ウンディーネは、思いの人に刺繍を入れたハンカチを渡したくて、自らここに残ったがそれはノーカウントなのか……。
「ルイスが、いない時は、このウンディーネが主様を守ります!」
で、彼女は僕の腕に、自分の腕を絡めた。僕はルイスと腕を組んだ事がないが……ウンディーネ的には肩を貸した感じのか?
「ウンディーネ」
「なんですか?」
「普通、断るけど今だけ、君に甘えていい? 君に今、断って君の悲しい顔見たくないんだ。ごめんね」
「…………」
彼女は何も言わなかった。だから、僕らは腕組んで歩いた。
人々をかき分け進む、結構な数のパーティがもう、本部陣営に帰って来ているようだ。中には仲間の安否を心配し、必死に救助を願い出ている人間もいたりする、悲嬉交交が、そこにはあった。
検定の合否判定の場所の前で、ウンディーネに待っていて貰う。
「ウンディーネ、ここで待っていて」
「どうして?」
「ギルドは仕事場だから、一緒に入れないよ」
「主様、ウンディーネはお仕事のパートナーだよ」
「そうか、君も書き換えなきゃだね」
「じゃー、行こう!」
「でも、手を組むのは辞めようか、仕事場だしね」
「わかった」そう言って彼女は、ヒョイと、後ろにとび退く。そして二人はテントに入った。
検定の集計には、多くの人が駆り出され、待ち時間はあまりない様だ。1つのテントの下に3つくらいの長机が横に並べられている。
1人目の受付に、カードを読み取って貰っている間に、魔石を20個を用意して渡しランク欄を消して貰う、
2人目の受付に筆を貰い自動で記入する仕組みになっているらしい。
僕も、1人目の受付で、魔石20個を用意して待つ。彼が名簿の中で僕の場所にチェックさせすれば、1つ目のチェックリストが出来る。
どこで間違えたか、わかる仕組みなのだろうか?
しかし、僕にチェック欄らしき場所には、斜め線がひかれており、彼の指先は備考欄にすすむ。
「おめでとうございます。ハヤト様、ウンディーネ様、中央テントでレンギルド長がお待ちです」
彼は、そういいにっこりと笑う、隣の受付の彼は、僕に拍手をする。僕には、もう進むしか選択肢は無い。ブラックコース、コワイ
「あの……ウンディーネも、一緒で構いませんか?」
「はい、もちろんです」
さっきもここを通ったが、さっきの事もあり、緊張感が二倍だな。
テントの天幕の余った布が、深く重なり合うようになっている入り口をふたたび通ると、先ほどよりだいぶ減った書類の山と彼女が待っていた。
「随分可愛らしく、怖いお供を連れて来たねぇ、今度は。さっきの事件は片付いたかい?」
その言葉を、聞いてウンディーネは、頬を触る照れている様だ。
「おかげ様で、良い経験をさせていただきました」
「うんうん、経験はお金じゃ変えないからね、じゃーギルドの身分証明書を出して」
彼女は、机の向こうから、片手を差し出す。僕は、胸ポケットの奥のボタンを外し、カードを取り出すと名詞の様に彼女に差し出す。
ウンディーネも同じ様に手渡す。お偉いさんの所へ来た新人社員て言うのは、そのままか。
彼女は、それを読み取りと階級部分は、消る。
「これを使って」
彼女は今度、仰々しく今までにない上等な筆を差し出し、僕は受け取った。僕は、筆を使うと書かれた文字を確認する為に、カードを手に取る。
「extra,エクストラですか?」
「そうだよ、で、こっちが巻物。まぁ今回は、渡す順番がいつもとは、逆になっちゃったけどね。じゃ――祝杯をあげよう!」
彼女は、ワインのコップを3つ用意し、濃い紫色のワインボトルを開け1つ1つコップに注ぐ。
「あの……まだ、未成年でまだお酒を飲めないのですが……、私もギルドに帰れば今日の事務処理もあるから飲めないよ。これは、ぶどうジュース」
そうね、言って、彼女は、ジュースを飲む。僕と、ウンディーネも、それに続いた。
レンさんは、僕達にジュース残ったのボトルを僕達にくれ、ウンディーネは、目を輝かせて受け取った。
「じゃ……本当におめでとう、しかし私を含めて、君をエクストラに押し上げた者達の願いは王の復活だ。猶予はもうないと思って出来る限りの事をしてくれないか? 頼む」
彼女は、ワインのコップを先を指でなぞりながら、そう言うと。「今日はおめでてとう。ではね」と、言って仕事に戻った。
ウンディーネは、何やら聞きたそうにしている。だが、僕は彼女と腕を組む。
そして「ありがとうござました」そう言って、レンさんのテントを、ウンディーネを連れて無理矢理でた。
やっぱり今日は疲れているから、僕が死ぬかもしれないと話して、彼女に悲しい顔はしてもいたくないのだ。
続く
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