妹と一緒の時間! そして、お買い物へGO!
※ ※ ※
「ふむふむ……これがスマホというやつなのか……摩訶不思議だな」
俺は説明書を読んでスマホの使い方を学んでいた。
今まであまりにも時代遅れすぎた。
バイト先も肉体労働系だったので、思考が平成どころか昭和だったのだ。
「……文明についていくのは大変なことだな……」
「……お兄ちゃん、時代に完全に取り残されてるよぉ……葉菜も、お兄ちゃんのこと言えないけど……」
時代遅れ兄妹な俺たちだった。
「葉菜はスマホとかほしくないのか?」
昔なら考えられないが金銭的に余裕があるので買うことができる。
しかし、葉菜は首を振った。
「ううんっ! 葉菜には必要ないよ! 学校じゃ持っている子もいるけど葉菜にとっては無用の長物だよ!」
さすが優秀な我が妹。
チャラチャラしたものとは無縁だ。
「んじゃ、ほかに買いたいものはないか?」
「ないよっ。やっぱり将来に備えて貯金しておかないとっ……」
やはり優秀な妹である。
しっかり者だ。将来が楽しみだ。
「そうか。でも、ほしいものがあったらいつでも言ってくれ。遠慮はしなくていいからな」
「うんっ! ありがとう、お兄ちゃん!」
こうして夕方に長い時間葉菜と一緒というのも久しぶりだな。
ここのところ琴音さんの出迎えがあったし、昨日も葉菜と一緒に屋敷に行ったし。
「あ、そうだ、お兄ちゃん! お買い物に行かないと冷蔵庫の中が空っぽだよ!」
「おおう、そうなのか。じゃあ、買い物に行くか」
ちょうどよかった。
ここは葉菜と一緒に買い物をしながら、葉菜の好物を買ってやろう。
「よし、行くか、買い物!」
「うんっ! えへへっ♪ お兄ちゃんとお買い物~♪」
葉菜はゴキゲンで鼻歌混じりに出かける用意を始めた。
俺なんかと一緒の買い物でここまで喜んでもらえるなんて兄冥利に尽きるな。
この笑顔を守るために、これからもがんばっていこう。
そう決意と覚悟を新たにする俺であった。
葉菜「続きが気になる、面白いと思っていただけたらブックマークや評価をしていただけると嬉しいですっ!」




