disclosure
私が【Creator】に招集された時、ある資料が手渡された。手渡された資料には、【KARMA】ウィルスの詳細。並びに【咎】と云われる異能力。そして…。能力者について等が記載されていた。
【咎】を発現した能力者は【ペイシェント】と呼ばれる。【KARMA】ウィルスが、その人の心の奥深くにある根幹に寄生する為なのだろうか…。基本的にペイシェントは1つの【咎】のみ発現する。【咎】は【ペイシェント】の本能から産み出されるモノ。だからなのか呼吸をする様に自然と、その能力を把握出来る仕組みになっているらしい。
一通りの説明を聞かされた後に、私は別の部屋へと案内された。その部屋の中央で椅子に腰を掛け、後ろを向いている人物がいた。その人物は此方に振り向きもせずに言葉を告げる。
「天野さん。この世界が、ゲームの様だと感じた事はありませんか?」
「ゲーム?」
「はい。ゲームです。緻密にプログラミングされたゲーム。」
「確かに…。スキルやら魔法やらが存在する様になってしまいましたからね。」
「だとしたら私は…。」
そう云うと、その人物は此方に向き直り、さしずめ、私は案内人の役目なのでしょうね…。と続けた。
その人物は民族衣装の様なユッタリとした服で身を包み、目深にバケットハットを被っている。それは陰影を創り、顔は伺えなかった。
「何を仰っているのか解らないのですが…。」
「説明不足でしたね。先程の資料はお読みになられましたか?」
「はい。」
「勿論、様々な研究がされ解明されてきた事象を纏めた資料なのですけれど…。あの資料は既に1年前に書いていたモノなのですよ…。あの隕石が落下して間も無く…。私の【咎】ディスクロージャーの能力によって…。」
そして…。
その人物は語り始めたのだった。