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ソイルドソレルの街の散策

 ソイルドソレルの街を歩くといろいろなものが、目に飛び込んでくる。


 たくさんの料理屋があるようだが、やはり港町なので、港町特有の海鮮の料理を扱うお店に入った。


 お店の中は落ち着いたレストラン風で、木の手すりのついた2階へ上がれ階段が目につく。


「2階、良いですか?」と玄関に付いている鈴のねを聞いてやってきた店員の男性に尋ねると「今、空いていますのでご自由にどうぞ」と、返事がかえってきた。


「「ありがとうございます」」


 そういうと、ウンディーネは希望に、胸を膨らませた姫のように、少し早あしで歩いて行ってしまう。


「ウンディーネ、ひとりで行っちゃだめですよ」と、言うフィーナと、「ウンディーネ待って!」と言う僕。

 

 僕とフィーナは顔を見合せ、仕方ないですね。と、言う顔してから僕のおてんばな妹みたいな彼女を追いかけた。


 2階に上がると窓際の見晴らしのいい席に座り、さっきとはうって変わってどこかのお嬢様という感じで、彼女は座っている。


 フィーナがウンディーネの横に座り、僕がフィーナの前に座る。


 そして僕がメニューを1つ彼女たちの前に置く。


「「ありがとうございます」」

「う……うん」


 僕がメニューを確認しつつ彼女たちを見る。親しい友達みたいであり。仲の良い姉妹のようでもある。


 現実味のあるレストランで、見る彼女たちは可愛らしさに破壊力がある。だから3つ離れた壁際の席を見て、去年の僕なら迷いもなくあそこへ座るな、確認などしてしまう。


 そんな事を考えていると、僕の能力の翻訳機能でどう調理されているかは理解出来るが、メニューの他の部分がいまいちわからない。


 魔力回復のためサラダを頻繁に出してくる、執事がいるおかげで、普通の一般人よりは薬草、ハーブには詳しく理解出来る様にもなった。


 しかしさすがにこちらの世界の魚の名前は、向こうの世界と違うようで文字は読めても、どんな魚か連想が出来なかった。


 向こうの世界に、いない魚って事もあり得る。流通の便が悪いこの世界で食べられなかった、知っている海に住む魚の可能性もある。とにかく僕には理解出来ないメニューにお手上げだった。


「ごめん、フィーナ。僕も魚について、教えてもらっていい?」


「わかりました。じゃ、ウンディーネ、さっき教えた事をハヤトに教えてあげてくれる? 私が異世界の名前で説明するから」


「主様では、説明しますから、ちゃんと聞いていてくださいね」


 フィーナに教えて貰っていたウンディーネは、口調までフィーナだった。ウンディーネとフィーナに訳して貰っていくと少しずつ混乱が減っていく。


 なんなら勝手にメニューの文字が、知ってる名前で見えてくるので、いつもながら翻訳機能の万能さには驚かされるばかりだった。


 そして彼女たちのおかげで、好きな物を注文する事が出来た。


「本当にいろいろな魚を、ここで扱っているね」


「ここら辺は海の海流が複雑に絡まる場所の様で、いろいろな魚が豊富にとれるらしいですよ」


「ウンデーネの故郷も遠いけど、ここからなら海流に乗れば迷わず帰れる。いつか主様もウンデーネの生まれた海へ、来てくれるとうれしいなぁ……」


「ウンデーネ約束は出来ないけど、あの小瓶の中の世界は一度見てみたいとは思うよ。僕も」


「でも、彼女の生まれ故郷は、多くのウンデーネがいるので……ハヤトと私は危ないかもしれません。いろいろな意味で……」


 フィーナが言いにくそうにそう告げる。


「あぁ……普通は他の仲間と契約している人間には、大精霊たちは興味はないけど。でも、特別な人間、興味ある人間になら、そんな事関係なしに押しかけるのは普通。そうするとやっぱり危ないかも? 私の二人に興味をもつウンディーネはだめ! 許せないから会わなくていいから、行くのはなしにしましょう。うん」


 そう言ってウンデーネは、勝手に納得し、ウンデーネの故郷は行けない事になってしまった。


 そんな事を話ているとフィーナのアジに近い魚の塩焼きとウンデーネの魚のたらのスープ、そして僕のヒラメのバター焼きとそれぞれ頼んだ、ご飯、パンとバターも来た。


 ここでもご飯が食べれるのは、先代の勇者のよしのさんのおかげかもしれない。どんな経緯でそうなったか聞くのは少し怖い気がするが……。


 フィーナとウンデーネは料理をシェアーするらしく、僕も混ざりたかったが、なんとなく断ってしまった。なので味を、尋ねる程度にした。


 僕のヒラメのバター焼きは、何故か普通のヒラメの倍以上の厚さあった。


 そんな進化か、根本的に種類が調べれば違うのかもしれないが、とても美味しかったので量がある事はいい事だ。


 そして二人とも美味しかったらしい。異世界でも、料理の味が向こうと同じ感覚というのは、僕にとっての最大の幸福の1つだ。


 満腹になった僕達は、お店を出て街を歩く。


 ある通りに入ると、色とりどりの鳥が1軒、1軒にいる通りがあった。


 それぞれの道の看板の横に、赤い鳥や黄色の鳥、いろいろな色が混ざり羽がひどい寝ぐせの様になっている鳥までいろいろ豊富だった。


 しかしある書店の前を通ると、また白いふくろうと目が合った。


 僕達は見つめ合うと、あやつはゆっくり見せつける様に羽をあげる。その姿は、俺の羽を見ろと言わんばかりだ。


 それを横で見たフィーナは、「ふくろうは勇者の守り神で、勇者に知恵を授けると言われていますから、ハヤトに何かを訴えかけているのかもしれませんね」と僕に告げた。


 ふくろう達は、勇者に何かを授ける前に、仲間のふくろうにちゃんとした伝達手段を授けた方がいいように思った。


 ハッもしかして、これは大いなる伏線で、ホーエンツォレルン城の城下町のふくろうの『やんのか!? ステップ』とこのふくろうの羽を見せつけるポーズが、ある場所の秘密をあばく伏線になっているかもしれない。そんなわけないか……。


 その時、僕らを呼ぶ声がした。その方角からシルエットが駆けて来る。


「二人とも大丈夫だった? 二人があんまり遅いから街をすこし、見回っていたら朝方、楽しく飲んでいるバーがあったから入ったら、意気投合しちゃってみんなと楽しく飲んでたのよ」


 ――会話が正しい出発点から飛んで、乱気流にあって、いきなり明後日の方向へ行ったな……。


「おかげさまで無事でした」


「みんな活躍したみたいね。サルメスに聞いたわ」


 そうして明後日の方から、いきなり正しい到着地に降り立ったシルエットは楽し気にわらった。


「サルメスさんに会ったんですね。と言うか、サルメスさん達あれだけあったお酒を全部飲み干して、そっちへ行ったんですね……」


 僕達は驚きを隠せなかったが、シルエットも結構酔っていたので、僕らも一緒に帰ったのだった。


 続く


見てくださり、ありがとうございます。


また、どこかで!



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