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『大蛇の牙』を壊滅させる

 ギルドでの大惨事の後、なんとギルドで寝泊まりし、休憩中のギルド職員にここら辺で、美味しいランチや評判のいい文具店について呑気に聞き込んでいた、ミッシェルを発見する。


 そしてサルメスに、ミッシェルの事についてもお礼を言って帰る事になった。


 彼は飛び散ったガラスや壁を、底の厚い靴でバキバキ踏み割っていく。そしてお別れの時には、とても風通しのよくなった壁から、僕らに手をふり見送ってくれた。


 そして帰り道、僕とミッシェルはゲストハウス迄の道のりをもう覚えた、フィーナとルイスの後を歩く。


 手にいれた情報と照らし合わせながら、歩くミッシェルと違い、大あくび連発させている僕には覚える事は無理そうで、今日は歩く事のみ集中した。


 昨日からの疲れかれなのか、ゲストハウスに辿り着くと僕は、客間の長椅子のソファの上に、きれいな布をひいてその恰好のまま眠ってしまった。


 そんな僕をぬいぬいがお気に入りの、原木の杖で肩を叩き起こす。


「そろそろ行くぞ」


「はい、わかりました」


 僕はそう言うと、大きくあくびをし、少しその場で柔軟をした。自警団から貸し出されている馬車に、乗り込むべく廊下にでると、ぬいぬい、ルイス、フィーナ、ルナが装備を揃えて待っていた。


 年若いオリエラと、街中の戦闘には向かないウンディーネ、そして彼女たちの警護として応用力のあるミッシェルが残るようだ。


「ルイス、寝てる間にいろいろ決めて、貰ったみたいで助かったよ」


「いえ、主人の休養を守るのも執事の務めですので」


 ルイスは、そう言い柔らかく笑う。それが逆に怖いのは、僕の気のせいだろう。玄関の扉を開けると、大通りを通り抜ける馬車たちが見える。


 ホーエンツォレルン城の勇者の間は、玄関から先は城の壁が見えた。


 馬車が石畳の上を走るのを玄関前で見るのも、これはこれで、異世界ぽくていいとは思う。


 家の脇の馬車小屋まで行き、僕はルイスの隣の御者の席へ座る。


 やはりルイスは迷いなくギルドへ、馬車を到着させた。ギルドは先ほどとは違い、多くの馬車が停まり賑わっている。


 そしてギルドから人が出て来ると、彼は僕達の方へ駆け寄って来た。


 彼は腕に白い布を巻きつけている。その布と同じ物だろう物を、僕に手渡しながら、「この目印をつけたら、あの馬車について行ってください」と言うと僕たちのお礼の声にニコッと笑うと、すべてを聞き終わらない内に「御武運を」と言ってその場を離れた。


 そして彼はギルドより一番遠くに、置かれた馬車に乗って行ってしった。


 ルイスはふたたび馬車を走らせる、彼はは僕が寝ている内に馬車と一緒に届けられたと言う、いつものギルドクエストの説明書に書かれた場所に向かっている。


 ☆


 30分もしない内に、ー馬車とまる。


 僕らは先に着いた馬車の横に並ぶと、向こうの馬車は場所を開けるためか、走って行ってしまった。


 しかし出発間際にガタイがいい男が跳び降りた事に、その男が近付いてから気付いた。


 僕たちの居る御者の席がいっぱいだと、確認すると彼は後ろの荷台の方へと飛び乗った。


 彼の重さで馬車は、少しガタンと音をたてる。


 そしてぬいぬいの声と、「いいから、いいからかたい事を言うな」と言うギルドマスターのサルメスのデカい声が聞こえてきた。そしてすぐに御者と荷台の壁の部分を隔てる小窓が開き、サルメスが話し出す。


「挨拶や名のり合いたいのは気持ちはあるが、なにぶん時間が足らねえ目星をつけた奴らの根城はもうすぐだ。まぁ計画らしい計画は無いが、住宅が密集してやがるから、最低限の魔法だけにしてくれ。武器でぶっ飛ばすのもな。ここら辺は食うのにやっとのやつもいるが、こっちもこっちで俺が出向くぐらい、こっちの懐も潤ってないんでね。だからハヤト、お前は俺と来て木性の魔法でどんどんやつらを捕獲して行ってくれ。以上だ。で、何か質問は?」


 彼が言い終わと荷台に居るフィーナの声が、「私も木性の魔法が使えるので、前線に出ます」と言うと――。


「じゃー嬢ちゃんは、別の方向からの部隊へ入って貰う。そちらの部隊は、支配下に置いた部屋の確保と、隠れている残党の発見が主な仕事だが、気は抜かないでくれよ、まぁわかっていると思うが」


「では、私は回復が出来ますので、そちらにまわります。怪我人が居たら、こちらまでさがる様お願いします」


「うむ、貴方が聖女ルナ様か、これは頼もしいね」


「俺は前線に行く」

 不敵な笑いをする、ぬいぬいは杖をカツと荷台に当て音を立てた。


「お前は、あの……。あんたの魔法の腕は、今度見せて貰おう。それとは別に今日は打撃の方を期待している」


「では、私は部屋から出て来る者は撃ちますね」

 ルイスは、なんかるんるんだった。


「うむ、頼んだ」


 サルメスの言うように、今回の標的の家は近かった様だ。あまり時間もかからず先頭を走る馬車が停まった。停まった場所は大通りの道路で、先についた馬車が何台も停めてある。しかし先ほどのギルド前の様な賑わいはないので、他のアジトへ向かった馬車もあるのだろう。


 僕らは馬車から降りると、先ほど白い布を仲間たちに配り、それぞれに巻き付けると各自で強化魔法をかける。仕上げに全員でルナによる祝福を受けた。その段階が終わるとすぐに、ルイスは高い塔へ向かい走って行ってしまった。


 サルメスのもとへ、新たな男が駆け寄ってくる。彼らは二言、三言の会話すると――。


 サスルメスが、「嬢ちゃん達はこの男について行ってくれ、わかっていると思うが決して前へ出ようなどと思うなよ」そう念を押したのち、僕達はそこで別れる。


 サルメスの後をついて真っすぐに裏路地へ向かうと、家の影に3人の男達が先に来ており、彼らの中の一人が、目の前の家を人差し指と中指の2本の指で指さす。


「敵はボスと後10人ほどのもよう」彼の短い報告が終わると、サルメルが呆れたように言う。


「うちのギルドに喧嘩を売っておいて、おうちでねんねしてるのか? 寝ずの番で、俺達のための歓迎パーティーの飾りつけの用意してねとは……、うちも甘く見られたもんだ」


 別の男が、今度は、時計を見ながらカウントを始めた。5・4・3・2.1


 そしてこの作戦の参加者たちは、物音を立てず一斉に動き出す。


 家の鍵は、すぐさま破壊され、警戒しながらもどんとんと先へと進んで行く


 下調べしてあった階段の場所へたどり着く。


「この先、サルメスに気をつけて」

 頭にハテナマークが大きく浮かぶが「はい」と、答えるしかない。


 先頭が階段を駆け上がったと思ったら、サルメスがその大斧で次々扉を破壊しながら進む。


 扉の中に居る団員たちを、残りの人数で手分けしながら、次々捕まえて行くが、一番の奥、ボスが居るだろう部屋から凄い音が聞こえてきた。


 部屋にて敵である団員を発見すると、そこに壁が飛んでくる。


 それを避けたところで、捕まるべき団員に壁だったものが当たってしまっていた。悲しいアクシデントだが回復と縛りあけという飴とムチならぬツタで対応する事になってしまった。


 そしてそいつの足を抱えて、ずりながら隣の部屋へ連れてた行き、ツタでグルグル巻きの団員の隣に寝かせる。


 ずったので、念のため回復をかけて、その場を離れた。


 新たな場所へ向かうため、部屋から出ると壁はだいぶ無くなっており、そこから大立ち回りをやっているサルメスと向こうのボスが見えた。


 壁があり、到底使う事の出来ないと思われた、武器を振りまわす二人。異世界やば……。


「サルメス、助けはいりますか?」


 僕は、そう声をかける。


「いらん、それよりそこのブランデーたちを確保してくれ、そいつは極上な味だからな!」


 そう言うと白い布を付けた、4人でせっせとブランデーなどを運んでいる。


 ルナがいるから、大斧で戦う二人の前で命知らずにそんな事が出来るのかいつもやっている事だからなのか、どっちだ?


 そんな僕の疑問の答えに出ぬ内に、二人の勝負の結果が出たようだ。


 部屋に戻ると、先に瓶のふたを開けて飲んでいるサルメスがいた。どうやら、全部運び終わる前にかたが付いたようだ。


「勝利の夜に乾杯だ」


 そう言ってボスを片手にずって行く。慌てて僕は、そのボスの足を持ってついて行った。


 戦闘が終わると、酔っ払いの群れと、イライラしていたる御者達とで朝日の中ギルドへと岐路に着いた。


 僕らの馬車を走る横を、サルメスが御者席に座る馬車し、駆け抜けていこうとしている。


「勇者、お前も飲めー!」とボトルを投げて寄越したので、ツタで今までになく、繊細なツタさばきでキャッチしたが危ないところだった。


 それにしても……、荷台から酔っぱらったサルメスが、落ちないかが心配である。

 続く



 つづく


見ていただきありがとうございます。


また、どこかで


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