おっぱいならセーフ(?)
「お気になさらないでください♪ 裸のつきあいはわたくしが提案したことですから♪ むしろどんどん見ていただいて大丈夫です♪」
あなたが女神か……。
本当にどんな教育を受けてどんな生活をしてきたらこんな思考になるのだろうか。
俺にとっては得しかない状況ではあるけど。
でも、だが、しかし。だからと言って、ここで無遠慮な視線を向けるのはどうかと思う。
当然、俺も思春期の青少年男子であるから琴音さんたちのおっぱいは見たい。
だけど、純粋な意味で琴音さんは「裸のつきあい」を望んでいるのだ。
それに対して邪な視線を向けることは背信行為ではなかろうか。
ゆえに俺は琴音さんの胸から視線を背ける。
「……道広くんはわたくしと裸のつきあいをするのはお嫌ですか?」
琴音さんから悲しげな声が発せられる。
咄嗟に俺は背けていた視線を琴音さんの顔に向けてしまう。
「……い、いや、そんなことは……」
琴音さんの悲しそうな表情を見て罪悪感が芽生える。
……はたして俺の行いは正しかったのか?
俺を助けてくれた琴音さんにこんな表情をさせるなんてダメだろう。
そうだ。彼女の望むことに対して全力で応える。
それが俺の為すべきことではないだろうか。
うむ、そうだ。以上。証明終了。
……というわけで俺は胸を張って琴音さんの胸を見ていいのだ!
「わかりました。しましょう。裸のつきあいを」
俺は琴音さんを直視した。
「ああ♪ ありがとうございます♪ わたくしに正面から向き合っていただいてとても嬉しいです♪ 心より感謝申し上げます♪」
もう俺の頭の中で今まで構築されてきた常識が破壊されるばかりだ。
なんでおっぱいを見て感謝されるのだ。でも、もう深く考えまい。
琴音さんが喜んでいるんだから、それでいいじゃないか。
俺ごとき凡人の思考が及ぶ領域ではないのだ。相手は聖人なんだから。
「お嬢様よかったですね」
隣の凪咲さんが相変わらず無表情のままさらに祝福していた。
この人も、得体が知れないというか、謎が多いな……。
なお、琴音さんのような巨乳ではないがお椀型の形のよいおっぱいだった。
って、いかん、ナチュラルに見てしまった。
「むぅ~、お兄ちゃん、デレデレしすぎだよぅっ……!」
ヤキモチを焼いた葉菜から肩をぶつけられる。
といっても、柔らかいだけで痛みなんてまったくなかったが。
「ふふふっ♪ みんなで温泉というのは楽しいですね♪」
琴音さんはニッコリ笑いながら湯に体を浸からせていく。
なお、おっぱいは見ても下半身は色々な事情から絶対に見てはいけない気がしたので、そこはスルーする。あいあむ健全。
「ふぅぅ♪ 気持ちいいですねぇ♪」
琴音さんの形のよい唇から艶めかしい吐息が漏れ出る。
あああ。琴音さん色っぽい。
濡れた髪ということもあってか、いつもよりもセクシーな雰囲気が!
心拍数が上がる! 頭が沸騰する! でも落ち着こう!
「そちらへ行ってもよろしいでしょうか♪」
「うぇ!? えっ!? あ、はい……」
心を落ち着ける前に琴音さんはさらに積極策をとってくる。
虚を突かれた俺は、ただ承諾するほかなかった。
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