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私は誰かを救う事が出来るのでしょうか?
誰しもが夢を見て…。
決して叶う事が無い願い。
私は世界を救う為の人柱として贄に選ばれた。KARMAと呼ばれるウィルスが世界に蔓延してから、世の中の歪みが明瞭化したかに思える。そうだ。世の中は初めから歪んでいたのだ。ソレに気付いていなかったのか、見ようとしてはいなかったのかの違いはあるのだろうけど…。でも、そんな世の中でも私の肉体の内には、変わらぬ信念がある。幼き頃から教わった【神様の教え】だ。単純の様に思えて複雑で…。簡単な様に思えて難しい…。
【慈愛の精神】
誰しもが慈しみ、愛を与えられるのであれば争いも悲しみも無い世の中になる筈だ。でも…。その願いは叶わない。何故なら世の中は平等では無いからだ。きっと世の中には、瞳には映らない、ある種の法則があるのだろう。
幼い頃から、とある宗教へと入信させられた私は嫌と云う程に見せつけられてきた。ソレは…。誰かが幸福になると誰かが不幸になると云う事。もし平等と云うモノがあるのならば…。幸不幸の質量だ。