ギルドクエスト進級試験 その3
腐臭の渦巻く大地で、女王蟻の腐臭を漂わせ、その朽ちた死体は直視出来ない。しかしみんな女王蟻に、わらわらと集まっている。
「ありましたよー! 魔石、後、涙石」
狩人姿の青年が、野球のボールくらいの大きさの何かを持って、女王蟻の上で下に居るいかつい盾に背負った戦士に叫んでいる。
「あれは何、ミッシェル? 大きな魔石なの?」
「まぁ、そんな感じです。魔物から取れ、涙の様な形状をしているの涙石言うんですよ。まぁ、大きければだいたい涙石です。変わっ形の涙石と言うだけです」
「もしかして……凄く儲かる?」
「いや、それがあまり……。魔石や涙石も出所が出所だけに、装飾に使われる事は少なんですよ。魔法で効果を高めるために、黒魔術師使う装備にはめ込む程度なのであまり儲かりません。他の職は縁起悪そうだから使わないですしね。後の使い道は、黒魔術師が、独自の魔法の補助で使うのと錬金術師が怪しいものを作る為に使用してるらしいですね」
「そうなんだ。冒険者で金持ちになるにはギルドクエストをこなすのみか……」
「でも、うちの学校では魔力を溜め込んだ涙石を身につける事がちょっとしたステータスになるよ。火のチカラを宿した涙石は、火の効果が上がるの。高いから貴族の子か持ってないけど」
「そうなんだ。それは夢が広がる話しだね」
「オリエラさん、その話し後で詳しく! 詳しく教えてください!」
「えっ?! 今ので全部だよ。師匠の方が詳しく知ってるんじゃないかな?」
「ありがとうございます! すごく参考になりました」
僕らがそんなお喋りをしている間に、蟻の上に易々と登って行った保護色の装備を着た狩人ぽい彼は、無造作にぽいぽと金髪イケメンの戦士に、魔石達を投げ渡している。
「これで全部」そう言って、また魔石を戦士に投げる。
「これどうする? 焼くか?」
「女王蟻の死体なら、錬金術師達が何とかしてくれるだろう。後で、ギルド本部陣営で申請するよ」
彼は、振り返り僕と視線が合う。
「しろし、手を出して」そう言うと、手を出したぬいぬいと同種族ぽい黒魔術師の2つの手のひらの上に、戦士は今まで受け取った魔石と涙石を流し込んだ。
「なんて事をするんだラアキ! 僕は、君みたいな頑丈な造りの体じゃないんだぞ!! 怪我するんじゃないか!」
「しろし、ごめん、ごめん」
ラアキさんはそう言うと、彼は振り返りながら顔の前で片手でを前後に振り、こちらへ歩いてくる。
僕は、ミッシェルとスドウの間を「ごめん」と言いながら通りぬけ、ラキアさんの前に立つ。
「このパーティーのリーダーをしているハヤトです。今回は助けて貰ったみたいで、ありがとうございます」
「いえいえ、チーム『黄昏のリーダー』のラアキです。よろしく。ところでアリの巣の中に降りる算段は付いているの? 良かったらうちも、報酬1割で、魔石を拾って来ようか?」
「僕は、頼もうと思っているけど異論のある人は居る?」
オリエラ、ミッシェル、スドウは、皆、首を横に振る。
「お願いします」
「フウクェ、そういうわけで頼むよ」
「ラアキ、そういう事はまず俺に聞けよ!」狩人は、降りて来ると両手を腰にやりイラついた声を出す。
「行ってくれないのかい?」
「行くが、晩飯はお前のおごりだからな」
「お手柔らかに、頼む」そう言ったラアキに返事もせず、狩人の彼は帽子と手袋を付けなおし、口にタオルをまく。近くの木にロープをまくともう片方の端にはバケツを括り付ける。そのまま下に降りていった。地上に残るのは、スドウと、神父とオリエラと決まった。
全員、恐々穴のなかに着くと無数のアリ横たわっている。各自でわかれて、魔石を集めるが各自でテンションが下がる。
「これ微生物くんを使うしかない……仕方ないなぁフウクェに買うのを嫌がってたけど、微生物くんを使うしか手の施し用がないし――」
黒魔術師のしろしさんが、狩人のフウクェさんを凄く煽っている。
「いいから使えよしろし」
フウクェさんは、小さなしろしさんを見下ろしながら眺めいる。しろしさんは、笑顔でフウクェさんを見つめると虫かごの横の蓋を開けた。そこから青い何かが一斉に飛び出した。
ふわふわ飛ぶそれは、アリに群がるアリを崩壊させて土にえていく。その中央に魔石が3つごろんと転がった。
「しるしさん微生物くんってなんなんですか?」
「錬金術師グループ『アジアフロント』のメンバーが作ったか、発見か、したやつだよ。死んだ比較的原始的な魔物のお掃除生物らしい。なんでも……魔物の一部をビーカーに入れて実験途中に寝たら次の日、ビーカーにいたらしい」
「それって作ったんじゃないんですか?」
「そうかもしれないが、誰も見てない状態で発生してるぽいし、よくわかんない、一人は寝ている事が大切らしい。ちなみ、生きた生物を与えると3日は出てこなくてなるから、買った時は気をつけて」
「そうなんですね。情報ありがとうございます」
彼と話している間に、多くの蟻が土へとかえっていく。
微生物くんは瞬く間に、1つのエリアを制覇し、勝手に下のエリアへと移動して行く。魔物の蟻は、普通の蟻と違い、巣をそこまで深く掘らないようだが、それでも多くの魔石が集まった。
微生物くんは、終わり間際に女王蟻の掘った空洞まで来ると――。
「微生物くん! 飴あるよ――!集まって――!」
と、言うと彼の元に集まって来て、飴を頭の上に乗せて虫かごの中に入って行った。
「全部で、7ふわだからokだね」そう言うとしるしは、虫かごの蓋を閉めてリュックに吊るした。
僕達は蟻の巣からでると、魔石専用の鞄に三つ分たまっていた。魔石を確認しょうとするが――。
「数を数えるのは、しんどいから半分づつで、この鞄を半分に分けようか……」と、言ってラキアに申し出る。
ラアキは、アハハとひとしきり笑うと、「そちらのチームがいいのならうちの女王蟻の報酬も涙2つ、魔石は4つでいいですよ」と言って、反対するものがいなかったので、分け合った。まぁ……正直、鞄を半分にするのも疲れてしんどかった……。
帰りは、別に帰るのでルイスから貰っていた。
うちのパーティの名刺を差し出した。
「これ、うちの新しい名刺なんですが…」
「ありがとうございます。うちの名刺もどうぞ」
チーム黄昏か…かっこいいチーム名だな……。
「チーム名、勇者パーティーあぁ……貴方が召喚された勇者様なのですね」
「えっ……?!えつ!!」
僕が、名刺を見返すと読めなかった字が勇者って読める!! 字の形状が変わっているだけで、読めなくなるのか……。一度、この筆記体ぽい形について確認した方が良さそうだ、
「本当だ……勇者って……書いてある……」
「えっ?! 今まで知らなかったんですか?」
ラアキは、笑いを隠すが……隠れてない。
「こちらの言葉は、勇者特有のぽい魔法的な要素でわかるのですが……注視してなかったからなのか理解出来なかったみたいで……そうか……勇者パーティだったのか……」
「何は、ともあれこちらの世界では、勇者は希望の象徴ですから頑張ってください」
「ありがとうございます。では、いろいろお世話になりました」
「こちらこそ、ではま……うん?」彼のそばには、ミッシェルとスドウが居た。
「私は、これから個人でギルドサポート事務所を立ち上げようと思いています。ミシェルと言います。良かったらこれ……私の名刺なのですが……。お困りの時はこちらにお手紙ください」
「おいどんは、荷物運びをフリーでしてる……スドウといいます。おいどには名刺は、ありませんが……ギルド経由で空いている日程も確認予約出来るようになっているので宜しくお願いします」
「あはっ、じゃこれはうちの名刺です。ラアキと言います。改めてよろしくお願いします。……では、私は、これで……」
そう言いチーム黄昏のメンバーは、なんかわちゃわちゃ言いながら帰って行った。
続く
見てくださりありがとうございます!
また、どこかで。




