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尊い光景

「それでは、次は葉菜ちゃんもお願いしますね♪」

「は、はいぃっ……!」


 抱擁が解かれた俺だが、今度は葉菜が尊い犠牲になる番だ。


「ぎゅ~~~~~~~~~~~~~~♪」

「はわわわわわ~~~~~~~~~~!」


 うん、これは尊いな……。

 百合的にも絵的にも、ほんと、素晴らしい。

 琴音さんになら安心して我が妹を差し出せる。


「葉菜ちゃんかわいいですね~~~~~♪」

「はにゃあぁああ~~~~~~~~~~♪」


 押し当てる、押しつける、押しつぶすのおっぱい三段活用が葉葉に対しても行われている。

 これで母性が不足していた葉菜にとって、いいバブみ栄養補給になるだろう。


「ふうぅ~~~~~♪ とっても大満足です♪」

「はへぇぇ~~……♪ おっぱい、やぁらかしゅぎるよぉぉ……♪」


 葉菜も満足そうだしオールハッピーだろう。

 尊い光景も見られたしな。


「お嬢様。今の尊い光景はしっかり記念撮影をさせていただきました」


 凪咲さんの声のしたほうを向くと、いつの間にか高そうなカメラを手にしていた。

 って、撮影!?


「ありがとうございます♪ 素晴らしい思い出ができました♪」


 もうなんか色々とやりたい放題だな、この主従。

 まぁ……尊いからいいか。


 俺としても今の尊い光景が写真として残ることはいいことだと思う。

 葉菜は尊い犠牲になったのだ。


「もちろん道広様とお嬢様の抱擁写真もしっかりと撮らせていただきました」

「わあ♪ ありがとうございます♪ 嬉しいです♪」


 えぇっ!? 誰得!? って琴音さん喜んでる!?


「本当におふたりには感謝してもしきれません♪ 夜というのは本当に憂鬱な時間だったのですが、こうして満ち足りた気持ちで眠りにつくことができるだなんて♪」


 俺も感謝してもしきれない。

 こんな俺得だらけな思いをして、しかも感謝してもらえるだなんて。


「それでは、おやすみいたしましょうか♪」

「は、はい」

「ひゃいぃ……♪」


 琴音さんが横になるのに従って、俺たちも寝る体勢になる。


「それでは、お嬢様、道広さま、葉菜さま、おやすみなさいませ」

「凪咲さん、おやすみなさい♪ 本日もありがとうございました♪」

「「お、おやすみなさい」」


 凪咲さんが灯りを就寝モードに切り替える。

 オレンジ色の豆電球が室内を淡く照らす。


「では、明朝」


 最後に一礼して凪咲さんは部屋から退出していった。

 これで俺たちだけが残された。


「それでは、おやすみなさい♪」

「「お、おやすみなさい」」


 改めて琴音さんは左右の俺たちに挨拶をしてくれる。

 俺たちは再び挙動不審気味に応えた。


 暗くなったことで琴音さんの顔が見づらくなったから、多少は緊張感が和らいだ。

 とはいっても、こんな絶世の美女と一緒に寝るだなんて……。


 ……い、いや、意識してはだめだ。眠れなくなる。

 ここは明鏡止水だ。ヌイグルミになったつもりで寝よう。


 俺はそう決意して自らをヌイグルミ化するべく努める。

 しかし……こんな状況だと眠気はまったく訪れない。


琴音「楽しんでいただけましたら、評価していただけると更新の励みになります♪」

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