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帝国の鐘  作者: 茅葺クッキー
1/1

ひと目で、絶対無理だと気付いたよ

登場人物紹介

***********************************************

池表いけおもて 一茂かずしげ・・・帝国中学風紀委員長

木春きはる 遊馬ゆうま・・・同副会長

宇治丘うじおか 皇成こうせい・・・同副書記

書記しょき・・・同書記

竹野内 先生(たけのうち先生)・・・社会科の先生。生徒指導。

 

 とある晴れた朝のことである。風紀委員長池表は校門にいた。生徒が校門を通らねばならない最終時刻、8時20分まで20秒を切っている。新弊橋の彼方、建物の陰から現れたのは紛れもない帝国中生徒の集団である。

その数、10,20・・・


「急いでくださぁい!」必死に叫ぶ。だが彼らが走らない。


「畜生。日頃の鯖読みのツケがここできやがったか・・・」


そして悟ったのだ。「間に合わない」と。


ここで池表ら役員は集団を止める陣形に移行する。いわゆる人の鎖だ。

全員で手を繋ぎ合わせ、遅刻した連中をその場に食い止める。


もとより、遅刻者というのは風紀委員長に年組を申告し、それが昼の放送で流されるというのが通例であった。

だが、あまりに遅刻の数が多いときは勢いで逃げ切り、有耶無耶にすることができるのだ。

人の鎖とはこれをさせないために作られた苦肉の策である。


木春、池表、宇治丘、書記の男四人衆。対するは20人の肉の塊。勝負はもうついていた。


それは草 兵どもが 夢の跡


あれからどれだけ経っただろうか。いや2分しか経っていない。目の前には遅刻者ではなく

生徒指導の竹野内先生が立っていた。明らかに機嫌が悪そうな顔をしている。不味い。

「お前ら生徒会がしっかりやらんけんがこげんなろうが!」

この一言で読者諸君は理解できたであろうが、彼はかなり癖が強めの方言を使う。もう60過ぎのおじいちゃんで言葉の理解に苦しむのはしばしばあるが、これが鹿児島弁とか津軽弁とかでないことが唯一の救いであろう。


そしてこの状況である。やばい。かなり激おこだ。あっ。

竹野内先生が時計を投げつけてくる。野球部の反応でキャッチしていた。

おっと。こんなところで野球が役立つとはな。


皆野球部に入ろう。

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