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Melancholic-Heaven  作者: 倉木英知
第1章 音無静寂と相原咲
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両の手に刑具を…。首に貝殻を…。


 幸福を願う事は…。

 罪なのだろうか?


 私はにえとなった…。


 贄と云う漢字の印象は良くないモノなのだけれども…。贄の漢字を解体すると三つの漢字が現れる。さいわい。丸。貝。そうすると印象が良くなる様にも感じるから不思議なものだ…。


 然し…。【幸】とは手枷の形なのだそうだ。手枷の刑罰だけで罪を償うのは僥倖ぎょうこうで、重罰を免れるから【幸】になるのだと聞いた事がある。【丸】とは両の手を差し出している形であり、【執】とは両の手に刑具の手枷を嵌めている形となる。そして【貝】は、子安貝の形を象った象形文字で、古代中国では貨幣として貝殻が貨幣が用いられていた事から、財貨や処理・・の意味を持つのだと云う。


 「なるほど…。」

 私は独り寂しく呟く。


 そうだとしたのなら…。贄として選ばれたのには何らかの意味があるのだろうか…。私は私が認識していない内に罪を犯したとでも云うのだろうか…。私は…。ただ世界が平和になり、幸福になればと願っていただけだ…。


 あぁ。


 ソレが罪だとしたのなら…。


 此の世界を均衡に保つ幸不幸の天秤に背く事になるのだとしたら…。


 きっと私は罪人なのだろう。


 だから…。

 贄に選ばれたのだ…。

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