ハイパーお兄ちゃんタイム~妹を大切に~
「……ということになった」
学校が終わり家に帰った俺は、葉菜に今日のことを伝えた。
「えぇえぇぇえぇえええええええーーーーー!?」
葉菜、驚きすぎである。
そして――。
「ずるいずるいずるい! ずるいよぉーーーーー!」
ダダをこね始めた!
「えっ、なんでだ?」
「だって、琴音さんも凪咲さんも一香さんも朝から夕方までお兄ちゃんと一緒なのに葉菜だけ仲間はずれでしょっ!?」
まぁ、そうなるな。
しかし、以前の葉菜ならここまで子どもっぽい反応をしなかっただろう。
生活に余裕が出てきたことで、年相応に感情を表せるようになったということか。
「でも、ほら、葉菜は夜は俺と一緒にいられるだろ?」
ちなみに今日のお勤めはお休みである。
琴音さんたちは転校関連の手続き等で、色々とやることがあるらしい。
なお、いきなり明日からうちの学園に通えるらしい。すごいスピード転校である。
しかも、クラスは俺たちと同じとのこと。
普通ならありえないことなのだろうが、それだけ扇山家の権力がすごいということだろう。
まぁ、うちの高校が底辺校だからできることなのかもしれないが……。
「葉菜もお兄ちゃんたちと一緒の学校に通いたいよ~」
今日の葉菜はとことん駄々っ子モードである。
といっても年齢的に絶対に無理であるが……。
「それじゃ、葉菜。今夜は俺と戯れよう。ハイパーお兄ちゃんタイムだ!」
「ふえ? ハイパーお兄ちゃんタイム?」
「ああ、そうだ。ハイパーお兄ちゃんタイムだ! 葉菜の望むことはなんでも叶えてやるぞ! 今の俺は世界の誰よりも妹を優先する!」
「じゃ、お兄ちゃん! 今日はいっぱい遊ぼう! お兄ちゃんは今夜は葉菜専用だからね!」
「おう! 今日は妹専用お兄ちゃんだぞ!」
葉菜も琴音さんたちに影響されたのか、だいぶ自由になってきたな。
まあ、甘えん坊モードの葉菜はかわいいからいいか。
そういうわけで、今夜は思いっきり家族(妹)サービスに努める俺であった。
たまにはこんな夜があってもいいだろう。
妹は尊い。
妹を大切に(埼玉古墳にある「古墳を大切に」標柱風に)。
葉菜「お、面白かったらブックマークや評価してくれると嬉しいですっ!」