何処?
私の…。
可愛い子…。
見つかった頭部は死後三カ月以上が経過していたらしく、その殆どが骨と化していた。処々に残っていた肉片には蝿の卵が孵化をしており、蛆虫が蠢いている。その残酷で現実味の無い事実は、理花の心に【幻想】として深く刻まれていく事となっていった。要は理花の脳からは現実と幻想の境界線が完全に消失してしまったのである。
そうなってしまってから理花は性別、年齢関係無く子供を攫ってきては失わない様に監禁をして、深い愛情で接した。けれど…。ふと青い瞳では無い事に気付くと攫ってきた子供を解放する様になってしまったのだった。
理花には全くと云って良い程に悪気は無い。ただ純粋に子供を愛そうとしていただけの事だった。
然し…。
因果は善く無い方向へと…。
流れていってしまう。
そんな理花を護ろうとして、薬師家は解放された子供を別の場所へと監禁する様になった。勿論、子供に対しての罪悪感か無かった訳では無い…。罪悪感に蝕まれながらも、そうする事でしか理花を護れないのだと…。思い込んでしまっていた…。きっと薬師家の全員の心は静かに、けれども確実に歪になってしまっていたのだろう。
しかも裕福で無かった薬師家には、そんな子供達を食べさせていくだけの余力は無かった。日に日に衰弱していく子供達。栄養失調となり痩せ衰え、そして腹部だけが異常に膨れる様になった。




