少女だって同じさ
「なぁ、ソフにーちゃん。にーちゃんはさ、回復魔法とか使えるか?」
「ビーズ、怪我人の知り合いでもいるのか?」
「まーね。孤児仲間でさぁ、病気がちの奴がいるんだよ」
ひったくりの少年、『ビーズ』。
彼はソフの仲間として冒険者となり、すぐに頭角を現した。
ゴブリンやコボルトといった雑魚は余裕、オークやオーガといった一人前レベルの冒険者の獲物すら狩れる強さを得ていた。
ガリガリの発育不良孤児だったビーズだが、パンツを被り、ソフが満足のいく食事を与えると、すぐに健康な体になっている。
これもパンツマスターの力であり、パンツを被る者のコンディションを整えるといった効果である。流石に栄養補給まではできないが、栄養さえきちんと取れば、ボロボロの体を健康な状態にすることが可能であった。
身長も伸び始め、今では成長痛に悩むほどだ。
そんなビーズは、ふと思い出したように、ソフの能力について質問している。
自分がここまで健康になったのだから、その病気がちな友人も助けられるのではないかと考えたのだ。
「可能かと問われれば、可能だな。パンツマスターならば、それぐらい容易い」
「……つまり、そいつにもパンツを被せるのか?」
「ザッツ、ライト!!」
ビーズの質問に、ソフは親指を立て、びしっと答える。
その様子にウザさを感じながらも、ビーズは友人を助けられそうなことに安堵するのだった。
「ビーズちゃん、そのおにーさんは、誰なのかな?」
「冒険者としての、リーダーだよ」
「それと、その頭のおパンツは何なのかな?」
「……聞かないでくれ」
ソフが連れて行かれた場所には、枯れ木のような女の子がいた。枯草の上に横たわる姿は、もうこのまま朽ちるのを待つばかりに見えた。
年齢は以前のビーズと同じく10歳ぐらいに見えるが、こちらも栄養不足による発育不良だ。実際は16歳らしい。
「女の子に年齢を聞くなんて、失礼しちゃうんだよ」
枯れ木のような、骨と皮だけの姿になっても心は乙女。
病気の少女『マグノリア=フレグランス』は、ニッコリとほほ笑んだ。
「……私も、おパンツを被れば、健康になれるのかな?」
「当然だな。我がパンツマスターの前に、病気など無力。病気など、パンツさえ被ればあっという間に駆逐してくれるわ」
「ホント、なんだろうねぇ。信じたくないけど」
フレグランスは、ビーズから一通りの説明を受けた。
「パンツを被ればなんとかなる」というざっくりとした話であったが、実際に健康そうに血色の良くなったビーズの姿を見ると、説得力が感じられた。
ソフの自信満々な姿は逆に一抹の不安を覚えさせるものだったが、信じてみようかという気になる。
疑えるほど、フレグランスには時間が残されていなかった。
ビーズが「腹いっぱい美味い飯を食える」と言われてパンツを被る決心をしたように、フレグランスも「健康になりたい」から、パンツを被ることを決心する。
パンツを被ることに、男女の差は無い。
少女だって同じだ。パンツを被っているなら、みんな変態。