展開が早すぎる!
とりあえず読んでくれ!
「この4人がメンバーだ」
俺の視界には美男美女の4人がいた。
「勇者様っ!」
4人がそう言って、俺にひざまずいた。
なんだかものすごい超越感があるな!
「そ、そんなにしなくてもいいって!」
「いえ、勇者様はこの世界の希望! 誰もが尊敬するべき存在!」
うわめんどくせ、このイケメンまじめんどくせ!
「いや俺たちはメンバーだろ? そんなふうにされるとやりにくいってか...取り敢えず自己紹介!」
「そ、そうですか...では俺から!」
イケメンがスっと立ち、自己紹介をし始めた。
「俺の役職はビーストです!」
・ ・ ・ ・ ・
「それだけ!?」
「はい!」
「名前とかは!?」
俺がそう言うと、イケメンは困惑した顔になった。
「カオルよ」
「お、王様?」
「この世界で名前を持つことの出来るのは貴族だけなのだ」
「え? ということは、この4人は名前がないんですか!?」
名前がないって、呼びにくいな!じゃあ役職で呼ぶしかないのか?ビーストと...
...ビースト!?
「び、ビースト!?」
「え、あっはい! そうです勇者様!」
「ビーストってなに!?」
王様によると、この4人は神の力を授かったらしい。
なので普通の役職とは違う、特別な存在なんだと。
この4人は『ビースト、アサシン、指導者、ヒーラー』という神の力を持っているらしい。
どうやら俺の吸収も神の力なんだと。
―その日の夜
「イケメンがビーストであの美少女が指導者でワイルド男がアサシンでロリっ子がヒーラー...」
俺はベッドの上でぶつぶつと呟いていた。
「あんな美男美女のなかで俺みたいなフツメンがいたら絶対浮くやろおおお!」
俺はとにかく焦っていた。
そこで突然、ものすごい尿意がしてきた。
「ん〜...トイレ行こ」
部屋にあるトイレのドアを開けると、そこにはなんとも見覚えのある懐かしの和式トイレがあった。
「和式トイレあるの!? もっとファンタジー感のある変なトイレだと思ってた!」
俺はトイレのなかにある鏡を見てみると、そこには恐ろしいものが映っていた。
「え...いや...だ、誰だよ!!!」
そう、その鏡には黒髪のフツメンではなく、白髪イケメンが映っていた。
も、もしかして見た目がこの世界で馴染めるように変えられているのか!?だとしたらありがとう!王様!
...そういえば日本にいた時、どんな時に召喚されたんだっけ...記憶がない...もしかして召喚魔法の副作用とか?まぁいいか、日本の頃の記憶なんてしょうもないもんばかりだし。
「だからあのロリっ子は俺のこと白髪じじーって言ったのか...!!」
だけどなんで俺は気づかなかったんだ?
髪なんて視界に入るもんなのに...まぁいいや、疲れてたんだろう
俺はそう自分に言い聞かせていた。
―翌朝
「勇者一行よ! この世界の命運は君たちにかかっている! 最初は『ディールダンジョン』へ行ってもらう!」
そう、今日は早速ダンジョンへ行くとのことだ。
展開が早すぎるが、吸収能力使ってみたいし4人がどんな攻撃をするのか気になるしな。
「くれぐれも死なないように! ハイル、ブリアタニア!」
「ハイル、ブリアタニア! ...ってなんだそれ」
俺たちの冒険は今日これから始まる!
このイケメン、美少女、ワイルド男、ロリっ子、異世界からの勇者...で勝てるのか分からないがせっかくの異世界だ!存分に楽しむぜ!
俺はやる気満々だった。
そう、あの出来事が起こるまでは...
読んでくれてありがとうござい
評価お願いござい