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妹と団欒~肉野菜炒めとラーメンとご飯~

※ ※ ※


 俺たちは自宅へ帰ってきた。


「お兄ちゃん、夕飯だけど――」

「肉野菜ラーメンにしよう」


 訊ねてきた葉菜に即答する俺である。


「えぇっ、夕飯なのに?」

「ああ、たまにはいいんじゃないか。というか、つい袋ラーメン買いすぎちゃったしな。消費しないと」


 さすが一香が遠征してくるほどの特売。

 袋ラーメンが大変お買い得だった。

 しょうゆ・とんこつ・味噌・塩の四種類(いずれも五食入り)を買ってしまったのだ。


「うーん、ま、いっかぁ。葉菜もラーメン食べたくなってきちゃったし! じゃ、まずは肉野菜炒め作らないと」

「俺も手伝うぞ。といっても、袋のラーメン作るだけだから楽勝だけどな」

「うん、ありがと、お兄ちゃんっ!」


 というわけで俺たち兄妹による調理タイムが始まった。

 鍋で湯を沸かす! 麺を投入する! スープの素も入れる! 俺でも簡単!


 一方で葉菜はフライパンを器用に使って塩コショウで味つけして肉野菜炒めを作っていく。いい香りだ。というか、これをラーメンにぶちこむのは料理に対する冒涜な気すらしてくる。


「ラーメンはラーメンで、肉野菜炒めは肉野菜炒めで食べよう。ご飯もあるしな」

「お兄ちゃん、炭水化物取りすぎで太っちゃうよぅ」

「いや、俺たちには栄養が足りない。現に、まだまだ痩せすぎレベルだからな」


 琴音さんのおかげで栄養状態が改善されたとはいえ長年の貧窮生活により俺たちはかなり痩せてしまっている。多少はカロリーをとらないと。


「で、でもぉ……」

「ほら、葉菜もたくさん食べないと成長しないぞ。琴音さんみたいになりたいだろ?」


 琴音さんは身長も高いし、なによりも胸の発育がすごい。

 やはり栄養のあるものを食べているからだろう。


「むうぅ……! お兄ちゃんのエッチ! おっぱい好き!」

「い、いや、別に胸にこだわりがあるわけでは……」

「うそっ! いっつもデレデレしてるくせにっ!」


 妹にはすべてがお見通しだった。

 さすがは我が優秀な妹。


 でも、琴音さんにデレデレしてしまうのは仕方ないだろう。

 あんなに美人でおっぱいがデカければ、人類のほとんどがデレデレしてしまうはずだ。


「はい、とにかくできあがったよ!」

「おう。ラーメンも完璧なタイミングだ」


 俺たちはできあがったラーメンと肉野菜炒めとご飯をお盆に載せ、ちゃぶ台へ運んだ。


「さて、食べるか。いただきます」

「うんっ。いただきますっ!」


 俺たちは手を合わせると食事を開始した。

 まずは葉菜の作った肉野菜炒め。


「うん、美味いな。お袋の味ならぬ、お妹の味だ」

「うぅ、なんか違和感ありすぎだよぅ……お妹の味って……なんで『お』をつけるの?」

「じゃあ、妹の味がする」

「それ葉菜の味がするみたいでもっと嫌っ!」


 アホみたいな会話をしてしまう。

 しかし、テレビのない暮らしというのは会話を楽しむしかない。


「やはりテレビくらい買うか……?」

「ううん、いいよっ……。テレビのない暮らしに慣れてるし……そ、それにっ……お、お兄ちゃんと会話する機会減っちゃうしっ……!」


 最後には照れたように顔を背ける。

 さすが我が優秀な妹。ブラコンである。


「葉菜はパーフェクト妹だよな」

「パーフェクト妹って、パーフェクトじゃない状態の妹もいるみたいでなんか嫌っ!」

「未完成の妹か。それはそれでいいかもな。未完成妹と妹完全体の戦いは面白そうだ」

「よくないよっ! というかなんで戦うの!? 意味不明だよぅ!」


 やはり妹がいると退屈しないな。

 一家に一人妹がいるべきだ。


 そんなアホなことを考えつつラーメンを啜り、肉野菜炒めを摘まみ、ご飯も食べる。

 とにかく胃を満たせる庶民の味である。ビバ・カロリー。


 妹との団欒の時間はいいものだ。


葉菜「面白かったら、ブックマークや評価してもらえると嬉しいですっ!」

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