小説家になろうの広告を自力でカスタマイズすることはできるのか
なんとなく小説家になろうの広告について気になって調べていた時に、ある質問掲示板でのやり取りを目にしました。
内容は「全年齢対応小説のページに明らかにR18指定の広告が表示されるのはいかがなものか」という趣旨だったのですが、回答の中に「広告は、あなたが普段閲覧している内容によってカスタマイズされているので、そういう広告が表示されるのは、日常的にそういうサイトに頻繁にアクセスしているからだと思います」というものがあり、質問者の心境に思いを馳せるとなんだか切なくなってしまいました。
そこで私は、ふと閃いたのです。もし、本当にユーザーのアクセス履歴に応じて広告が表示されているのなら、その仕様を利用することで自分好みの広告にカスタマイズすることも出来るのではないかと!
まずは広告の仕組みを調べてみました。小説家になろうに掲載されている広告元の一つ、MicroAd広告の説明を引用します。
【この行動ターゲティング広告配信の仕組みは、お客様がMicroAd広告ネットワークに属するWebサイトおよびアプリにアクセスした際の行動履歴情報、または第三者のデータ提供企業との連携によって取得する行動履歴情報をもとに、お客様の興味・関心を分析してカテゴリに分類し、そのカテゴリに合った広告を配信する仕組みとなっております。
行動履歴情報として取得される情報は、CookieIDやIDFA/AdvertisingID、お客様が検索したキーワードや広告のクリック履歴、広告の表示履歴、IPアドレス、サイトへアクセスした時間などが含まれます。
尚、行動履歴情報として蓄積する情報は、氏名、生年月日、メールアドレス、ユーザーID、クレジットカード情報などは含まれず、お客様個人を特定できる情報ではありません。】
他にも複数の企業の広告が表示されていますが、仕組みは大体同じだと思われます。これらのシステムが利用している情報のうち、最も意図的に操作しやすいのはCookieID、検索キーワード、広告のクリック・表示履歴だと判断しました。
≪私の作戦≫
1.とりあえず利用者が多いと思われるスマホで実験します。まずは、一度スマホからブラウザをアンインストールします(おそらくCookie削除だけで十分ですが、確実にターゲティング広告が参考にしているデータを消去するためです。念のためGoogle、なろうのアカウント等はログアウト状態、位置情報もオフにしておきます)
2.ひたすら猫について検索し、猫の広告をクリックして表示し続けます
3.小説家になろうの広告が全てKAWAIIで埋め尽くされます
4.ハッピーエンド!!!
それでは、早速実験結果をお伝えしましょう。
まず再インストールしてすぐに確認した「小説家になろう」及び「小説を読もう」の広告には以下のようなものが表示されました。
「小説家になろう原作の某ゲーム」「大人のチャット型恋愛ゲーム」「某美容室予約サイト」「某子供用雑貨店」「某シミュレーションゲーム」「某同人・電子書籍販売サイト」などなど。
ちなみに男性向け、女性向け共にR18な感じの広告もバンバン表示されていたので、冒頭の質問者の方には落ち込まないでほしいと思いました。
次はレッツ検索&広告タイムです。Googleで「猫」「猫 グッズ」「猫 おもちゃ」「キャットフード」「猫カフェ」などを検索しながら、同時に表示される広告もガンガン踏んでいきます。
大体50回ほど繰り返したあと、結果を確認してみると……
「小説を読もう」のトップページ5カ所の広告は全て某オンラインショップで販売されているキャットタワー、ブリーダーショップ、ペットショップなどに差し替えることができました。
「小説家になろう」のトップページ4カ所の広告は2カ所が猫関係に変更され、残り2カ所はシミュレーションゲームのアプリの広告のままでした。
ランキングページも最下部のスクロール型広告も含めて全て猫に塗り替えることができました。
実験後、小説家になろうにログインしても、広告の内容は猫一色のままでした。
【結論】
ハッピーエンド!!! 猫の大勝利!!!
できれば完全勝利に持ち込みたかったのですが、何度やっても猫に染まってくれない広告があったのは心残りです。いつかリベンジマッチをするかもしれません。頻繁に現れる広告に歯痒い思いをなさっている読者の方は一度お試しください。