1階にもどり立ち話
ホイルトツェリオ魔法学校の本校舎の魔法と(魔法使い)不思議さをの一端を知った僕たちに、フランツ教頭はどこぞの忍びの学校の給食のおばちゃんを思わせる、『お残しはいけませんよ』とばかりに軽快に魔法学校寮の案内すべく僕らに寄り添う。
そんな僕らは中央の階段前の1階へと降りていくと、そこにはオリエラが階段にもたれかける様にして待っていた。
「お――い」
と、声をかけた僕らに、彼女は、長い三つ編みを弾ませるように振りむいた。
教室では気づかなかったが、彼女の幼さがまだ残る華奢なスタイルにこの学校の燕尾服のような制服はよく似合う。
「師匠、ハヤト、そしてルイス様おひさしぶりです」
「お久しぶりですオリエラ様……後、私もやはりハヤト様に、同行して旅をする事になりましたので、私の事はルイスとお呼びください」
「では、私の事もオリエラと、お呼びください」
「残念ですが……、王族の一員の方々を、呼び捨てで呼ぶことは、大変差し支えがあるためで出来かねます」
「では、私もルイス様とお呼びします。ほまれ高い一族の方々を、呼び捨てに呼ぶことなど出来ません」
ふたりは笑顔で、にらみあっている。ふたりとも由緒正しい一族のなので、こんな時どうするか悩む。
フランツ教頭と僕の視線は、ぬいぬいに向けられていた。師匠の彼ならこの状況をどうにしかしてくれるだろうと……。
「じゃー決まったら呼んでくれ、知り合いの先生に挨拶してくるわ」
――ぬいぬい――――――!
ぬいぬいは、すばやく懐かしの母校で気の置けない仲の人々と、昔話を楽しむ事を選択してしまったようだ。仕方がないパーティーのリーダーであろう、僕が仲裁に入る。
「ルイス、街の外へ出る事になったら、名前に様づけされているような人が歩いてたら、人さらいなどの標的になりやすいのでは? 」
「しかしハヤト様、今のメンバーで歩いていた場合、どうしてもハヤト様とオリエラ様の年齢が浮いてしまします。それならいっそお二人を守る為に、執事が同行していると偽った方が、いいのではないでしょうか? 兄弟の三人と言う事でも、私達の髪も目の色も違いすぎます」
「その心配ならご無用です。必要なら、わが校の弟子制度の身分書を発行も出来ます。そうすれば我が認めた師弟の後を街からつけ狙う者は居ないはずです」
フランツ教頭の参戦で、オリエラの意見が優勢になった。その時、オリエラが動いた。
「魔界など過酷な土地へ行くのだから、仲たがいの危険を減らすため私たちはもっと友好的であるべきだと思うのです。それが勇者を支える立場の我々ならなおさらにです。ねっ? ハヤト」
「ははは、姉弟子のオリエラが言うなら、そうだと思います」
ルイスはそこで、一度、僕たちを見た。しかしぶの悪いと勝負と悟り降参した。
「わかりました オリエラ」
「「ありがとうございます ルイス」」
今回は、どうやらオリエラが勝利したようだ、僕とオリエラが同時にお礼をルイスに伝える。話が付いたのならばばそろそろ、ぬいぬいを迎えに行かねばならない。
「では、ぬいぬいを呼んできます」
僕が、ぬいぬいの向かった方に歩いて行こうとすると、「いや、私が」と言ってフランツ教頭が名乗り出てた。
フランツ教頭は、オリエラに案内係を任せて、ここでお別れとなった。
僕達の別れの言葉と感謝の言葉、そして素晴らしい学園への感想を述べると、彼は顔をほころばせながら。ぬいぬいを迎えに行きつつ仕事へと戻っていた。
しばらくすると玄関口へもどって来たぬいぬいは、蜜柑を抱えきれないほど持って来た。
「えっ? どうしたの師匠これ?」
フランツ教頭の居なくなった、オリエラはいつもの調子で話し始めようだった。
「おれが来るって聞いて、馴染の給食のおばちゃんがわざわざ家に帰ってから、もいで持ってきてくれたらしい」
「あぁ……あのおばちゃん、いつも師匠は『ちゃんと食べてるか?』『研究しすぎて、ご飯を抜いてないか?』 と、よく言ってるから……。私は、いつも『あるるさんがちゃんとしているから、大丈夫ですよ』って言うのだけど……師匠、学生時代、本当にどんな生活してたの?」
「俺は普通に……時々、古代魔術の古文書の解読やってたら、時々、めしを食うのを忘れただけだ。問題ない」
「問題だらけだよ、師匠たらもう――」
オリエラとぬいぬいのいつもの様子だが、ルイスは少し面食らってしまっているようだ。しかしルイスの顔を見ていた。僕に気付き、彼は少し微笑む。
ルイスは、オリエラが僕らとのつきあいで、どうありたいか理解したようだ。
それぞれの定めを受け集まった僕らは、こんな不器用な形でその姿を作っていく……。
つづく
見ていただきありがとうございます!
また、どこかで。




