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名状しがたい巨大なふたつの肉塊

※ ※ ※


 窓から温かな日差し。

 見慣れない天井。

 背中に感じる柔らかな温もり。


 ……柔らかな温もり?


 俺は、おそるおそる……ゆっくりと寝返りを打つ。

 そこには、優しく微笑む琴音さん。


「おはようございます♪」

「――っ!? お、おはようございますっ!」


 いきなり超至近距離で琴音さんの笑顔を見てしまい心臓が止まりかけた。

 ……ほんと、美人すぎて困る。心臓への負担が大きい。


「昨夜はよく眠れましたか?」

「えっ? ええ、ま、まぁ……」


 琴音さんのおかげで最初は眠るどころじゃなかったです、とは言えない。


「わたくし、昨晩は久しぶりによく眠ることができました♪ というよりも、人生で最も満足できる睡眠をとれたかもしれません♪ おふたりのおかげです♪」


 はは……。まあ、そうかもな。

 俺たちの尊い犠牲も役に立ったようだ。

 まぁ、これまで琴音さんに受けた恩を考えれば、これぐらいなんちゃない。


「ふにゅうぅ……お腹いっぱいだよぅ……」


 そのとき葉菜のほうから声が聞こえた。これは寝言だろう。

 いつもは俺よりも早起きな葉菜だが、昨夜の攻防もあってか寝坊しているらしい。


「……ぉ……おっぱい……やぁらかいよぉ……でも、苦しいよぉ……うーん、うーん……」


 そして、昨夜の影響をモロに受けて悪夢を見ているようだった。


「うなされていますね……。葉菜ちゃん、大丈夫ですか?」


 心優しき女神である琴音さんは葉菜に呼びかけながら体を揺する。

 ……もっとも、葉菜がうなされている原因は百パーセント琴音さんなのだが。


「……う、うぅん……? ……はれっ……? あれっ?」


 揺さぶられた葉菜は目を覚ました。


「おはようございます♪ 葉菜ちゃん、大丈夫ですか? どうやら、うなされていたようですが……」


「ふぇ……? えっ、あ、あぅ……だ、大丈夫ですっ……ちょっと、巨大なふたつの肉塊で圧死する夢を見ただけで……」


「まあ……! それはさぞかし怖かったでしょうね……! 巨大なふたつの肉塊で圧死する夢だなんて……! 名状しがたい恐ろしさです!」


 その巨大なふたつの肉塊って、琴音さんの巨乳のことなんだが……。

 まぁ、「琴音さんの巨乳で圧死する夢」だと言わないところは葉菜の優しさだろう。


 ともかく、巨乳から話題を変えよう。

 いつまでもこの話題をし続けるのは寝起きの青少年男子にとってよくない。


「えっと……」


 なにか話題を出そうと口を開きかけた俺だったが――。


「それでは朝のスキンシップをお願いいたしますね♪」


 えぇえ――!?


 いきなりこちらに振り向いた琴音さんは俺をハグしてきた。


 ちょ、ちょちょちょ、ちょっと待てぇー!


 なんでこんな行動が突飛かつ大胆なんだ琴音さんは!


「ぎゅ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♪」


 ほんと、もう、朝から刺激が強すぎでござるよ……。

 もう、いろいろと、限界が……。


葉菜「……面白かったら評価してもらえると嬉しいですっ……むにゃむにゃ……おっぱい……おおきすぎるよぉ……」


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