勇者パーティーの顔合わせ
僕と、ルイスと、ウンディーネで、ギルドのカードについての話しをしていたら結構な時間になってしまっていた。
もうすぐぬいぬいとオリエラがやって来る頃だろう。僕は慌ててミッシェルを呼びに行く。
だが、彼は出てきてくれない。彼もいろいろあって、ちょっと心が疲れてしまっているかもしれない。
「ミッシェル、これから僕の師匠と姉弟子が来から紹介したいだけど、君は知っているかな? 魔法使いのぬいぬいとオリエラ姫なんだけど」
そう言った途端、彼は出てきた。
「出て来てくれてありがとう。でも、くれぐれも彼らに、僕らの時みたいな口はきかないでね。今は、ちょっと大事な時だから……君の疑いもきっと晴れる……だろうけど、今だけは……、うーん、言葉遣い今のうちに公私の区別はつけようか」
それを聞いたミッシェルの顔が青くなった。
そして僕はウンディーネの言葉遣いの事をあるじとして考えていたが、彼女は公の場になるとお嬢様ウンディーネをプロデュースしているからミッシェルよりは世渡りは上手い。
「大丈夫だよ……。気を抜かなければ、後……今の内に、防御魔法かけとこうか」
僕はぬいぬい達に初めて会った時、ノックアウトされた事を思い出してミッシェルの準備を欠かさなかった。
それが闇雲にミッシェルを不安にさせたようで、僕に対し「はい」か「いいえ」でしか返事をしてくれなくなった。
僕たちがキッチンに戻り、紅茶の準備を始めると玄関の鐘の音がなる。
誰かが行くのを待っているミッシェルに「お客様のドアを開けるのは、貴方の仕事ですよ」と、マフィン用に用意しようとしたバターナイフ片手にルイスが凄む。
そして僕らはぞろぞろ彼についていき、防犯対策バッチリのうちの扉の開け方も、ミッシェルとウンディーネに教え込んだ。
そして扉を開けると真っ黒に日焼けしたオリエラとやっぱり白いぬいぬいがいる。
「「こんにちは」」「「いらっしゃいませ」」「「おじゃまします」」
など、うちな家が元気いっぱいなる。
「オリエラ、焼けたね」
「学校の錬金術師達が作った。焼けても肌が荒れないサンオイルだよ」
「お前、それは大丈夫な奴なのか?!」
「大丈夫、大丈夫! これはいろいろ認可がおりている奴だから!」
「うん……そうか? でも奴らの作る物には気をつけろよ」
ダイニングルームまで来ると、想像していたより、幼い見た目の偉大魔法使いと元気な王女に驚いてた、ミッシェルが「では、およびがあるまで、隣の部屋に控えています」と、ちゃんとした敬語を使い戦線離脱を計る。
「君たちの顔合わせもあるから、ミッシェルとウンディーが上座で、ぬいぬい達の前に座っているといいよ。僕が今日はルイスの準備を手伝うからね」
そう言ってルイスが、キッチンから持って来てくれたワゴンから、僕がお菓子運ぶと、ルイスがお茶を入れていく。
縄張り争いをする猫みたい、椅子に座ったぬいぬいは、足を組み肘掛けに手を預けながら、ミッシェルとウンディーネを観察するのに余念がない。
そしてふたりに無礼な視線を送りながら――。
「こいつとオリエラに魔法を教えている、ぬいぬいだ。勇者パーティーへの同行の要請はまだないので、このパーティーのメンバーと考えなくていい。まぁ、よろしく」
「オリエラです。学校外の勉強や実地訓練でも単位が取れる師弟制度という仕組みへの正式申請への許可がおりたので、明日からよろしくお願いします」
「僕は――」と言いかけたミッシェルに、やはりすごい睨みを聞かせる、ウンディーネ。
「主様をお助けするために、輝かしい水辺からやって参りました。ウンディーネです。よろしく」
そう言ったウンディーネは、してやったりとミッシェルを見た。もしかしたらミッシェルの出来事の影響が1番強いのはウンディーネなのかもしれない。
「すごーい、ハヤトのもとにウンディーネが現れたって聞いたけど、大精霊の主従の契約もしたのですか?」
「契約はしたけど、でも関係ない。主様の隣が私の場所で、見える敵は全て私が倒します!」
オリエラに聞かれて、頬をピンク色に染めて話すウンディーネだったが言ってる事は怖い。
「凄――い! ウンディーネにそこまで好かれる秘訣って何かあるんですか?」
さすが、勤勉なオリエラは、探求心からか僕の考えが及ばなかったところに目を向けていた。さすがのウンディーネもオリエラの疑問に答えてくれる様で、サラサラとした美しい水色の髪が顔にかかるのも気にせずに考えている。
そしてその記憶に行き着いた様で、オリエラに顔を向ける。
「素敵な……。草花の甘い匂い。凄く気になって見に行くと、魔法が何重にも掛かった小瓶があるの。その中には主様が居たの。だから主様の側に居るときっと毎日、絶対素敵。だから瓶の魔法の出口と出来るだけ近く召喚の扉をあけてで、『ここどこですか?』って精霊に教えて貰ってやってきました。ウンディーネ、頑張ったよ!」
「えっ……くさばなの甘い匂い? そうかな? 気づいた師匠?」
「いや、そもそも野郎の匂いを嗅ぐ趣味はない……ないが、ウンディーネと契約出来る匂いとなれば別だ、面白い発見の1つや2つ出てきそうで興味はある」
ぬいぬいは、立ち上がり僕のところまでやって来ると、肩を抑えて後ろから頭の匂いを嗅ぐが……。
「これはあれだな魔法学校オリジナルの練術師達の作った、ジャンプとコンディショナーの香りだな……まぁ俺の頃より匂いは柔らかくなっているがな」
「じゃー私も同じの使ってるから……、ウンディーネこのボトルの匂い嗅いで貰っていい?」
オリエラが鞄から小瓶を出してウンディーネに差し出す。
「いや」ウンディーネは、首をフルフル振る。ウンディーネは、そこまで優しくないのか、わけがあるのかわからなかったが嗅ぐのを拒んだ。
次はミッシェルの番だったが、彼は、「ミッシェルです」少し不貞腐れた様に、そう言った。
だが、それについてあまり気にする人は、居ないのでそのまま話は、続けられる。僕は、ぬいぬいに経過報告をしなければならない。
「今日、初めて会った人達も居ますが、挨拶も済んだ事なのでこちらの進行を……通常より遅くに植える事になってしまった大豆畑の大豆が育って来て、魔法で成長速度を早めおかげで、通常に時期に植た大豆と成長が同じ位になってきました。後は、枯れそうなのに魔法を使うくらいで、通常通り育てれば良さそうです」
「なんの話なんだ?!」 ぬいぬいが驚いた様にいい。ルイスと僕を見比べる。
それに、ついては長く話すとぐだぐだになりそうなので、次の話に無理やり移る。
「いろいろありまして……」実に便利な言葉だ。
「本、書かれていた5属性の水、炎、雷、土、風 及び木属性の魔法の訓練、魔法の組みたてをして2回の魔物討伐が終わっています」
「わかった。で、何故そんなに魔法訓練を急ぐ事になったんだ? あの話の事でか?」
ぬいぬいしては、動揺しているようで始終頭を押さえている。僕は、彼をこれ以上驚かせたくないが……。
「体力作りと、畑作りを兼ねて街の遥か外で活動をしていたら、ご近所さんにスライムがお住まいだったみたいで、2日続けてスライムとの戦闘をし、一回は生死の境を彷徨いました。」
「そうか、それは充実した毎日だったらしいなあ……」
そう言ったぬいぬい。僕とルイスの修行はどうやら合格は貰えたようだ。しかし王の呪いに耐える体を作りだすのはまだまだだろう。
って、そもそも何を成長させればいいのかわからず、僕は闇雲に偉大な勇者への道を走っている。
続く
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