好きな大豆料理は何ですか?
「おはようございます」朝から、ルイスの笑顔は眩しい。
昨日の夜の出迎え後には、ぬいぬいと今後の僕の練習スケジュールの調整にすぐに入ってしまったので、ちゃんと話したのは、昨日の朝食ぶりだと思う。
しかし変わった様子が無いので、僕の彼の心をざわっかせる作戦は不発だったようだ。まぁそんなものだろう。
それにしても昨日の朝のあの出来事から、昨日は一日、兵士の練習場で過ごし、木の魔法の初歩の練習をぬいぬいに習い過ごした。
昼ご飯も夜のご飯も練習場でとり、基礎は叩き込まれたがなんせ体調調整や、ヒーラー的な回復魔法なので魔法の効果の実感がわかず、ぬいぬいも久しぶりに良く寝られているらしいので効果の実感が難しいらしい。
しかし国を守る仕事をしている兵士達を実験台にするわけにもいかず……悩ましいところだ。
そう言えば昨日の練習の時に、ぬいぬいは言ってたが、今日からまた忙しくなるらしい。
「明日は、あるるとアルトルアを迎えに行くので、朝早発つから練習を怠るなよ」
愛妻家と子煩悩の彼はそう言い残した。僕の将来の姿がそう言うのだから、頑張らねば。
それとは別に、夫婦中の良い秘訣や育児の心得も、今のうちに師匠に教えを請わなくては……。
「ぬいぬいは、出発する時、何か、言ってた?」
「そうですね……『あいつも辛いのだから、いろいろ言ってやるな』と、言っておられました」
――ぬいぬい……。彼の優しさが、身に染みる。
「なので、『ハヤトに、そんな甘やかしは不要です』と、お答えしました。さぁ――今日も王を救うため、贄になって、うっかり死なないため、今日も頑張りましょう!」
「あ……そうですね……。では、僕が100%生還する為にはどんな鍛錬、修練、訓練が必要ですか? 木の魔法、基礎体力は必要という事は理解しましたが、他の事については、僕達の世界の化学と魔法は違い過ぎて検討もつきません」
「世の中には、絶対はありません。しかしそれに近づける訓練を1つずついたしましょうか。ですが、それは朝食を食べてから」
そして彼は、僕を朝食といざない。僕達は、一緒に朝食を食べた。今日の朝食には珍しく豆乳が添えられていた。
「豆乳とは珍しいですね」
「大豆は、『畑のお肉』とも『大地の黄金』とも言って、タンパク質も豊富で素晴らしいですからね。ちなみにハヤトはどんな大豆料理が好きですか?」
「豆腐や枝豆ですね、それから枝豆から出来るずんだ餡も好きですね」
「そうですか。私も知らないものばかりなので、是非作り方も教えてくださると助かります」
ルイスはそう穏やかに言った。彼に知らない事がある事に驚いたが、僕はわかる範囲で彼に説明し、彼はそれをいつもの手帳に記入したのだった。
――ルイスは、もしかして大豆が好きなのかもしれない。僕は彼の為に、もっと料理について知っていれば……と思った。
僕たちは食べ終えた食器を片づけを終えると、城から出て結構な距離を、ルイスに先導されて走らされた。
「ここでいいでしょう」
ルイスが言った場所は、ただの空き地だった。
以前、山への魔法の練習をしに行った途中の川を越えた先。大きな湖や小さな池もある緑豊かな土地。そこでルイスは何をしょうとしているのか?
僕たちそこへ辿り着き、しばらくするといつも僕らが乗っている幌馬車ではなく。ほろのない荷馬車が僕らの前に現れ、荷物を順調に降ろしていく。
僕も手伝うが、クワ?、なんか手で押す系の作業道具などでてくる。めちゃめちゃ見た事ある。この流れ……。
ルイスは一番におろしたデカいパラソルと机と椅子を設置した後、彼は言った。
「ここで大豆を作っていただきます」
oh yeah! ハッ、少し思考が止まっていた。
そしてルイスに、大豆入り布袋を渡された。テレビでよくある畑どっきりか……。しかもルイスプロデュース……絶対、スローライフにならない系だ。
「ぬいぬいには、大豆を発芽、成長させて、それを応用する回復魔法を覚える訓練をするように言われましたが……」
ルイスのちょっと切なげな、短いタメが入った。
「それだけでは、おもしろくございませんので、基礎体力をあげる為、畑作りをいたしましょう! 茹で枝豆お好きでしょう? でも、作った方がもっと美味しいですよ」
ルイスの枝豆の発言の辺りで、僕は雑草刈りを始めた。ちらっとみた彼は、それはそれで満足そうだった。 しかしルイスは僕を止め、僕に服装を整えるよう促す、僕は全身ばっちりに作業服になる。
そしてルイスも同じく作業服のはずが、かっこいい……。人は平等ではないのだ……。
ふたたび僕は作業を開始し、『落ち葉拾い』で、有名なミレーの作品にの中にある。鎌に柄が長く、そこから持ち手の金具の棒が出ているあの鎌、あれによく似た鎌で草を切る。
足を、きりそうで怖いし、すぐ腰も痛くなったが、もくもくとこなした。
ルイスも畑予定地の半分を刈るが、器用にこなし彼の担当の個所はすぐに雑草は無くなった。その後、彼は日傘の下で水分補給の紅茶を入れ、ティータイムの時間をこまめに知らせてくれる。熱中症、日射病対策もばっちりで、休憩時間にぬいぬいの以前行った。雪の結晶の降るパラソルの魔法まで唱えてくれる、休憩時間もばっちりくれる。
さすが敏腕プロデューサー執事!
次の作業の根っこを切る道具を貸してくれ、その間にルイスが不要な木や草を片付ける。
どんどん作業は進むが、畑を耕す途中で、夕方になり作業は終了になった。
そして思った以上に、スローライフだった事に安堵した。
明日も晴れという事で荷物はその場の見えにくい場所に置き、なんとか走って帰り着くと、シャワーを浴びて、長椅子にのソファーに座ったのは覚えてるが……。
魔法を使わない。回復魔法の訓練の1日目は、知らぬ間に終わっていた。
続く
『スローライフ』私もスローライフ系ゲームをしますが、夜は温泉と鉱山に入り浸る感じのスローライフをエンジョイします。
見てくださりありがとうございました。
またどこかで!




