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槍の稽古

【あらすじぽいもの!】

(ep.60)槍の稽古、まだまだ全然師匠には歯が立たない。勇者補正や主人公補正は仕事するべき!(ep.61)なんかいろいろあったけど、うちのパーティーの精神力に恐れいったよ。

 異世界へ落とされてどれくらい経っただろう? 


 朝のジョギングは、今では畑までの長距離を走る一仕事に変わっていた。


 そして目的地に着けば、僕たちはウンディーネとルイス、そして時々ミッシェルとで、大豆畑での作業に精をだす。


 水をやったり、肥料をやったり、育った茎を摘み取ったりしていた。


 ルイスの教え方がいいのか、大豆たちはみんな元気に育ち……木の魔法の練習どうした……?と思わなくもない日々だ。


 そして人数が増えた事で、畑仕事作業が早く終わるようになった事で、兵士練習場で行われる槍の練習にも遅れる事はない。


 新しい槍の師匠バジリオは、ルイスの家実家のつてでやっと僕に練習の参加を認めくれた。


 長い修行途中に、魔王を倒す旅へ出て行くだろう勇者が中途半端な技術を使い、怪我や不慮の事故で亡くならぬよう考えられていたためか、単に異世界の僕とは意思疎通が取れないと思われていたのか、それとも他の理由があるのか、ルイスはバジリオから散々断られていたようだ。


 しかし許可がでたのなら、ルイスの顔をつぶさないためにも、これからはひたすらに訓練するしかない。


 なぜならルイスの手腕もあって最高パーティーが集まりつつある。

 それはいい、凄くいいが、しかしギルドランクの進級試験はパーティー評価なので、このまま合格する事になれば高ランククエストを受ける事なる。


 そうすると前衛の時の僕はヒノキの棒の戦闘能力で、ドラゴンに戦いを挑まなければならない事態も起こりうるのだ……。


 だから毎日修練の場では、槍を磨きつつただ居る時でさえ、バジリオの赤い炎の様な短髪、一本たりとて見逃さぬ様に見てきた。そして少しづつ技術を磨いてきたつもりだ。


 そして初めてから幾度目だろう……師匠の胸を借りる。相手稽古の時が来た。


「お願いします」その挨拶後、僕と距離を詰めるバジリオと、距離をとり彼の隙をうかがいた僕。


 全速力で走る僕に彼は余裕でついてくる。今、以上の走りこみが必要ってことかよ! っと勝手に腹をてる僕の隙を見て、彼の槍を僕の足元に滑り込ませて来る。油断も隙もあったもんじゃ無い!


「バジリオ、やることがせこいです!」


「そうか、じゃ、正攻法でいこう」


 彼の槍の矛先が僕の顔のスレスレを何度も何度も空気を切り裂く音とともに走る。


 その動きを目を追うが精一杯だ。棒立ちで、されるがまま、普通なら何度も死んでるが、稽古なので動けなくなるまで負けじゃない!


 以前は恐怖で目をつぶった途端に、その槍の柄が僕の足をすくいあげ、ぶざまに床に寝転がされた。


 今の決められた動きがつづくなら、少しだけ勝つチャンスはあるかもしれない……。


 彼の矛先が出される寸前、僕は身を低くする動きに移ったが、次の瞬間に微かな痛みが左耳に走る。


 だが、構わず、地べた手を付き、前に飛んだ! だが、次の瞬間を背中に、軽く触った感触を感じ負けを確信する。


 案の定、僕を攻撃をすぐさま察知した、バジリオが突進する僕を飛ぶための土台にし、無様に目標を消失に焦った僕は、彼の槍の柄に押し潰されるように攻撃を受け、僕は背中に走る激痛、それによる混乱の中、ぶさまな虫の様に動けなくなった。


 そんな僕のまわりに、多くの人が集まってくる。1番先に「頭は打ってないか?」と確認される。


「大丈夫です」って言った途端に、僕は大勢の手で戦いの場から連れ出され、「いや、よくやった! よくやった!」「闇雲に突進し過ぎだぞ」など、先輩からの総評を受けながら、回復魔法を受ける。


 冷たい床に寝かされながら、「始め!」バジリオの次の相手稽古の声を聞いた。


 ――本当に、悔しいくて、悔しくて泣きそう、僕の今の全力は、バジリオに休憩を取らせる程ではないのだ……。この気持ちは、おごりなのかもしれない。だが、悔しいのだ。


「お前、左耳の傷は結構ざっくりいってるから、跡が残らないように医務室室に行って来い」


 そう先輩が告げる。


「はい、回復ありがございました」


 先輩に、頭を下げて立ち上がる。僕は左耳の出血をタオルで、抑えてつつ医務室へ行ったのだった。


       ☆


 医務室で治療を受け、稽古後の最後の確認をしているバジリオにあった。


 彼は僕の左耳を見て「傷を見てあなどってくれる奴は、雑魚しかいない。だから傷が消えて良かったなあ」


 普段の彼は穏やかに話す。「ありがとうございます。でも、傷が残っても貴方に勝ちたい。おごりかもしれませんが……、そうでないと生き残れない。そうですよね?」


「勇者の責務ってやつか? だから、嫌なんだ。君はもっと柔軟や走り込み、かたの練習をしなさい。自分の運命に決して、足を引っ張られてはいけないよ」


 そう彼は僕に告げ、「では、また明日」


 そう言って、練習場から出て行った。


 僕はその言葉を噛み締めながら、家へと帰り、シャワーで汚れを落として、食堂の椅子に座るとやっと落ち着く事が出来た。


 これから昼食を取る事になるのだ。


 冒険者の多いこの世界では、結構食べられる携帯食も多く。豊富だ。


 しかし僕らは自炊もする様にしている。その意味は何なのかと言われると僕らの趣味かもしれない。


 栄養バランスの考えられた料理は、食堂で無料で食べられたしね。


 今日はオリエラとミッシェルという変わった組み合わせで料理は作られ、オリエラの母の故郷の料理が次々と机に並べられた。


 多くの野菜とそして肉を煮て、味噌に似た出汁に香辛料を加えて、少しだけピリ辛にする。鍋の様な料理だ。


 味は、ご飯で食べたくなる味で、やっぱり旨い。


「私の住んでいた所はね……、自然が豊かだったから、森や山の薬草などを、こうやって食べていたの。畑はあるにはあったけど、戦になればすぐに火がかけられちゃって、全然育たなかったんだよね――」と、言うお姫様が語るには重い話題に、ぬいぬいは遠慮なく――。


「まぁ、辺境はそんなもんだ。俺の故郷も若者はすぐに魔法学校へ入学する為に、故郷を離れ最近は子供の声を聞かなくなった……。っておふくろからの手紙にも書いてあった。まあ、おふくろは5人姉妹の、長女だったのもあると思うがな」


「ホイルトツェリオは、僕の居た国とそう物資の豊かさ以外そう変わらないですが、こうやって聞くと異世界にもいろいろな国があるんですね。自分の世界では国から出ませんでしたが、異世界ではそのいろいろな国を旅する事になると思うと不思議ですね」と、さまざまな環境から集まった人々らしい会話の後に、ルイスがーー。


「午前中に良いギルドクエストがあったので、食事が終わり次第移動いたしましょうか」


 笑顔で告げるので、僕らはいきなり戦闘モードへと気持ちを切り替える事になったのだった。


    続く

見ていただきありがとうございます!


また、どこかで!

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