木の魔物を討伐する
僕らは立ち寄った村の村人の願いを受けて、森にいる魔物を倒すべく村を出る。
村からは森は見る事は出来ないが、しばらく進むと傾斜があり登り坂に道はなっている。
登りきった先には木々ぽつぼつと植わり、奥へ行くほど鬱蒼とした森林になっているようだ。
以前、住んでいた世界で、紅葉を見に行った森はこんな風景だった。
管理され道を歩き、道は整備させているが時々、野生動物が現れびっくりするような森。獣道より踏み固められた道のそばに、大木が一定の間隔に植わっている。
今回の僕らの依頼者のアベルさんに、案内され森の奥深くに立っている。僕、ぬいぬい、オリエラと言う師弟コンビで、今回の魔物退治を担当する。
ついて来てくれた木こりの親方の話では、木を伐り出すとやって来るとの事だったので、親方の作業を見守りながら警戒をする。
そうすると親方が作業を始めて30分もしない内に、ドスーン、ドスーンと、魔物の足音が響いた。親方たちには一度森の外へと一旦避難してもらい、足音のする方向に向かう。
そこにはファンタジーでおなじみの、大木の幹の部分に顔がある系の魔物がそこに居た。顔はどうやた木に出来る不自然な溝が、そう見える様で目玉無いようだし、息をしているようにも見ない。
大木の後ろに隠れている僕は、ぬいぬいがうなずくのを合図に、大きな風の魔法を練り上げ魔物に向かって放つ。
僕の魔法は簡単に魔物を真っ二つに分けたが、その断末魔にギギィ――ギィ――! と言う咆哮を発すると、その声にこたえる様に森中に同じ声がこだまする。
そこらかしこからドスーン、ドスーンと言う足音が響き、身構えると背後からも突然、敵が出現した。
魔物が頭を揺らす事で、枝がムチの様にしなる。ギリギリで避けると葉っぱが木の枝から飛んでくる、普通の葉っぱをぶつけられる程度には痛い。
「オリエラ、ハヤト!、この魔物の初動攻撃には、絶対当たるなよ!」
「「はい!」」
「30分だ! 30分以内に全滅させろ!」
「はい」「師匠、どれだけいるのかわからないのに。厳しすぎるよ――!」
僕ら素早く戦闘体制をとる。ぬいぬいの時間制限を守るためにか、オリエラはいつもにまして動き大胆になっている。
魔物の枝を切り刻みつつ懐に飛び込むと、口の部分である木の奥まで刻まれた溝に、剣をつきたて引き抜く。その頃にはオリエラの魔力は、大木の体内で暴れまわり魔物の幹を突き破って現れた風の魔法はすぐに消えてしまう。
ここで僕は大いに焦る。どうやら僕は後手、後手にまわっているようだ。魔物の敗北について知るのまで遅いのはまずい。
二度手間は避けなけれは! しばらくオリエラの動きのみに集中する。
飛び出して来る魔物を素早く理解し、息の根を止める。
彼女は、その繰り返しを機械的に行う。そうとうな訓練を積んでいる事が、その剣の軌道と身のこなしからはっきりわかる。
僕とぬいぬいは、魔法使いのセオリー通り魔法を組み立てている間は、出来るだけ体を隠し攻撃する。
その動きとは全く違う動き。しかしぬいぬいの動きも規格外であって、一般程度の魔法使いである僕には難しい。
ぬいぬいは発動させている魔法の3つ、それを同時に練りあげながら、まわりの普通の植物である大木に当てない繊細さと、確実に相手を真っ二つに引き裂いていく威力がある。
「ハヤト、観察もいいが前には気を付けろよ」
そう言われて前を見た瞬間、大木は一瞬止まり攻撃姿勢をとっていた。僕は、素早く距離をとりつつ魔法を放つ。
一瞬止まる習性がなければ魔法で強化されているとはいえ、立っていられない威力だっただろう。
僕の後ろに立っていた大木には、うっすらと焼けた線が残っていた。
それからは姉弟子のオリエラを、見習い機械的に撃破する。
最後の魔物の時は、槍で突っ込み体内に魔法を叩き込み倒したが……やっぱ何本かの枝は、突っ込む事で攻撃姿勢をとる前でも顔に当たり普通に痛かった。
槍は、枝を掃うのに向いてなと思う。距離をとる闘い方の槍で、どう魔法を使い戦いをこなしていくべきか考えて行かねばならない。
剣のように直接攻撃に向かないなら、魔法で攻撃した方が早い。まあ、そうだけどさあって結果に行き着くんだよなぁ。これが。
魔物を30分以内になんとか倒した僕達は、木こりの親方の言う栗の木へ行きく。そして落ちていた栗を足で踏み、イガの中から借りた道具で、栗を掴み取り、栗を沢山集めた。
そして風の魔法で、イガと落ち葉を脇へ集めて、今回の討伐は終了した。
村へ帰ると昼食を取り、今度はみんなの願いを叶える手伝いにかり出された。
重要な願いを叶え終えた後は、村人から届いたお礼の品をルイスが、必要分だけ貰い。後は、村長に分配するように頼み、もうこの村で行う事は無いだろう……。
後は、ゆっくり村の残りの時間を楽しむだけ。その日の晩御飯は、昨日より少し食材が多くなっていたのでした。
続く
見てくださりありがとうございます。
また、どこかで❕




