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階層攻略 その10

 ファンタジーの名作に、数多く登場するだろドラゴン。


 火を吐く爬虫類で背中に、とても大きな翼があり、洞窟に住み宝石をなど宝を大事に守り暮らしている。確かそんな幻の生き物だったように思う。


 そんなドラゴンが、この17階層にはドドーン!と、部屋からあふれそうなほど大きなドラコンがただ1匹いた。


 ただ一匹、されど一匹である。


 だから僕らは、16階層からのびている階段の途中で、立ち往生していた。


「凄い、ドラゴンに、会えるなんて……」


「ハヤト、その気持ちには私もおおむね同感です、私の場合はもっと否定的な気持ちですが……」


 ルイスは、そう言いドラゴンに近付く。しかしドラゴンがすぐさま火を吐く為に顔をあげ、赤に少し青の混じる炎を口からはき続ける。それに巻き込まれない様にすぐさま飛び退く。


「やはり上へと続く階段は、ドラゴンの奥にあるのか、さっぱりここでは見えませんねえ……」


 ドラゴンは、天井までみっちり詰まっていて、そもそもどうやってドラゴンをここに納めたのか、疑問しかない。


 僕の横にスフィンクスがやって来てた。


 彼は珍しく、ドラゴンに聞き耳をたてるようにお座りをして一心不乱に見つめている。


 そんなちびスフの隣に座り、背中の毛に左手をいれてマッサージする感じにワッシャワッシャと撫でていたら……、チビスフにはいやぁーーんて感じで逃げられた。


 ーーふふふ。めっちゃ可愛い。


 しかしここで、事態は急変する。ルナが言った。


「あの……スフィンクスの話では、ドラゴンから妙な音がすると言ってます」


 ーーえっ、スフィンクス、僕は横にイタヨネ? 何でルナのところへ報告へ行ったの? 衝撃過ぎて一瞬、時が止まった……。


「どんな音がするんだ?」


「同じ音は、ルイスからもするそうで、ギシギシカチコッツ音がするそううです」


「私が持っている。常時、音が鳴るものと言えば、懐中時計でしょうか?」


 そう言うと彼は上着のボタンをはずし、下に着込んでいるベストのボタンに取り付けてある懐中時計を、ベストのポケットから取り出してちびスフに見せようとした。


 しかしルイスの前で、ちびスフはあっさりコローンと、お腹をだして転がった。


 ーーなんかちびスフの気持ちわかる! ミッシェルを見たら同じ気持ちを、共有した顔だった。そして目と目があった僕らは確認し、うなずきあう。


「困りましたね……起きてください。スフィンクスあなたに、この音がドラゴンから聞こえる音と一緒か、確認して貰いたいのです」


 それを聞いたちびスフは、ひょこっと起き出しルイスの懐中時計に、顔を近付ける。


「いいにおい」ちびスフは、とても賢そうに言った。


「ありがとうございます。で、音の方はどうですか? ドラゴンの音と一緒ですか?」 


「はい」と、言って頭を下げた。


「ありがとうございます。スフィンクス」ルイスは、そう言い頭を撫でた。そして一度懐中時計の時間を確認すると、ポケットに戻し上着のボタンをとめる。


 そんな演技みたい動作をちびスフは見てから、こっちへ来てごろーんとお腹を出して横になった。


 ーー頑張ったなちびスフ。そんな気持ちを、込めてお腹をワシャワシャやっていると、ちびスフには、めったに近寄らなかった、ミッシェルが隣で無言でワシャワシャしていた。


 そんな僕らの目の前で、ルイスはドラゴンにふたたび近付き、炎を吐くドラゴンに手袋を脱いで投げつける。


 ーー決闘を申し込んだ!? と、まあ、そんなわけはなく。燃えた形跡のない手袋を見て、僕もこのドラゴンが、何者かに作られた偽物であり、ただ先を進ませないだけの存在だと確信した。


 そのままルイスは、ドラゴンの口の中に入っていく。しかし次に入ったぬいぬいの「わぁぁ?!」って声が聞こえ、ピクッとなったスフィンクスは駆け出した。


 スフィンクスは中を確認すると、追いかけてきた僕らにぬいぬいの無事を知らせるように顔をすり付ける。


 そんなスフィンクスを撫で、仕切りの布の隙間を押し広げ入ると、ぬいぬいが青空の下でよく見かける。キャラクターのバルーンの中で子どもがエアーマットで遊ぶ。そんな遊具のエアーマットの上で千鳥足になっていた。


「なんだこれは?!」


「正解かは、わかりませんがこう言う遊具が、僕の世界にはあるんですよ」


「何のために?!」


「子どもが好きなんですよ。こう言うのが」


「だから何んでだ」


「忍者の末裔なので……」


「そうか……」


 なぜか、ぬいぬいに忍者が受け入れられた事に驚きを隠せないまま立っていると、その時、入って来た方と反対の入り口が開きルイスが顔を出す。


「こちら側に階段がございます」

「わかった。今、行く」


 そう言い、みんなに声をかけた。、僕らは順番にエアーマットに入っていく。おっかなびっくりに移動する僕ら……。


 しかし獣の柔軟さを持つ。ちびスフにはそんなの関係なく。


 少しおねぇさんのオリエラとともに、縦横無尽に走りまわり、少し腰の引けた若者たちが、悲鳴をあげる阿鼻叫喚の遊具と変えてしまった。


 続く


見ていただきありがとございます。

またどこかで!

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