子ども向け魔法教室
初めて使った魔法は、威力が強力だか安定性を失い暴走し、紙一重で助かった僕達。
魔法初心者の僕に、ぬいぬいは言う。
『お前は、世界と繋がってない』と――。
――よし、わからん。
そんな心持ちが、顔に現れているだろう僕に、ぬいぬいは頭をかきながら説明を始めた。
「世界を構成する5つの属性『地』『水』『風』『火』『空』がある。まず『空』は、どこにでもある空気の事で、何故まず空気から説明したかと言うと、俺がそれについてよく知らないからだ。以上だ。で、今回の肝心の『火』だが、お前も知っての通り、火とはあれだ」
ぬいぬいは、サークルの中で今にも消えかかりそうな炎を指差す。
「はい」
「ハヤト、火と聞いて、お前の作り出したような青い炎をいきなり思い浮べる者は、この世界にはそういない。自然とは、かけ離れた生活を送っている我々でもだ。だからたぶんお前がいた世界は、我々以上に自然との繋がりが少ない生活なのだと考える。それは魔法を極める為には、有利な事だが初心者には危険すぎると言う事だ」
「確かに、僕の生活とは自然とはかけ離れています。 ……いました。では、どうすればいいですか? 火を1日15分見る生活を送るとかですか?」
「それは間違いではない。自然な覚え方ではある。だが、安心しろ、魔法学校で学ぶ、自然と触れ合う機会のない貴族用の勉強の仕方がある」
ぬいぬいは、自信満々に腰に手をやりそう言った。
「では、行くぞ……」
「はい!」
「みんな――……」
ぬいぬいは力を込めて最初、僕に呼びかけた。
しかし僕と目があるとグウにして、曲げていた手をゆっくりとおろした…。
「あぁ……すまんレン、後は頼む……」
「はいはい」
そしていきなりぬいぬいは、殉職する刑事の様な事を言い、レンさんの全体の姿が見える位置までさがると、地べたに座った。オリエラもその横に座り、僕も続く。
レンさんが、お辞儀をすると二人は拍手始める。
「みんな――こんにちは!」
「今日は冒険者ギルドから、魔法の勉強を始めたてのみんなの為にレンおねぇーさんが来ましたよ――」
「みんなは5つの精霊について知っているかな?」
「精霊は世界の1番の基礎的のチカラでもあり、そしてみんなの覚える魔法の基礎でもあるんだよ!」
「だからみんなに精霊のそして世界原初の力について、長い期間かけて勉強してもらいまーす」
「みんなのなかには街に住んで、精霊を見たことないお友達もいるかもしれません」
「精霊初めて見るよって、お友達いるかな?」
「じゃ――見た事あるよって、お友達はいるかな?」
そこでぬいぬいとオリエラが、手を挙げた。
「すごい、精霊を見た事あるお友達もいるんだね」
「うんうん、じゃ――今日から4週間にかけて4つの魔法の精霊に触れあって貰います」
「初めての子も、もうお友達だよって子も、このあと配る水の精霊の瓶を大切にして」
「そしてたくさん、たくさん水の精霊さんとお友達になってください」
「そして世界の超自然的な力に触れて、みんなの中にも眠る自然の力で魔法を安全に使ってみようね。」
「世界、自然と私達は繋がっていると言う事を、少しでも気づいてくれるとレンおねぇさんうれしいです」
「では、水の精霊の瓶を配ります」
そこで、レンは胸元のポケットを探る。
「あ……ない……」
「はいよ」
隣に座っているぬいぬいは、鞄から小瓶を出して僕に手渡してくれた。
「ありがとうぬいぬい」「ありがとうございます」
レンと僕は、ぬいぬいのお礼を言う。
「みんなちゃんと行きわたったかな? 」
「持っている子、手を挙げて」
僕は、こっそり手をあげる。
「うんうん、必要なお友達にはちゃんと瓶は届いたようだね」
「じゃ――精霊さんにまず、こんにちはの挨拶をしてみましょうか」
「はい、みんな、こんにちはー」
レンが、言うと同時に、僕もこんにちはと挨拶をした。
そうすると、瓶を持つ手がひんやりした。
「冷たい……」
「うんうん、ちゃんと出来た見たいだね」
「ここで、1つ注意です」
「この瓶に投影されるのは、原初の水の精霊ですが……」
「まれに、人の姿を持った水の大精霊が、映し出される時があります」
「だいたいは大丈夫ですが、念のため人型の時は、すぐ瓶を手元から離してください」
「これは、レンおねえさんとの約束なので、絶対に守ってください」
「今までに、一度だけ囚われてしまう子が居て、助け出すのに、それはもう大変だったらしいです」
「じゃーレンおねぇーさんとの、約束守れる子は手を挙げて」
とんでもない前ふりに、驚きつつ僕は手を挙げた。
「じゃ――おねぇーさん今日はもう帰るけど、お約束はみんな守ってね!」
「バイーバァーイ」
レンは、笑顔で説明を終わった。
「ハヤト、水の精霊のその感覚を、まず覚えて」
いつもの、調子よりテンションが、下がった様になってしまったレンさんは、新たに説明を続けだ。
「そうすれば今回の様に、他の物ものが混じって暴走はしないと思う」
「なんか、便利なような、そうでない様な気が長い作業ですね」
「まぁ初等部向けだしね」と、レンさんは笑う。
ぬいぬいは、オリエラに向きなおって聞く。
「で、オリエラは、覚えられていたか?」
「師匠、任せて完璧だったよ」
「じゃー、人型が出て制御できなくなったら、どうする?」
「瓶を割ります」
オリエラは、すぐさま答えた。
「うん、うん上出来だ」
ぬいぬいは、グウーにした手に顎を乗せ、うんうんとうなずく。
「でも、師匠はちゃんと覚えているの?」
「おれ? おれは……」
「ぬいぬいは、子供好きだから結構評判はいいよ」
レンさんが、何気なく口をはさんだ。ぬいぬいについては子ども好きなのは、オリエラへの態度からわかった。
「そうらしい……」
「じゃー今日の授業はここまでで帰るか……」
ぬいぬいとオリエラを城下街でおろし、山から城へ帰り着いた時には、辺りはもう真っ暗になっていた。
ぬいぬいとの別れ際には、彼が「じゃあな」って言った時……。
その時、僕の胸元に入れてあった瓶から……。 小さな魚が飛び出して、ふたたび瓶の中へ消えていった。
何故か、瓶から哀しいって気持ちが伝わり――。
「僕も……」と呟いたら、また瓶がひんやりとしたのだった。
レンさんは、僕を城の入り口で下ろすと、幌馬車と一緒に城の中心へと向かって行った。
彼女は「仕事の合間にいい休憩がとれてたよ」っと言っていたが、これから再び仕事なのだろうか?
続く
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