落ち葉とか
誰も掃かなくなった
落ち葉が積もっている。
子供の頃なら大抵、
誰かが履いていた。
積もった落ち葉を見ると、
持ち帰りたくなる。
肥料になるかしらと、
落ち葉が光っている。
暮らし方や、守り方や、
上から積もってゆく。
その上を踏みしめる。
宛のない今日の日に。
育ちすぎた街路樹が、
切り倒されてゆく。
近所のイチョウ並木は
切り株が目立つ。
街路樹にあった柳も、
今は見なくなった。
少し経てば忘れている。
それはそれで良しとして。
時代だから、便利だから、
また変わってゆく。
胸騒ぎを噛み締める。
頼りない今日の日に。
暮らしはいつか変わる。
街ならとっくに変わった。
季節のままの草や木を
いつの間にか探している。
子供の頃と比べても、
誰も喜びはしない。
ここからは、後の人の
幸せ育ててゆこう。
落ち葉とか、街路樹とか、
この冬、越えてゆく。
人は人を抱きしめる。
戻らない今日の日に。