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くすぐり作戦

 そして、ついに努力が実るときがきた――。

 俺たちの動きに誘導されるようにして琴音さんが寝返りを打ったのだ。


 勝利! 大勝利!

 謎の達成感!


 俺はついに危機を乗り越えたのだ。

 ありがとう我が優秀な妹。


 しかし、そう感謝したところで――。


「……はわわっ、わぷぅっ」


 今度は葉菜が琴音さんの魔の手に! いや、魔の乳に!

 しかも、今度は正面から!


 琴音さんは葉菜の背中に両手を回して抱擁してしまう。

 なんという無差別スキンシップ。一難去ってまた一難。

 寝てるときも琴音さんは無敵キャラだった。


「……葉菜、大丈夫か……?」

「……う、うんっ……だ、大丈夫っ……んぷぅ」


 しかし、ますます抱擁は強まっているようだ。

 このままでは葉菜が尊い犠牲によって窒息しかねない。


「……待ってろ、今、助けてやるから……」


 せっかく助かった俺だったが、妹を見殺しにすることなどできない。

 再び琴音さんに寝返りを打たせるべく肩を掴む。

 そして、ゆっくりと力を込めて寝返りを打たせようとするが――。


 しかし、寝返りを打ったばかりな上に葉菜をしっかりと抱きしめてしまっているので、動かざること山の如し。

 

「……んぷぅ、んぐぅ……んむう……」


 その間にも葉菜の悶え苦しむ声が聞こえてくる。

 ここは……どうするべきか。

 生半可なことでは琴音さんの抱擁を解くことは難しい。


 このままでは、おっぱいで葉菜が窒息しかねない。

 ……こうなったら背に腹は代えられない。


「こ、琴音さんっ、起きてくださいっ……」


 俺は琴音さんに呼びかける。

 しかし……。


「むにゃむにゃ……満足ですぅ~……♪」

「……むぐうぅう……」


 琴音さんは寝言を口にしながら、ますます葉菜を強く抱きしめてしまった!

 完全に熟睡している。これは危険だ。

 今すぐ葉菜を助けねば命にかかわる! こうなったら強硬策しかない!


 覚悟を決めた俺は起き上がり、葉菜を拘束している琴音さんの手を引き離しにかかった。

 しかし、両手でガッチリ抱きしめているので、これを解くのは難易度が高い。


「……考えろ波畑道広。なにか策があるはずだ……」


 俺は自らの低スペックな脳をフル回転させる。


 拘束はガッチリ決まっていて睡眠も深い。

 力づくで無理やり拘束を解くのも手だが、琴音さんに怪我をさせるわけにはいかない。


「……押してダメなら、引いてみろ…………ならば……強硬策がダメな場合は……?」


 そこで俺は閃いた。


「くすぐってみるのはどうだ?」


 葉菜を抱擁している関係で琴音さんの腋の下は無防備になっている。

 ここを攻めれば効くんじゃないか?

 でも、眠っているときにくすぐったさは感じるものだろうか?


「……うぐぅ……むぐ……ぅ……」


 マズい! 葉菜が限界に近い!

 こうなったらやるしかない!


 俺は琴音さんの腋の下に手を伸ばすと「くすぐり作戦」を決行することにした。


「うおおおおおおおお!」


 こちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょ!


 俺は必死の思いで琴音さんをくすぐる!

 腋の下をひたすら重点的に!


こちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょ!(面白かったら評価していただけると更新の励みになります!)

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