キリング・イン・ザ・ネーム・オブ
正義無き力は暴力で…。
力無き正義は無力…。
だとすれば…。
「キリング・イン・ザ・ネーム・オブ…。」
音無静寂が囁く様に言葉を漏らした…。すると音無静寂の両の手に紅黒く錆びた刃の無骨な剣が顕現する。右手の剣の柄は黒く、左手の剣の柄は紅い。柄からは触手の様なモノが数本生えており、音無静寂の指に食い込んでいた。
「御前等…。五月蝿いんだよ。黙れよ。」
音無静寂は力の限りに剣を振るった。錆びた刃は切れ味が悪く、異形の怪物に食い込むだけだった。然し…。音無静寂は食い込んだ剣を更に力を込めて引き抜いた。
「死んだら喋れねぇよな?死人に口無しだ…。」
錆びた刃には、怪物の肉片と血液が付着している。刃に付着する怪物の残骸の隙間から、泥々とした漆黒の液体が滴り落ちていた。
「この剣さぁ。切れねぇんだよ。切る為の剣じゃないんだ…。視えるか?この刃…。鋸よりも細かい刃が幾重にも重なってるんだよ。逆に痛えだろ?」
音無静寂は嗤う。
「細胞をグチャグチャにして、普通の回復手段じゃ、元に戻せない様にする為の剣…。【鋸挽き】だ…。」
小さな異形の群れは恐怖に慄き、音無静寂から一歩後退る。
「正義を行使し死刑執行する。」
音無は大きな鬼の異形へと…。
視軸をずらした。
音無静寂。
物理攻撃に特化した【正義】の【咎】…。
咎名。
【キリング・イン・ザ・ネーム・オブ】
ステージⅠ。
武器を顕現し指の神経と同化させ、肉体の一部の様に扱う事が可能となる。顕現させられる武器は剣や刀のみ。現在、剣【鋸挽き】刀【梔子】の2種類が顕現可能。咎発動時から、身体能力が人間の域を超えている。
音無静寂が過去に巻き込まれた事件の記憶が深く関係している。
ステージ0では身体能力の上昇。武器の顕現のみ。




