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言の葉
「自己紹介がまだでしたね。私は倉木英知と申します。以後、お見知り置きを…。私の異能力【咎】から説明しますね。その方が理解し易いかと…。」
バケットハットの人物はそう云うと…。
一呼吸してから言の葉を、また紡いでいった。
「私は【知識の咎】を発現しました。この世界に干渉をする事が可能であり、希少な能力と云えます。私の【咎】は【ディスクロージャー】。言葉の通り、私の能力は【開示】する事。制限はあるものの、この世界のシステムをある程度、解読する事が可能な様です。」
その声は、耳に心地好い。
「この能力を発現したが故に、この特殊疫病対策局【Creator】を創設する事になりました。」
バケットハットの人物は、そこで言葉を止め、私の瞳を覗き込む様に見つめ…。
「貴方には…。この【Creator】の局長を任せようと思います。咎を発現した能力者【ペイシェント】を管理し、【KARMA】によるバイオハザードを終息へと導いて頂きたい…。」
と、そう云ったのだった。
その日以降、私は様々なペイシェントと接触していく事となったのである。