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上下関係をわからせる


 僕らはリビングに居たが、未だ紅茶は飲めていない。


 お菓子についての緊急会議を今、終えたばかりなのだ。

「いい機会です。ギルドカードや身分証明カードを出してくださいませんか? 御三方とも前衛、後衛などの構成を皆様で、確認するいい機会です」

 

――重要書類を扱うなら、紅茶はこの後になるなぁ……。と、僕は、ぼんやり考えるながらギルドカードを2人分差し出した。


「身分証明のカードは、個人情報じゃないですか絶対に駄目です。差し出せません。」そうミッシェルは言う。

 彼はパーティーに入るのをまだためらっているのか、首を横に振るばかりだった。


「それは困りますね……。ところで身分証明書と言えばこれもじゃないですか?」


 そう、ルイスが言って、彼のトランクの中から書類の束を取り出して、机の上に置く。


 出した書類の1番上にはミッシェルの身分証明のカードが大きく拡大され描かれている。

 

「えっ……。何でこれを」紙をめくる度に彼の手は小刻みに、震えていく。彼は幼ない顔だちなので、見ていて可哀想になるくらい。


 書類の中身は、横から見ていたら、彼の学生時代の書類やら、事務所での勤務態度まで様々彼の生きた歴史が記されていた。


「何でこれを貴方が持っているのですか……?」


「うちの前に兵士が立っているくらいだから、勇者に絡んだ怪しい人物は普通調べると思いませんか? そして貴方の実家は名家て、痛くない腹を探られるくらいなら、これくらい差し出すのでは?」


「えっ?……あぁ……でも、なんで、僕は、事務所に来てくださいって言っただけでしょう?! 勇者に危害を加えてようと思ってした事など一つもありません!」


 彼は青い顔をしている。彼の容疑は初めは白でも、今は彼は僕らのせいで、職場を追われた。僕らを恨む理由はある。そんな彼の動向について、調査した部署はどういう風に扱うな事にするのだろうか? 


しかし今はミッシェルは、僕らの仲間なのだから、彼の処遇は僕ら預かりなる。


もしかしてルイスがそう考えてミッシェルを仲に?……ないな。 別に理由がある筈。

 

 あらぬ疑いをかけられ、個人情報の山を出され落ち込むミッシェルと、新しく入った自分が威張れる後輩の彼の頭を撫でなぐさめるウンディーネ。

 

「大丈夫だよ。ミッシェル、新しい後輩をいじめるなんて、ルイスは酷いわね。主様! ルイスをなんとかして!」


ウンディーネは、ミッシェルの慰めながらルイスとは戦わない賢い采配をし、僕にルイスを指し示した。


「ルイスの言葉を通訳すると、ミッシェルは兵士にも疑われている部分があるから、うちで問題起こさないでしばらくいるといいよって事と……うちでは生意気な口をきくと、かんぷないまでにその鼻っ柱へし折るぞ、かな? 深く考えると、ルイスは間違ってないと思うよ。やり方過激だけど……」

 

 ミッシェルと、ウンディーネが唖然とした顔で僕を見ている。


 ルイスは楽しそうに、声を押しころして笑っている。

 

 やっとルイスが喋る事が出来るようになり「ハヤトが、せっかく言ってくださったので、その通りです。という事にしておきましょうか」

 

「「はい」」


 どちらかと言うと、味方だと思って居た僕のフォローが、身も蓋もないので、二人は埴輪顔で、はいしか言わない感じになってしまう。


 そしてミッシェルは素直にカードを差し出した。


 でも、わざわざ今、持っているのを差し出せるあたりルイスの調教能力は凄まじい。

 

「ところで、ミッシェル新しいカードの記載を確認しましたか?」


「はい」


「貴方は事務職員から部署を異動し勇者パーティーで活動して貰います.生活を維持する補助金は出ますが、給料は大幅にダウンします。ですので、貴方は手続きが済み次第冒険者初級です。連絡が来たらすぐにギルドカードに変更し、上級階級までの申請を済ませてください。」


「えっ?!いきなり上級なんて無理に決まってます!?」

 ミッシェルがいきなり我に返った。

 

「僕は貴族としてオークランドの名を継ぐものですよ? そんな冒険者みたいな事できません!」


 ミッシェルは、半泣きである。

 

「なら、私の生まれもご存知でしょう?」


「……連絡が来たら行って来ます」


 貴族の身分差にミッシェルは屈して、ルイス圧勝っいうところか……。ミッシェルには忠告はしていたんだが……。


いや、ルイスは逆らわれるくらいの方が、好きそうだからいいか……。

 

「横暴だって思う貴方の気持ちもわかりますが、勇者に関しては半強制的に冒険者への転向が行われるのです。そのかわりに彼らが生き残るために勇者の権限で、この国の一部の国民以外を冒険者に転向させる事も可能な事、ご存じですよね? それが我が国の公平です。ありがとうございました」ルイスが、ミッシェルにカードを返却した。


「どうでしたか?」僕はガブリ付きで聞く。


「一応、普通の身分証明カードにも今までの各魔法や得意武器などのおおまかな成績のバロメーターの記述はあります。うーん、すべてに置いて普通でしたが、それだけ欠点が無いと言っていいとも思います。頑張って培われた結果だと思いますよ」


 ここでミッシェルが、一粒の涙を流す。「今までは、そんな事を言ってくれる人間などいませんでした……。僕の人生は、オークランドの名前が先にあって、どんなに頑張ってもお前は人並み程度じゃいけないと言れ……先生達や友達でさえ僕の事を、本当にミシェルとして見てくれる人はいませんでした……何故いつもまずオークランドで、兄たちと比べられ普通の僕が駄目なのか……そして何故貴方達は僕にそんなにこだわるのかわかりません……」そして彼は、彼の部屋へ帰って行ってしまった。


 僕は思った。貴族社会怖い。ミッシェルが、ちょっとルイスによって感情ぐちゃぐちゃにされた挙句、格上の貴族のルイスからの優しい言葉でほだされてしまって……。


 明日には、もう仕方ないですねぇ系、後輩になりそうな勢いが怖かった。


「ルイス……」


「彼も今まで、辛かったんですね……。このまま一人にしておいてあげましょう……。良かったらハヤト、後で、彼の話を聞いてあげてくれませんか? 私だとやはり、同じ貴族として意識させてしてしまうかもしれませんので……」


――ルイス、そんな事言う人じゃないので、逆に、怖――――い! ルイスもミッシェルによって心の傷が開いたのだろうか? いや、ルイスだいたいそつなく素晴らしい成績取るタイプだし無いな。


「うん、わかった。(藪をむやみにつついて、ヘビを出さない様に……黙って)行くよ。」


「じゃ……次、これお願い」僕は、僕のギルドの身分証明カードを指差す。


「あ――これは! 人類では考えられない程の数値を叩き出していますね。オール形と聞いていましたが、これほどとは……。そしてやはり木の魔法が強い」


「そのバロメーターって、どうやって調べているんですか?」


「基本は、ぬいぬいと私が記入したものを、ギルドの認可を受けた事務員が魔法で記憶に写し取り、魔法のペンの触媒にして書きこんでいます。だから実際カードになってみると魔法のペンを通しているので、いろいろ違うんですよ。ですが、これも目安にすぎませんが……」


「ありがとうございます。なんか通知表みたいで楽しいですね。あっ、後、僕は人類です」


「そうですね、今のところはね。でも、貴方には人類を越えて戦っていただかなければならない日も来るでしょう。それまでに、時間がありません頑張って行きましょう」


 ルイスは、人類を超えてと言うかが、彼の仮想敵な何なのだろうか。僕の目標の彼女といちゃラブなのだが……。

    続く


 


新年早々こんな話しです!


読んでくださりありがとうございます!


今年もよろしくお願いします。

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