新メンバーが入っても変わりなし
兵士練習場で、昼食を食べ終えた僕らは、勇者の間に一旦戻る事となった。
そして家の前まで帰りつくと、今日も僕らの家を守ってくれるシルスさんに、僕からミッシェルの事を紹介した。
しかしやはり二人は知り合いだったようで、二人とも微妙な顔をしている。
「これからミッシェルには、子供たちの夢を守るために頑張って貰うからさ、彼の事改めてよろしくー」
僕は着ぐるみのアクターの様に手を振りながら、ルイスに続き家に入った。
ウンディーネは「よろしく―」とだけ言って同じように手を振りながら続いた。
ミッシェルは「よろしくお願いします」と、頭をさげ逃げるように家に入って来た。
やれやれ疲れた。僕はリビングのソファなどっかり座る。
ウンディーネは来ないから、キッチンの方で、いい感じに溶けたお茶でも探しているのだろう。
「ミッシェル! 来てください。貴方の部屋に案内しますよ」
廊下でうろうろ、キョロキョロしていた彼は呼ばれて、慌てて一階の奥へと入って行った。
僕はお茶用のお湯を沸かすため、キッチンへ行くとウンディーネが菓子棚を荒らしている。
――これは! ルイス凄く怒られるやつ!?
「主様、ウンディーネの新しい後輩の為に、ルイスの隠してる凄く美味しいお菓子食べましょう」
「それは最近出没する。水色のネズミが出るため場所を変更しました」
ミッシェルを引き連れたルイスが、キッチンの入り口で腕を組み僕らを見ていた。
「ネズミ!?」
ウンディーネはそう言うと、漁っていた棚からパッと離れ僕の前に隠れた。しかし僕の視線の居る先のルイスに気付きゆっくり僕の後ろにまわる。
「ちゃんとネズミが出ない様に、お掃除しないとダメよルイス……」と、ある意味怖いもの知らずのウンディーネは言った。
するとルイスは……、もはや頭痛が痛いという感じの顔をする。
「ハヤト、すみませんでした…。私のミスです。このウンディーネは海に返しましょう」と沈痛の心持ちで言った。
僕は「お母さん怒っているんだからね」と、妹に言っていた母を、なぜかその時思い出した。
「ダメ! ウンディーネは帰らない! 帰らない!」と
ウンディーネは大泣きしながら、僕の手を左右にふる。
それを信じられないって、顔で見るミッシェル。
だから僕は、ミッシェルに言った。
「子供たちに見られなければ、まだセーフだから」と…。
☆
「お菓子いろいろ食べてごめんなさい」
ウンディーネは、お菓子をちょっとだけつまみ食いするのが好きらしいが、好き嫌いが激しいいろいろ漁るのがルイスの逆鱗に触れたようだった。
そのため、しばらくウンディーネの家事の担当がひとつ増え、結果として助手役として僕の仕事は増えた。
ウンディーネのサポート、家事に正解がないから誰かのサポートは僕的にはむずかしい。
それでも戦闘では立場がたぶん逆になるから、こういう家事の仕事から息を合わせないといけない。と、僕の気持ちを少しだまし頑張る事にする。
続く
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