狂った世界のエトセトラ
現在から2年程前の事。直径10センチ程の隕石が東京へと落下した。隕石落下による直接的な被害は無かったのだが…。問題は、その隕石の内部に存在していた未知のウィルスにあった。
【KARMA】と名付けられたそのウィルスの感染症状は大きく分けて4種類に分類された。
①人間の形状を失い、内に秘めていた欲望を具現化した様な怪物へと変異する症状。
②その人間が抱えている心の闇が異能力として発現する症状。
③強大な異能力に耐えられず、眠りから目覚める事の無い植物状態になる症状。
④無気力となり生きながらにして死んでいるかの様な症状。
そう…。【KARMA】は人の心の闇に反応した。だからこそ世界中に蔓延する迄に、然程時間は要さなかった。そして、【KARMA】は人類の機能を奪い去ってしまったのだ。
法も。秩序も。道徳も。
何の意味も成さなくなってしまった…。
そんな最中、国家は国家が国家として機能している内に、とある1つの機関を創った。猟奇的な犯罪を犯した人間を隔離する為の精神病棟の施設を再利用した…。
特殊疫病対策局【Creator】。
私は…。
その施設の局長に選ばれたのだ。