表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Melancholic-Heaven  作者: 倉木英知
第1章 音無静寂と相原咲
31/35

巨大な金属の塊。


 ソレが此奴こいつの名だ…。


 「なるほど…。ソレにしては出来過ぎてる気がする…。」


 天野桐人は、そう呟いた。左手で資料を持ち、右の手は顎に添えられている。呟いたかと思うと、次は言葉になっていない様な音をブツブツと発していた。


 最後の髑髏されこうべが完全に息の根を止めた時。無表情の車椅子の少女が小さな声で…。お母さん。と言葉を発っした。すると地面から黒い霧が立ち込め、塗り潰したかの様な黒い霧は、徐々に形を成していく。


 ほぅ。と音無は吐息を吐いた。


 黒い霧は鬼の異形へと変化する。


 「おい。天野。解明出来たか?」

 そう云いながら、音無は天野の横に並び、天野の顔を覗き込んだ。


 「もう少しなんです。もう少しで…。」

 天野は心此処に在らずに云う。


 「時間切れだ…。」

 音無は、そう言葉を投げた。


 「音無さん。あの子、相原咲は本当に…。」


 お…。


 その刹那、耳元まで裂けた大きな口を開き鬼の異形が襲い掛かってきたのだった。


 音無は冷静に咎の名を謳う。


 【キリング・イン・ザ・ネーム・オブ】


 すると音無の眼前に大きな金属の塊が地面に突き刺さったかの様に顕現した。音無の姿を完全に隠してしまう程の巨大な塊だった。紅黒い刀身は無骨に鈍い光を反射している。


 天野がソレを巨大な剣なのだと認識するのには、暫くの時間を必要とした…。


 「【り】ソレが此奴こいつの名だ。」


 と剣を取り、音無は鬼の異形へと駆け出したのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ