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午前中にはいろいろな事がありまして

 前日のスライム掃討作戦は、1日仕事となった。


 燃えるスライムをみて、自分が生き残った事と仲間の無事がうれしかった。


 依頼主からクエスト終了の際、返して貰う達成の印のカード受け取り、任意のアンケートまで「ちゃんと、書いておいたよ」と言われた時も、ギルドの受付けで「ギルドクエスト達成の手続き終了です」の声を聞いた時は、ウンディーネと手を合わせて喜んだ。

 (しかしルイスにも2人で手を差し出したが、彼はにっこりと微笑むだけだった。)  


 そして今、一夜明けた早朝の僕は、自分の大豆畑で、腰をおさえて立っていた。


「ルイス、腰が痛い……」


         ☆


 そしてやっぱり話は、今日、僕が目覚めた時まで遡る。


 とうとう苗を植える時が来た!

 寝ぼけまなこの時間が過ぎ、そう昨日考えた目的を思い出した僕は、やる気に満ちた気持ちでベッドを後にした。


 これからの作業は植物相手だ。


 それなら暑くなる前に作業を行った方がいいとルイスにも聞き、僕らは日が上がる前に、ルイスが手綱を握る馬車に乗り畑へと向かった。


 畑に着くと、次々に道具や苗を取り出す。


 そして1日ぶりに畑にクワを入れると、以前、畑に撒いた肥料やいろいろな物のおかげで、僕の畑の土はふかふかになっている……気がする。


 これなら苗を植えても、問題ないだろう。


「ハヤト、これを受け取って下さい」


 ――竹の棒と、糸? 竹って、異世界にもあるのか……。


「この竹と、糸を使い真っ直ぐに苗を植えていきます」


 僕とウンディーは棒を持ち、畑のはしとはしに立ちピーンと糸が張った状態だと確認すると、そのまま竹を地面につき刺した。それを全部で5回行った。


 そしていよいよ、苗を植えるだが……。苗は、一回目の12鉢と二回目15鉢✖️3で、合わせて…57鉢、それを5で割って11とあまり2鉢……少し苗がキツキツな気がする……。


「ハヤト、苗は枯れた場合や育たない場合を考え

 て、余裕をもって育ててあるので、全部植える必要はありません。植える距離に、余裕を持たせて植えてください」


「わかった。ありがとう。ウンディーネ、この苗を両手をひらを開いた状態で、左の小指から右の小指分あけた距離に次の鉢を置いて、……端っこはふわふわの土から片手広げてた状態で、親指から小指まであいてたらいいよ。後は全部置いてから調整しよう!」


「わかった!」

 彼女は苗2つ持ち元気にそう答えた。


「さすがウンディーネ!、ルイスもそれでいい?」


「はい、大丈夫ですよ」


 そして僕らは苗を置き、座ったり立ったりしながら苗を植えていく途中で、僕は立った途端――。


 グキッもガチも無く。腰が痛さが蓄積されました! とばかりに、痛さで動かせなくなる。


 これ以上動かせばやばいですよ? となんとなくわかる痛さ。今でさえ、可動域も狭く、十分痛いけれど……。


「ルイス、腰が痛い……ごめん回復お願いします」


 彼は畑に来る時いつも持って来ていた、布を野に広げて、僕にそこに横になるように促した。


 何に使うのだろうと思っていたが、この為だったのか……。そしてルイスに回復して貰うとやはりポカポカ体の芯から温まる。


 今、夏なので汗が出るが、新陳代謝が良くなったと考えると苦にならない。


「ハヤト、回復である程度は良くなりますが、長期の疲労にはやはり治すのに時間がかかる様で……」


「動いているとまたなる可能があると言う事? もしかして……」


「はい、おおいに。しかしそれはチャンスです。残りはご自分回復をやってみてください」


 そして彼は横で、立ち膝で見ている。そしてウンディーネがひょこひょことやって、ルイスの対局に座り。


「ウンディーネも、腰が痛くなっちゃったかもしれない」っと、と言って僕の隣でころっと寝転んだ。


 1人で寂しかったのかもしれない?


 気を取り直し、自分で回復してみる。最初は特になにも感じる事は無かったが、続けるとなんとなくポカポカと腰があったかくなってきた。


 自分でやってみた感覚だと、冷たい過ぎる手が勝手暖かくなっていく感覚に似ている。それくらい時間もかかる。


 ルイスのようにすぐに効果を発揮する事は、やはり修練が大切なのだろうか?


 僕は様子を見て体を、左右に動かす。いきなり来る、酷い痛みは治ってはいるらしい……。


 次はウンディーネの番か……。


「ウンディーネは腰だけでいいの?」この際ウンディーネも練習台になって貰おう。彼女の横に座りなおす。


「ハヤト、今のウンディーネの状態は人間と変わらないでしょうが、彼女は精霊から大精霊ウンディーネになってから日が浅いのかもしれません。だから彼女にかける魔法は効果を少なめにかける様にしてください」


「わかった、ではウンディーネ行くよ!」


「お願いします!」

 彼女の背中の上をゆっくり、ルイスのやり方を真似て回復を施しで行く。


「うふふっあははっ」

 彼女の背中触らない様に、魔法をかけてみたが、彼女はくすぐったいのか笑い始めた。手と足をバタバタさせてる。


「おかしいなぁ……」僕は、頭ひねりながら、ぴちぴちと跳ね回るウンディーネを立ち膝で見つめる。


「まぁ、こういう事もあります。畑仕事を続けましょう

 」そう言ってルイスが、仕事をちゃんと仕切ってくれる。


 それからは自分で、少しずつ回復をかけながら、腰を、労りながら作業を進めていった。


 そして畑に置いた苗をすべて植える事が出来た。


 今度は、水撒きをする。ウンディーネにも魔法精度など見て貰いつつ、水を畑に撒く事が出来た。


 今日は少し曇っていたとは言え、日が登りきる前に予定がこなせて良かったと思った時、ルイスが「あっ」と言った。彼は座りながら手を前につき微動だにしない……。


「ルイス……?」


「はい……」

 彼はその姿勢で、顔は下を向いたまま答える。それでもなんか苦悩するさまが、なんかカッコいい。



「凄腕回復師の助けはいりますか?」


「大丈夫です……自分で治せますから」


 そう言って、彼は背中に手を回した時「ゔゔぐ」と言って彼の時間は止まった。


 僕は慌て彼の後ろへとまわり、腰に回復魔法をかける。


 ウンディーネは、「ルイス?」「大丈夫?」「生きてる?、ウンディーネが1番って事でいい?」と、ルイスのまわりでうろちょろしている。


 しかし少しすると、「いいわけないないでしょう!」っ、と少しお怒り気味にルイスが再起動した。


「あなたの嫌いな干し葡萄を、毎食のおかずに入れますよ!」と、言ってる事は子供の喧嘩で……、ルイスもそんな事言うんだなぁ……と、頭の端で考えていた。


「ありがとうございます。もう大丈夫です。」


「そうやって痩せ我慢するから、そこまで酷くなったのでしょう? ここが戦場なら死んでましたよ。 さぁルイスも布の上で横になって!」


「そうですね……よろしくお願いします。」


 ここは異世界、生死が隣合わせだからこそ、正論バンチは彼にクリーンヒットしてしまったらしく……。


 彼は素直にしたがった。


 だから逆に不安になった。体を治す為に心を傷つけていたら本末転倒である。


「僕は今は頼りないかもしれないけれど、いつか一人前になったら頼っていいって事だからね」


「いえ、本当の事だから気になさらないでください」

 と、彼は言うものだから……。


「そこまで、君が気にするとは思わなくて……死んでたはよくなかった! 縁起が悪いよね? 危険だったにすれば良かった……」


 最終的に「教えて貰っているのに、大口叩いてすみません」まで言ってた……。


「いやいや、本当に大丈夫ですよ」

 彼はそう言って笑っていた。


 って言っていたが、ルイスみたいな人は思わぬところで傷付いていそうで。気が抜けない気がする。


 そんなわけで、ちょっと僕とルイス口数が少なくなっていた帰り道、ちょっと待っててください。と、言ったの荷馬車から降りて彼は買い物に行った。


 その間、帽子屋でウンディーネの為にメイド服に合わせた黒いリボンのカンカン帽を買った。


 麦わら帽子が帰って来て、やっとほっかぶりから卒業できた。


 クルクル回っているウンディーネのもとに、ルイスがフィシュアンドチップスの入った袋を差し出しす。


「大丈夫っていても疑う頑固な貴方に、好物を買って来ましたよ。これを食べていつもみたいな能天気でいて下さいよ。調子がくるいますから」


「ありがとう……ルイス」そう言って、それを受け取る。とても美味しそうな匂い。今はフィシュアンドチップスだけの事を考える事にしよう。


「ウンディーネ、貴方にはこれです。干し葡萄入りのサラダですが、貴方の好きなフルーツやチーズも細かく切られて入ってます。貴方はこのサラダを好きになるか、嫌いになるかどっちなんでしょうね」


 そう言ってルイスは、笑顔でウンディーネに渡すが、ウンディーネは喜んでいいのか戸惑っている様だった。


 続く



見ていただきありがとうございます!


また、どこかで。

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