新しい彼
僕たちは4人、僕、草薙ハヤトとルイスとウンディーネとミッシェルは今日から勇者パーティーである。
あれ? ウンディーネが居ない。辺りを見回しても、長椅子に座って白くなっているミッシェルとその横で、ミッションの生気を吸い取ったようにピカピカ、ツヤツヤなルイスしか居ない。
「ハヤト様、ルイス様、そして勇者パーティーの皆様引き続き事務所手続きのご用意が御座います。少し時間よろしいでしょうか?」
ルイスの解雇手続きを行なった彼女が、ふたたび戻って来てそう言った。
僕は慌ててウンディーネを探すと、彼女は、事務所横のメイドや執事など城で働く人々の為の購買店からひょこっと顔を出した。
「主様、ルイス、欲しい髪飾りがあるんだけど……。サンゴとパールで凄く欲しいなぁ……」
「話しはわかりました。すぐには買えないと思いますが、後で相談しましょう」
ルイスがそう言うとウンディーネは、目を輝かせてご機嫌になった。僕もウンディーネには髪飾りぐらい買ってあげたいが、何にもない日に買うのは無理だった。
彼女の保護者としては。
そして僕らはふたたび、事務所のソファに通される。
すぐさまミッシェルは長椅子の真ん中に座る。
「ミッシェル、君はあの椅子だよ。でも、君が今までの経験を生かして僕に助言をくれるなら、別にそこでも構わないよ」
そう言うと、ミッシェルはあっさり席を譲り渡し、僕が示した席へと座った。大変素直。
「僕はこちらの言葉もおぼつかず、事務などの仕事はルイスに全てを任せているので、僕はこちらのはじに座らせください」
「どうぞご自由にお座りください。私どもは勇者パーティーの方々に文句など言える立場にございません」
そう言ってジョルジュ氏は、さっきとうって変わり、僕らが部屋へ入ってから、僕とミッシェルとのやり取りを見ていても笑顔を崩さない。
ジョルジュ氏の隣に座るミッシェルの荷物を片付けた女性も同様だった。
そして僕らも席についた。
ウンディーネは、僕に助言する気持ちを充分持った状態のようで、ルイスの横に仕事の出来る秘書のように座った。
ジョルジュ氏は中腰になり僕に名刺を差し出す。完全に気持ち切り替えたのだろう。
「では、改めてましてと」、彼は自分の名前の自己紹介から始めた。隣の彼女も同様に。
なので、僕らも挨拶を改めてするべきかと思い、挨拶をしょうとする。
「いえいえ、皆様の噂はかねがね伺い存じておりまさす。皆様に挨拶していただくなど、とんでもない」
「では、僕だけ草薙ハヤトです。今後ともよろしくお願いします」しかし僕はジョルジュ氏と違い渡すべき名刺もなく、挨拶して一礼し達だけの自己紹介だった。
「では、早速……、ルイス様から申請があったウンディーネ様のギルド身分証明カードの事なのですが……。城とギルド側から許可が降りまして、勇者の間に1番近い、こちらの事務所から今日にも連絡を御連絡を入れ、ご都合の宜しい時にでも、こちらから足を運ぶ予定でしたが、ついでと言うとなんですがお早い方がいいと思いましてこの場で失礼します」
ジョルジュ氏はそう言った。勇者はそこまで称え上げ祀らないといけないのかと逆に僕が驚いた。
横に座っているミッシェルは、少し気まずそうだ。ここで平然ととしていたら、彼ではなく、彼を引き入れたルイスにさすがに僕が詰め寄るところだった……。
「「ありがとうございます」」僕とルイスは、そう言い。ひと呼吸後に、ウンディーネが続いた。
「まず、ウンディーネ様のギルド身分証明カードについてですが、中身について誤解をおそれずに言えばほぼ空欄です。正解に言えば草薙ハヤト様とすぺて同上になっております。仮の住民許可がおりたのですが、やはり仮には過ぎず、扱い的には未成年と同じ扱いとなっており全ての権限はハヤト様って事になっています。ギルドクエストも同行してるのみの扱いで、彼女の分の報酬は出ません。しかしギルド受付に関しては、彼女の宿や昼食など考慮いたしますが、すみません別料金いただく場合がございます。以上の事にわからない点、認められない点はございませんか?」
「ございません。ご助力感謝いたします」
そうルイスが頭を下げていうので、僕も同意する旨と、彼らにお礼を伝える。
そしてスライムによる粘着液から生還したギルドの身分証明のカードを差し出すと、事務員の女性は、「右利きでよろしかったですか?」と、僕に尋ねる。
「はい……」と、僕が答えると彼女は「かしこまりました」と、言うと手のひらを重ねてゆっくりとも片手を持ち上げる。そこには、半透明の何かが徐々に姿を現す。全体的が、彼女の手の中で姿を現した時。それはふわふわとした白いキラキラとした羽根ペンだった。
「ハヤト様、こちらの筆記用具を受け取っていただけませんか?」
「はい……」
僕は手を伸ばし彼の出現させた羽根をゆっくり引き抜いた。そのペンは僕の為にある用に、しっくりと手に馴染む。そしてそれが当然である様に、ギルドのカードへと文字を走らす。
少し手を離しても勝手に書いている。偽物のサインとかに使われないのだろうか? そう思いルイスを見て、僕は「これ」って言うと、ルイスは「このペンは、今は貴方自身です。このペンの良いところは書類を理解し貴方が望むだろう書類のみサインし、アルコールや薬を飲んでいる場合はインクを調べる事によって何を服用しているのかわかるのです」
僕はそれを聞いて、はぁ……、ほぉ……と、相槌を打ってた。そしてミッシェルを見た。
「君もこれ出るの?」と、聞く。
「出来ますが何か? 出来なければここには、採用されませんよ」と、彼は言う。
「何?、その言い方主様に向かって」うちの狂犬、ウンディーネがそう言った。
「ウンディーネ、僕たちは事務所にお邪魔しているのだから、そういうのはうちでやろう。でも、あまりうるさいとうちでも、城から近いから追い出されるから、落ち着いって話すといいと思うよ」
「あら、ウンディーネったら恥ずかしい」と、彼女はその頬を赤く染め、事務員の2人と、ルイスはニコニコしている。
みんなさすがの精神力である。
ここまで来るとひと段落が、ついたとばかり皆、お茶を飲みだしたりしている。
いつも間にかウンディーネが、机の横に座り筆の動きを見ている。瑠璃色の目が大きく見開きキラキラと宝石の様だ。
「ルイス、見てここ、ウンディーネって書かれてる。ルイスの名前はどこかな……あら、ないみたい残念ね。」
ウンディーネは、ルイスを挑発する絶対負けるのに。
「良かったですね。ウンディーネ。将来、私は先祖と同じ様にハヤトとの冒険譚には仲間として、名を連ねる事でしょう何百年後も。しかし貴方もちゃんとウンディーネ、その名も記載されますよ。他の大精霊と一緒にね」
「未来なんて、関係ない……。生きてるうちに、どれだけ一緒にいられるかが大切なの」
ウンディーネが、少し怒っているけど……自分で吹っ掛けた喧嘩で負けている……。しかもルイスに喧嘩を売るなんて、ウンディーネは怖い物知らずなのかな?
「僕の世界では喧嘩する程仲がいいって言うんだよ」って言うと、「そうですね。私はウンディーネの事は、そんなに嫌いじゃありませんよ」手を足の上で組み勝利者の余裕まである。
「私は嫌いべぇー」とウンディーネはする。
――子供ぽい態度をその余裕でかわすルイスに、ウンディーネは惨敗していた。
「ハヤト様……」
そう事務員の女性に、名前を呼ばれて僕のペンがもう影も形もない事に気付く。
彼女は、机に置かれた僕とウンディーネのギルドカードを拾い上げると僕に手渡してくれた。
「お名前と住所の間違いはございますか? 間違いが無いようでしたら、ひとまず終了でございます」
「間違いはありません。お世話おかけしました」
ここで僕は、ウンディーネのカードを渡そうとしたが、やはり僕の財布にしまった。
そして僕らは立ち上がろうすると、職員のジョルジュさんが、ふかぶかと頭を下げる。
「これからよろしくお願いします」と言った。
彼は特に何についてかは言わなかった。しかし大勢の人物がミシェルを見る。
彼は不貞腐れたように立ったところだった。
「こちらそよろしくお願いします。ルイスがこちらに多く尋ねると思います。しかしミッシェルが入ってくれたので、彼もこちらに出向く事もあるでしょうだからミッシェル」
僕は見た。嫌だが、ちゅーする距離で……。
「僕は、1番勇者に近い存在であるらしい。だから、せめて……子供たちが大人たちから聞いて、がっかりするような態度だけはしないで欲しい……。もう君は、僕らの仲間だからよろしくお願いします」
僕はここで、ミッシェルに頭を下げた。スーパー卑怯作戦だか、これしか思いつかなかった。
「では、ミッシェル……これからお世話になるジョルジュ氏に挨拶よろしく」
僕の行動に、「えっ?!、あっ、へっ」しか、言わなかったミッシェルを皆が見ていた。
これでミッシェルが不貞腐れた態度をとったら、ルイスの生贄に捧げるか、レンさんのブラックギルドに奉公に出す! とかまで考えていた……。
「ミッシェルです。これからよろしくお願いします」
「ジョルジュです。ご丁寧ありがとうございます」
彼は、なぜか名前を自己紹介していたり、少し更生した不良みたいな感じなってたがちゃんと挨拶は出来た!
彼はルイスによって海の藻屑になる事は、回避したのだ。
そしてミッシェルの挨拶に完全合わせる、ジョルジュさんは曲者過ぎる。
そしてミッシェルは受け付けでも、なんと挨拶をしていた。僕の言葉にそんな効力あるなら、安売りにならない程度には言うよ? ちょっとそこらへんルイスに相談しよう。そして合図があれば、いつでも言えるようにしよう。
そしてミシェルは、元職場に別れを告げた。
しかしウンディーネの欲しい髪飾り以外に、彼女ウインドショッピングに付き合って、我々は購買店にいた。しかし購買の前で待っていたミッシェルは、休憩の為に出て来た元同僚にまだ居た!? と、いう感じに驚かれたらしく早く帰りましょうと僕らを急かし、髪飾りはウンディーネのお小遣いが貯まったらという結果を出す。
しかし我々は食堂に向かい。ミッシェルの居心地悪さは続いたのだった。
こうして僕達は、正式に新メンバーを迎えたのだった。
続く
見ていただきありがとうございます!
また、どこかで




